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72話  セレスティア、アニーと協力し“聖女×光”合体魔法を試してみますわ!

王宮での宣戦布告から数日。


国王や殿下らが必死に騎士団を動かし、街の封鎖や王宮地下の捜索を進めるものの、黒幕の所在は未だに見つからない。


闇の王がいつ本気を出すか分からない状況が続き、私はほとんど寝る暇もなく光魔法の鍛錬に取り組んでいた。


 そんなとき、アニーが「私たちの“聖女×光”合体魔法を試しませんか?」と提案してくる。彼女は教会と協力し、聖女力の出力を上げる方法を研究しており、以前から私の光魔法と組み合わせれば大きな効果を得られるかもしれないと思っていたらしい。


 「確かに、学園祭などでもアニーの聖女力と私の光が合わさると、魔物相手に有利だったわね。じゃあ本格的に合体呪文を作るの?」

と私が尋ねると、アニーはノートを取り出し、

「はい、具体的な詠唱案をまとめてみました!」

と意気込む。そこには教会で入手した古文書や、自分の転生知識を活かしたメモがびっしり。


何やら“光と聖女の同時詠唱”をして魔力を倍増させる技術が書かれているらしい。


 私は興味津々でアニーのノートを覗き込み、「なるほど……二人が詠唱をズラさず一緒に唱えると、単純加算じゃなくて魔力が乗算される形になるのね? これが完成すれば、私の光魔法が何倍にもなる?」と感心する。


アニーは目を輝かせ、「ええ、そのはずです。ただ難易度が高いのと、相当な集中力が必要で、失敗すると体力を大きく消耗するから危険です」と注意点を挙げてくる。


 実際に試してみるしかないということで、私たちは学園裏の訓練場で小規模な合同練習を始める。


そこにガイやアレクシスも付き添い、安全確保をしてくれる形だ。


レオナルトが「姉上、がんばってください!」とにこやかに手を振り、殿下は別件で王宮へ行っているため不在。


 「いくわよ、アニー……!」「はい、セレスティアさん……!」と息を合わせ、一斉に詠唱を開始する。


私が光魔法の初級呪文を詠みながら、アニーが聖女の祈りを唱えるイメージ。

するといつもより魔力の流れが相互に干渉し、私の体がむず痒く感じるほど熱を帯びていく。


 思わず私が声をあげながら杖を振ると、眩い光が訓練場全体を包み込み、周囲の木々が風圧で揺れるほどの衝撃波が起こった。


近くにいたガイが「うおっ、なんだこのパワー!」と驚き、アレクシスも「くっ……かなり強力だな。闇魔法をぶつけられても、これなら相殺できるかもしれない」と目を丸くする。


 正直、私自身もここまでの威力になるとは思っていなかった。アニーが聖女力を増強していたことは知っていたが、合体魔法は想像以上の効果があるようだ。


 「これ……もしかして魔王相手にも通じるのでは? 本当にすごいわ!」と興奮を抑えきれず言うと、アニーは息を切らしながら「すごい疲れますけどね……フラフラです……」と倒れ込みそうになる。


私も消耗は激しく、短時間ならいざ知らず連発はできなさそうだ。それでも、一発限りの大技としては十分価値がある。


 ガイは「いやあ、これなら学園祭で暴れたあの中型魔物も一撃だっただろうな。あの時は聖女力をしっかり合わせられなかったけど、今なら余裕っすね」と目を輝かせる。


アレクシスも小さく「ふん、なかなかやるじゃないか……闇の王とやらが来ても、お前たちなら勝機はあるかもしれないな」と漏らす。


私が得意げに「でしょ?」と返したら、アレクシスは鼻で笑いながらも「まあ、油断するな。魔王が本気で来たらこんなもんでは足りないだろう」と釘を刺す。


 ともあれ、私とアニーの“聖女×光”合体魔法は、想定以上の威力を発揮することが分かった。


もし闇の王が顕現しても、これさえ成功すれば一矢報いる可能性がある。


アニ―や取り巻きが「ほんと、婚約破棄よりこっちのほうが大事ですよね!」とまで言い出すから、私も「当たり前じゃない、国が崩壊したら結婚とか破棄とか言ってる場合じゃないでしょう!」と呆れ交じりに返す。


 その後、さらに細かい調整をして、アニーと詠唱を合わせる練習を繰り返し、短時間ながら“合体魔法”の一端を掴むことに成功。


ガイとアレクシスが仮の標的を置いてくれたのを実戦想定で撃つと、一瞬で粉砕できた。ただし大きな疲労が伴うため、長引く戦闘には向かない。つ


まり一発逆転の切り札のような扱いになりそうだ。


 「やっぱり私一人だと、あそこまでの火力は出せない。聖女力は私の光と相性がいいわね」と改めてアニーに感謝すると、彼女は「こちらこそ、セレスティアさんの光がなければ私の聖女力だけじゃ限界あるんです。連携すれば魔王さえ倒せるかもしれませんね!」と力強く微笑む。


 合体魔法が成功したとはいえ、実際に“魔王”と戦う日がいつ来るかは分からない。


あるいは王宮地下を捜索して事前に封印できれば最良だが、敵もそう簡単にやられないだろう。私たちはガイやアレクシス、そして殿下とも連携を深めつつ、全方位の危機に備えるしかない。


 それでもこの成功は大きな一歩だ。私が破滅フラグを回避しただけでなく、仲間たちと協力すれば“闇の王すらも倒せるかもしれない”という希望を掴めたわけだから。


 実際、殿下もこの報せを聞けば「やっぱりお前がいたから国が助かる!」とさらに私へ信頼を寄せるだろうし、婚約破棄の話はむしろますます遠のくだろう。


もはや誰が何を言っても、私を断罪して破滅させるイベントなんて起こらない。


 ただ、一つ懸念がある。ガイやアレクシスが「もし敵も“闇の王×闇魔法”合体技を使えれば、お前たちの合体魔法と同等以上の破壊力を発揮するかもしれない」と指摘していることだ。


つまりこちらが強まった分、闇側も並行して“闇の合体魔術”を完成させているかもしれない。


 「恐ろしいわね。闇魔導書と闇の王が揃えば、そりゃ強力になりそう。だけど私たちもそれ以上の力を出すしかないのよ……」と私は唇を噛む。


アニーも覚悟を決めた顔で「はい、どんな強大な闇でも諦めずに封じ込めます!」と拳を握っている。


 こうして私とアニーが詠唱を合わせることで、一時的とはいえ強烈な光の力を放つ技が誕生し、魔王に対抗する柱が立った形だ。


破滅エンドどころか、私が“光の護り手”として国を救う可能性がますます高まる。


ただし、それは同時に闇側も“闇の王”と闇魔導書の合体で対抗してくるフラグかもしれない.........

毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)

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