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33話  園祭の準備がスタート! 悪役令嬢はヒロインの出し物を邪魔するはずが…?

 

 2年生の学園生活が軌道に乗り始めたころ、早くも学園祭に向けた準備が始まった。



 学園側から実行委員の募集があり、王太子リヒト殿下と私、そして“本来のヒロイン”アニーなど主要メンバーも自然と選抜される形に。


■ 学園祭実行委員に選ばれた面々

 リヒト殿下:王太子だから仕方ない。本人は「ここでセレスティアとヒロインの対立を演出し、婚約破棄イベントを……」なんて目論んでいるとかいないとか。

 セレスティア(私):成績上位&悪役令嬢(?)枠として教師が期待しているのか、ほぼ強制的に任命される。

 アニー:平民出身の優等生として模範的存在に。先生も「聖女として頑張ってほしい」と考えている。

 取り巻き令嬢ズ:補佐的役割。企画や宣伝を盛り上げそう……と周りから期待される。

 ガイやアレクシス、レオナルト:委員には入らないまでも手伝いをする立場。騎士科の模擬戦やら、闇魔法の管理(?)など、何かと裏方で活躍する見込み。


「学園祭といえば、乙女ゲームの醍醐味。悪役令嬢がヒロインの出し物を邪魔して、最終的に断罪……ってのが鉄板だけど……どうなるのかしら」

 私は胸中で苦笑する。いままでのパターンからすれば、そんなドロドロは起きそうにない。



学園祭の実行委員会で、リヒト殿下が「じゃあ、模擬店対抗戦って企画はどうだろう?」と提案する。

「ヒロインサイドの店と、悪役令嬢サイドの店が競い合うことで、盛り上がるんじゃない?」——おそらくこれは前世ゲームでよくある“文化祭対決イベント”を狙っているのだろう。


先生たちも「いいね! 若い力を発揮してほしい」とノリノリで了承。こうして、アニーと私を中心としたチーム分けが決定した。


(まさに“模擬店対決でヒロインが勝利→悪役令嬢が負け惜しみ→断罪”という流れが定番だけど……実際どうなるかしら)



学園祭準備が始まると、アニーは「聖女カフェ」的なコンセプトを考案。平民っぽい温かな手料理や聖女の癒しドリンクなどを提供しようとする。

私の側は「お嬢様喫茶」として、貴族らしいお茶とスイーツを出す……程度であまり工夫はない。


(悪役令嬢として「ふふ、下々の者には理解できない高級ティーですわ」とやればいい? でも私あんまり嫌味言いたくないし……)


するとリヒト殿下は、やたらアニーの店をプッシュして、材料調達や出資をしようとする。

「こっちの店には王宮御用達の最高素材を提供しようじゃないか! あ、それより騎士団の協力も呼んで無料PRしたり……」


(平民っぽい温かな手料理とはなんだったのかしら......?)


わざとらしく贔屓しているのが見え見えだ。アニーは困り顔で「すみません、殿下。そこまでされると恐縮というか……」と引き気味。


(殿下はこれで私をイラつかせ、“嫉妬イベント”に持ち込みたいのかもしれないけど……正直、私はあまり気にしてない。むしろそういう露骨な工作はちょっと冷める)



取り巻き令嬢ズは「セレスティア様、お茶会をもっとゴージャスにして勝ちに行きましょう!」とこちらも気合い十分。


「殿下の贔屓なんて関係ありませんわ! 私たち悪役令嬢チームも最高級の喫茶を作り上げて、お客様を魅了してみせます!」

私もそこまで乗り気ではなかったけれど、取り巻きが意気込む姿を見て「まあ、やるからには本気でやろうかしら」と思い直す。


結果、私の店は「お嬢様の優雅なアフタヌーンティー体験」をコンセプトに、品位とサービスで勝負する方向に。高慢ちきに見られないよう配慮しつつ、レオナルトやガイらも協力してくれることになった。


一方、クラスメイトたち(ほぼ転生者)は「この対決、本来なら悪役令嬢がヒロインを妨害して失敗→断罪が定番じゃなかったっけ……?」と首を傾げている。

 

かし私もアニーも、お互いに「いい勝負をしましょう」と握手を交わし、敵対ムードゼロ。

リヒト殿下が「えっ、そこでいがみ合ってくれないと困るんだけど……」という顔をしているのが面白いくらいだ。


(うふふ、悪役令嬢がいちいち悪事を働く時代じゃないのよ……と開き直ってみるけど、実際は闇勢力とか魔導書とかの方がずっと怖い問題。こんな学園祭対決でケンカしてる場合じゃないわ)


こうして学園祭準備は妙に平和にスタート。


リヒト殿下は不本意ながら対決を仕掛けるも、私が正々堂々受けて立ち、アニーが「私はセレスティア様と一緒に盛り上げたいです!」と嬉々として語るため、雰囲気はどこまでもほのぼの。


いったいこの先、どんな波乱が待ち受けているのか……それとも何も起きずに終わるのか?


「まぁ、波乱が起きるとしたら、やっぱり闇魔法関連よね……。アレクシスが何か仕込んでいるような気もするし。うう、どうなるんだろ……」


そう考えながら、私は“悪役令嬢”チームのリーダーとして模擬店の準備に励むのだった。

毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)

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