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22話  学年末テストでアニーがまた1位! 悪役令嬢として負け惜しみ…する余地ありませんわ!

学年末テストが終わり、成績発表が行われた。貼り出された結果を見てみると、今回も1位はアニー、2位は私、3位アレクシス、4位リヒト殿下、5位ガイ……という順当な並び。


普通ならここで私は「なぜ私が負けたの!」と嫉妬して怒号を上げる——というのが悪役令嬢テンプレだろうが、実際には私は「ああ、またアニーがトップか……すごいわね」と思う程度だ。


取り巻き令嬢ズが「セレスティア様! ここで“下々の者がトップなんて許せませんわ!”とか言わないと!」とけしかけてくるが、私は疲れ気味に「そんな気分じゃないわよ……」と却下する。


あの勉強会でもかなり頑張ったし、それに2位という成績なら十分誇らしいのに、わざわざ1位のアニーに悪態をつく必要も感じない。


「またアニーに負けたけど、まあ前よりは少し差を縮めてるし、私はこれで満足よ。別に成績1位じゃなくてもいいでしょう」


そう呟くと、取り巻きは「ううっ……せめて嫌味を言う展開が欲しかったのに!」とがっかりする。私としてはいたって自然な反応だが、彼女たちにとっては悪役令嬢らしいドラマが薄くなるのが物足りないのだろう。


アニー自身も恐縮そうに「セレスティア様、ごめんなさい……。」


とおかしなことを言ってきたので、私は「手加減とか言わないでよ。それはそれで逆に失礼だから」と苦笑する。

すっかり意気消沈している取り巻きの表情を見て、アニーが「ごめんね。私もいつもの勉強をしただけなの……」と謝っているのが、もうコントみたいだ。


周囲のクラスメイトたちも「セレスティア様、どうせならアニーをいじめる定番イベントがあるかと思ってたのに」と肩すかしを食らったような顔。私が「えーと、そんなのしなくても……」と答えると、みんな「まあ、そりゃそうですよね」みたいに納得半分あきらめ半分。


転生者だらけだからこそ、本来のシナリオにこだわりながらも、実際にはムリがあると認識しているのだ。


結局、今回の“1位アニー、2位セレスティア”という図式はもはや“いつものパターン”として定着しており、誰も深刻なトラブルを感じていない。


ただ取り巻きが最後に「そういえば、悪役って勉学でヒロインに負けるとヒステリックになるのが醍醐味なんですよ……」と嘆くくらいで、私に求められるのは悪態シーンではなく、もう仕方ないと妥協する笑い話でしかない。


しかし、その一方、リヒト殿下はこのテストの結果を利用して


セレスティアがヒロインに敵意むき出し→断罪


を目論んでいたかもしれないが、当のセレスティアがなんの恨み言も言わないため、まったく動けず。


いつも通り、断罪発動は未遂に終わってしまった。


殿下は成績発表の場で「お、お前、悔しくないか……? ヒロインに負けて……」と話しかけてくる。


私が「別に悪役とかどうでもいいわ。アニーがすごいのは私も知ってるもの」とさらりと返すと、そこから先が何も言えず口ごもっていた。


「うーん、これじゃ何も事件にならないんだよな……」

殿下が内心落ち込む表情を浮かべるのを見て、私は苦笑するしかない。


取り巻きの期待も裏切り、殿下の婚約破棄断罪も不発。私は負け惜しみの悪口を言わずに淡々と2位を受け止める。

毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)

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