表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたの為に、ビジュを良くしてる訳じゃない  作者: 櫻木サヱ
誰のためでもない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/13

気づきたくない気持ち

放課後。

 つかさはまこに捕まり、ふたりで帰る予定だったが──まこが急に部活の呼び出しを受け、そのまま走っていってしまった。


 一人になったタイミングで、たいちが近づいてくる。


「桐谷さん、一人?」


「まこが急に呼ばれて」


「そっか。じゃあさ──」


 たいちが言い終わる前に、別方向かられんの声が飛んできた。


「つかさ、今日は俺が帰るって言ったよな」


「言ってない!」


「言った」


「言って、ない!」


「……じゃあ、言う。つかさ、帰ろ」


 たいちが笑う。


「如月くん、強いね。桐谷さん、どっち?」


「どっちも選ばない!」


 即答するつかさに、二人は驚く。


「……一人で帰る。今日はそういう気分」


「つかさ?」


「つかささん」


「ついて来ないで!」


 つかさは早歩きで校門を出た。

 三人の視線から逃げるように。


 心がぐちゃぐちゃだ。

 朝から何度も揺さぶられ、限界だった。


 帰り道、夕暮れの影が長く伸びていく。


「……なんで、こうなるわけ」


 つかさは自分に問いかける。


 れんに綺麗だと言われて苦しくなる。

 たいちに褒められて戸惑う。

 二人の視線が自分に向くたびに心が揺れる。


 自分のためのビジュ磨き。

 そう言い聞かせてきたのに。


 結局、どこかで

 れんに見捨てられないように

 誰かの視界から消えないように

 “そうしているだけなのかもしれない”と気づいてしまう。


「……ほんと、めんどい」


 その帰り道を、れんが遠くから見守っていたことを、つかさはまだ知らない。


 そして、風間たいちもまた──

 つかさの背中に興味深そうな視線を向けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ