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25話  一年生総合発表、私が特別賞!? 悪役令嬢としての破滅フラグ、どこへ行きましたの?

そして迎えた一学年の最後、総合順位発表の日がやってきた。


これは一年間のテストや課題、実技評価などすべて総合したランキングで、上位は学園長から表彰されるという伝統行事。


私自身、期末試験でそこそこ好成績を残しているし、実技で光魔法を披露したことも加点対象になると聞いていたため、ちょっとだけ期待はしていた。


結果が大ホールで発表され、私は取り巻きと一緒に列を作って待つ。


1位アニー

2位セレスティア

3位アレクシス……そのあたりは予想どおりだった。



今回は特別賞として“学園の危機に貢献した生徒”の表彰も加わるとのアナウンスがあり、皆がざわついた。その場で学園長が壇上に上がり、いきなり私の名を呼ぶ。


「まずはセレスティア・ノイエンドルフ殿! 先の小動物モンスター事件で活躍してくれましたし、これまで学園の調和を保つうえでも貢献が大きかった。よって特別賞を授与します!」


「あら……私? そんな、貢献って言うほどでも……」

私は驚いてステージに引っ張り出される。周りから拍手が湧き起こり、アニーやガイ、アレクシス、リヒト殿下も手を叩いている。


その瞬間、私は頭のなかで「これ、悪役令嬢が真っ先に表彰されるなんて話が違うじゃない……!」と思わず困惑するが、周囲は絶賛ムードに包まれているから逃げられない。


「セレスティア殿は光魔法を駆使し、モンスターを食い止めてくれました。もともと高飛車な面もあるという噂でしたが、学業でも優秀な成績を収め、皆を助け続けた姿勢を評価します!」

と壇上で学園長が笑顔で語る。


「セレスティア様、おめでとうございます!」と取り巻きが叫び、拍手がさらに大きくなる。私は内心「私、悪役令嬢として断罪される予定だったんだけど……」と苦笑するしかない。


こうして特別賞の証書を受け取り、壇上を降りた私は周囲から「よかったですね、セレスティア様」「これで完全にヒロインみたいなもんでしょ!」と口々に褒められる。


「ヒロインじゃなくて悪役令嬢のはずなのに……」

と複雑だが、あまりにもみんなが祝福モードなので困惑を超えて呆れてしまう。


「おめでとう、セレスティア。……正直、表彰されちゃうと俺が断罪イベントを仕掛けづらいよな……」

リヒト殿下もその場でと小声で漏らす。


「俺の闇計画が完全に霞む……しかも周りはお前をヒーロー扱いだ」とアレクシスは苦々しく歯噛みしている。


取り巻きやアニーが「もうセレスティア様は誰も否定できないですよ!」と笑顔でお祝いし、ガイも「俺も騎士科トップだけど、セレスティアさんには敵わないなあ」としみじみ言う。


まさに私が学園のスターのような扱いを受ける雰囲気で、悪役令嬢の破滅フラグなんかどこへ行ったのやら。


そう思っていると、学園長が再びマイクを握り、「以上で一年生の総合順位発表を終わります。皆さん、この一年間、お疲れさまでした!」と締めくくり、場内は拍手と歓声に包まれる。


「これで一年生編が終わっちゃった……」という達成感と、

「全然破滅しなかったわね」という安堵が同居していた。


そうして私は一年生の総合2位+“特別賞”を獲得し、“悪役令嬢(笑)”としての評価は急上昇。アニーや周囲の転生者たちが期待したような破滅フラグはまるで影を潜め、むしろ“正統派ヒロイン”に近い扱いで称えられる事態に。


ーーーーーーーーーーーーー


こうして一年生編は幕を閉じたが、私の破滅フラグは一度も発動することなく、周囲が“逆にセレスティアを英雄視”する流れが完成しつつある。


悪役令嬢としての運命が揺らぎ続けるなか、私は“破滅を回避”どころか好感度を積み上げる......


一方の状況に戸惑いつつも、また新しい学園生活を迎えようとしていた......

毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)

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