ぎこちない二人
翌朝から、つかさとれんの会話は極端に減った。
つかさが教室に入っても、れんはいつものように「おはよ」と言わない。
それは無視ではなく、距離を取ろうとする動き。
つかさはその理由を知っている。
(昨日、あんな言い方をしたから……)
休み時間、たいちが話しかけてくる。
「桐谷さん、昨日のポスターすごかったな」
「ありがとう。たいちも作業早かったし」
ぎこちなく笑ってみせる。
そのやりとりを見ながら、れんは視線を伏せる。
見なきゃいいのに、見てしまう。
「れん、今日テンション低くね?」
「別に」
「桐谷のこと、気にしてんの?」
「……知らねえよ」
本当は気にしている。
気にしない方が無理だ。
帰り際、つかさはれんに声をかけようか迷った。
昨日の否定をどうフォローすればいいか分からない。
でも、れんは先に友達と一緒に出て行った。
つかさはその背中を追う気力もなく、ただ立ち尽くす。
「つかさ、追わないの?」
まこが言う。
「……怖い」
「何が」
「本当のこと言ったら、嫌われるかもしれない」
まこは苦笑した。
「もう嫌われてる前提なのやめなよ」
「でも……」
「いい? れんはね、つかさのことちゃんと見てるよ。ずっと前から」
つかさは息を飲んだ。
見てほしい。
でも見られるのが怖い。
その矛盾が胸の中で渦巻く。




