表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/102

31話  2年生始業! “騎士団演習”見学でガイが活躍、でも私が褒めたら……?

夏休みが終わり、ついに2年生として学園に戻る日がやってきた。

私たち1年生から進級する形だが、今回は騎士科と貴族科が合同で参加する騎士団演習”の見学が最初のビッグイベントとして予定されている。




■ “騎士団演習”とは


学園2年生以上を対象に、王国騎士団の訓練を見学・補佐するという行事。

場所は王都近郊の訓練所で行われ、魔法学園の生徒も実戦さながらの模擬戦などを体験する機会を得る。




私たちはまず見学がメインだが、希望者は体験参加もできるらしい……というわけで、ガイあたりは大張り切りだ。


「うっし! 俺が騎士としての実力を見せつける時が来たぜ! 前世では漫画で憧れてた“騎士無双”を、ここでやってやる!」


ガイは朝からテンションMAX。転生前からの“少年漫画熱”を丸出しに、学園の校庭でウォーミングアップしている。


周囲の生徒も「おお、ガイくんやる気だね~」とほほ笑ましい。ほんと、この学園は転生者だらけだからノリが軽い。



私はというと、「騎士団演習」で激しい動きをする気はない。闇魔法が怖いとかではなく、単純に私は貴族科で戦闘専門じゃないし、あまり目立ちたくないというのが本音。


(それに、せっかく2年生が始まったのだから、普通に勉学と社交を楽しみたい……破滅フラグ回避も大事だけど、無駄に騎士団相手に張り切ってどうなるのよ)


とはいえ、夏休み中に私の光魔法が注目されたばかりで、騎士団サイドからも「ぜひ見学してほしい」「もしかしたら魔物出現時の力になってもらうかも」と期待をかけられているらしい。


「はぁ……やっぱり平穏には過ごせないわね……」

そうぼやきながら訓練所に到着すると、リヒト殿下やアレクシス、ガイらが一斉にこちらを見る。


義弟レオナルトは何かと私のサポートをしようと張り切り、取り巻き令嬢ズは「セレスティア様の優雅な見学姿も楽しみ!」とはしゃいでいる。


アニーはアニーで「え、魔法バトルとか怖い……でも頑張ります!」と気負っている。


どうやら彼女も一応見学するとのこと。


訓練が始まると、騎士団の精鋭たちが華麗な剣技や集団戦術を披露。そこに学園の騎士科上位生も参加し、模擬試合が行われる。


ガイは得意の体術と剣さばきで、素早い動きを繰り出し「はああっ!」と決め台詞付きで敵役の騎士を翻弄。あれよあれよという間に“討ち取った”判定を積み重ねていく。


「わあ、あの子、強くない?」「平民出身で伯爵家に認知されたとか聞いたけど……かっこいい!」

周囲のモブ女子がキャーキャーと黄色い声を上げる。ガイはまさに憧れの少年漫画展開に酔いしれている様子。


そんなガイの活躍を、私やリヒト殿下、取り巻きたちは観客席で見守っていたが……思った以上にガイがかっこいい。ついつい私も拍手を送りたくなる。


「ガイって結構すごいのね……地道な訓練を積んでたのかしら」

「でしょ! 俺はヒーローになりたいんだ!」と遠くからガイの声が響く。どうやらこっちの反応を期待していたらしい。


模擬試合が一段落し、休憩時間。ガイは汗を拭きながらこちらへ駆け寄り、興奮冷めやらぬ表情で言う。

「見てくれましたか、セレスティアさん! 俺、結構頑張ったでしょ!」

「ええ、すごかったわよ。今のあなたなら、実戦でも通用するんじゃない?」


私が素直に褒めると、ガイは一瞬ぽかんとしてから、耳まで赤くなる。


「え、あ、う、うれしいっす! 俺、まさか悪役令嬢に褒められる日が来るとは……!」


「悪役令嬢言うな。でもありがとう」

にっこり微笑むと、ガイは「はわわ……」と謎の声を漏らして目を逸らす。取り巻き令嬢ズが「きゃー、ガイさん照れてる!」と大騒ぎ。


リヒト殿下が横で苦笑し、「なんかラブコメだな……。俺の立場がない」とぼやく。

アレクシスは「ふん、脳筋め」と呟くが、若干羨ましそうな顔だ。


休憩後、リヒト殿下は私に小声で言う。

「お前、ガイが活躍したら割と素直に褒めるんだな。……やっぱりもう悪役令嬢なんて関係ないのか?」

「別に私だって、頑張ってる人は応援したいわよ。第一、悪役が誉めちゃいけない道理もないでしょ?」


「そ、そうだけど……なんか俺の計画がどんどんややこしくなるんだよ。お前がいい人すぎてさ」

殿下は頭を抱える。


私は苦笑しつつ、「別に私、いい人のつもりはないんだけど……結果的にそうなってるだけ」と返す。


実際、ガイがあれほど必死に努力している姿を見て「ふん、身分不相応ね」なんて言えるわけがない。


破滅フラグを回避したい私からすれば、周囲と良好な関係を築くことは大事だし、闇勢力の動きが不穏な今は仲間を増やすに越したことはない。


(そう考えると、殿下の“婚約破棄イベント”などもう優先度低いんじゃない?……なんて思ってしまうわね)


こうして“騎士団演習”はガイの活躍が際立ち、大きな事故なく終わる。むしろ騎士団や他クラスメイトに「セレスティア様の光魔法もぜひ見たかった」と言われるほど、私は平和に見学を楽しんだ。


だけど、リヒト殿下やアレクシスはどこかモヤモヤしている気配。2年生はまだ始まったばかり



——これからどんな波乱(イベント)が起きるのかしら....?

毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)

保存といいねお願いします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ