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79話  アニー&セレスティア、合体呪文“聖なる輝き”を発動…闇の王を追い詰められるかしら!?

王宮ホールは崩壊寸前。あちこちに魔物の骸や瓦礫が散乱し、闇の王が上空を支配するように浮遊している。


殿下とガイ、アレクシス、僅かに残った騎士団が何とか時間を稼いでいるが、やはり闇の王には歯が立たない。


あのメタ発言が脳裏を離れず、私は焦燥感に苛まれる。



 (彼は別のゲームから来た“魔王”――それがどうであれ、この世界を滅ぼす邪魔者であることに変わりない。ここで仕留めなきゃ、国は本当に終わるわ……!)


 私はフラフラと立ち上がり、アニーとともに大きく息を合わせる。


先ほどの合体魔法で一度は闇王をダメージこそ与えたが、倒し切れなかった。体力はわずかに残っているが、今が最後のチャンスだ。


私とアニーに残された魔力をかき集め、“さらに上位の合体呪文”を放つしかない。


 アニーが目を潤ませながら口を開く。


「セレスティアさん……私、もう覚悟を決めました。ここで倒せなければ、この国が闇に飲まれます。だから限界を超えて……究極の合体呪文、“聖なる輝き”を試しましょう!」


 それは教会の古文書にも記されていた“高位聖女の秘奥義”らしいが、私とアニーが合体しなければ発動できないうえ、一歩間違えれば自分たちの命を削るほどの危険があるという。


私は内心震えつつも、「うん、やるしかないわね……死ぬ覚悟でいくわ」と決意を固める。


 騎士団の一部が「なんだ、その危険な技は……」「二人とも、無茶だ!」と悲鳴に似た声を上げるが、殿下とガイは「いや、信じるしかない。セレスティアとアニーなら奇跡を起こせる!」と背中を押してくれる。


アレクシスは歯ぎしりしながら「俺もできる限り闇の王を足止めする……お前たちは一瞬でも長く詠唱時間を稼げ!」と叫ぶ。


 闇の王はそれを察したのか、哄笑しながら腕を振り上げて、またしても黒い竜巻のような闇の衝撃を放つ。


殿下やガイがそれを受け止めて吹き飛ばされ、アレクシスが必死にカウンターを試みるもあっさり弾かれる。


誰もが限界ギリギリだが、ほんの数秒だけでも耐えてくれている。その間にアニーと私は向き合い、最後の詠唱にすべてを賭ける。




 「……聖女の祈りと光の奇跡、ここに極まれ……魂が砕けても、世界を護る……!」


 「乙女ゲーだろうが現実だろうが、私は悪役令嬢なんかじゃない。闇を絶対に許さない……!」




 互いの魔力が融合する感覚が体内を焼くように走り、意識が半分遠のきそうになる。だけど踏みとどまる。


私は杖を両手で抱き込むように持ち、アニーが隣で聖なる光輪を展開している。視界の周囲が白濁し、世界がスローモーションになったように感じる。


 (私が破滅しようが構わない……この世界を守れるなら、最初の“悪役令嬢”恐怖なんて小さなものだわ。さよなら、破滅フラグ……)


 アニーと私が目を閉じて同時に叫ぶ。「“聖なる輝き”……発動ッ!」


 その瞬間、私の体から凄まじい光の渦が溢れ、アニーを中心に神々しい輪が広がる。


ふたりの魔力が完全に融合し、一つの巨大な光柱を形成して上空へ伸び上がっていった。


まるで天井を突き破るかのように膨張する光の柱


――周囲の騎士たちはあまりの眩しさに目を閉じ、殿下やガイ、アレクシスでさえ「うおお……これが最終奥義か!」と驚嘆している。


 闇の王が一瞬たじろぐ気配があり、「くっ……なんだ、その力は……!?」と低い唸りを漏らした。


その隙を逃さず、私はアニーとふたりで光の柱を闇の王へ叩きつけるようイメージを集中させる。


合体魔法などというレベルを超えた、最後の切り札だ。


 光の柱が渦を巻いて闇の王を包み込むとき、凄まじい衝撃音が轟き、ホール全体が揺れ動く。


まるで小さな地震のように床が揺れ、壁がさらに崩壊しそうになるが、それでも私たちは詠唱を止めない。


闇の王が苦悶の声を上げているのが聞こえる。「ぐおお……ふざけるな……私がこんな……!」


 黒いバリアが激しく暴れ、何度も衝撃波が私たちを襲う。


わずかなミスで詠唱が崩れそうだが、アニーが隣でしっかり私の手を握って励ましてくれる。私たちはもう後戻りできない。これを成功させるか、全滅するか。それだけだ。


 「ッ……行けええええ!」

 私の限界を超えた絶叫とともに、光の柱が最高潮まで輝き、闇の王を中心に爆発的な閃光を放出する。巨大なエネルギーが外へ迸り、黒いバリアを内側から裂くイメージが手応えとして伝わってくる。


壁や床が再び破損する音が響き、周囲が一面真っ白に染まる。騎士団や殿下たちが「うわああ!」と叫び声を上げながら耐えている。


 (今度こそ……今度こそ倒れて……闇の王……!)


 一瞬、世界が停止したかのような静寂が訪れる。


私は激痛と倦怠感で意識が遠のきかけるが、最後まで光の集中を切らさぬよう意地で踏みとどまる。


するとどこからか、「キ……貴様ら……!」と掠れた闇の王の声が聞こえ、闇の気配が崩れ落ちるように急速に薄れていく手応えがあった。


 やった……? そう思った瞬間、床がドスンと揺れ、大量の瓦礫が崩れ落ち、そこから黒い塵のようなものが溢れ出て消えていくのが見える。私は意識が朦朧としながら、膝から床へ崩れ落ち、そのまま仰向けに倒れこんだ。


 「……アニー……闇の王……消えた……?」


 隣でアニーも苦しげに息を荒げ、「は、はい……たぶん、致命傷を与えたかと……」と答える。


殿下やガイ、アレクシス、騎士団が崩れた瓦礫の近くを覗き込み、「うおお……やったのか!?」と歓喜混じりの声を上げるが、視界がチカチカしていて私はよく見えない。


 遠くから殿下の声がする。


「セレスティア、アニー……大丈夫か!? 今、見たところ闇の王の姿は消えた。もしかして……倒したのかもしれない……!」


 私は泣きそうな声で「本当……? まだ生きてるんじゃ……」と弱々しく返す。


ガイが「いや、闇のオーラが消えてるぜ。完全に浄化したんだ!」と言い、アレクシスが「俺の闇魔法感知でも、王の気配はほぼ消滅だ……奇跡が起きたな」と呟く。


騎士団が口々に「バンザイ!」と叫んでいるのが聞こえ、私はホッとするけれど、まだ一抹の不安は拭えない。


 それでも、あの圧倒的に強かった闇の王が姿を消したのなら、私たちが勝利したのかもしれない。長きにわたって怯え続けた“国崩壊”のフラグが、ここで砕かれたのかもしれないのだ。


 「もう……疲れた……」と呟くと、アニーが私の腕を抱えて支えてくれる。


「お疲れさまでした、セレスティアさん……私も……力を……出し切りました……」二人とも汗と涙でぐしゃぐしゃだが、笑みがこぼれそうになる。


私自身、かつては“破滅フラグ”だの“婚約破棄”だの必死に気にしていたのが嘘みたい。ここまで来て、国を本当に救う一役を果たしたのなら、もう悔いはないと思える。


 殿下が走り寄り、私たちを優しく抱き起こす。


アレクシスやガイが周りを固め、騎士たちが負傷者を助け合う様子が見える。


私はもう立てないが、「みんな……無事……?」と確認すると、殿下は「重傷者は多いが、死者はそこまで出てないようだ。あ


の魔王を倒したなら、王宮もどうにか救われる……!」と安堵の溜息をつく。


、私とアニーが合体呪文“聖なる輝き”を発動し、闇の王を包み込んだ。その結果、王の姿は消え去り、大量の闇オーラが拡散し、王宮の一角が崩れたままだが、どうやら勝利を掴んだらしい



――少なくとも闇の王は姿を絶ち、オーラが消失している。



 ただし、本当に滅んだのかはまだ確証がない部分もあり、私の意識も限界で確認はできない。


ひとまず“決定打”が入ったように見えるが、実際にこれで完全な終結なのかどうか。


王宮は半壊、騎士たちは疲労困憊……次回の確認で真のエンディングに進むかもしれないし、あるいはまだ波乱が待っているのかもしれない。


 私は倒れながらも、仲間たちの姿を目に焼き付ける。こんな危機を力を合わせて乗り越えたのだから、破滅フラグなんて本当に霞んで消えてしまった。


 「よかった……とりあえず……国が助かったなら……それだけで、私は満足……」


 意識が途切れる寸前、私はそう呟き、殿下が私を必死に呼んでいるのを遠くに感じる。


婚約破棄? まったくくだらないわ。私の破滅フラグなんて、とっくに消し去ったのだから……。国を護るという大目的を果たした先に、どんな結末が待つのか



――もうすぐ幕が下りるかもしれない。だが今は、ただ眠りたかった。大切な人たちと共に生きる明日を信じて……。

毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)

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