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21話  期末試験直前! 取り巻きズの“悪役勉強会!?” 意外と役立つけど戸惑いますわ!

学年末テストが近づくと、取り巻き令嬢ズがまた騒ぎ出した。


「セレスティア様、期末試験ではアニーに負けてしまったら、悪役令嬢らしく悔し涙と怒号ですよね? そういうイベントを狙ってお勉強しましょう!」

などとひどいことを言いだす。


私は「あのね……」と呆れながら額を抑えるが、彼女らは懲りない。


この取り巻き令嬢数名は前世で乙女ゲーが大好きだった転生組らしく、悪役令嬢がヒロインに勉強で負けて荒れる展開を心待ちにしているフシがある。


私としては「そんな恥ずかしい行動やりたくない!」が本音だが、彼女たちが無邪気に「悪役令嬢ムーブが足りない!」と騒ぐのを聞くと、やや申し訳なくもなる。


「はあ……期末テストなんか、普通に受けて普通に成績を出せばいいでしょうに。わざと落ちるなんて嫌よ」

そう言うと、ベルティーユは「でも、セレスティア様が常にアニーに負けるのは定番なんですよ! そしたら今回こそ負け惜しみを言うというイベントが……」と目を輝かせる。


コネットも「そうそう、ここでアニーを罵倒すれば悪役っぽいし、殿下が割って入り『セレスティア、恥を知れ!』みたいに断罪が……!」と、どこか楽しそう。


「あなたたち、私を破滅させたいの? それとも助けたいの?」

私は半ば呆れながら呟くが、取り巻きは「どちらでも面白いんです!」と無責任に答える。


はっきり言って、その気楽さが転生者らしさだ。

「破滅してもドラマティックだし、助かってもハッピーだし、どっちでもOK!」くらいの感覚でいてくれるのだから、私が心配するほどでもないのかもしれない。


とはいえ、現実問題として成績ではアニーが毎回トップを奪い、私はそれに次ぐ存在。あえて負けるような演技をするまでもなく、自然と2位前後に落ち着くだろう。


逆に本気でトップを狙うとしても、アニーが勉学への熱意を燃やしているので、なかなか追いつけない。私としては程よいライバル感を楽しんでいるため、もはや「負けて悔しがる悪役ムーブ」はする気が起きないのが正直なところだ。


ーーーーーそんなある日


レオナルトがノートを貸してくれたり、取り巻きが模擬問題を持ってきたりして期末直前の勉強会に発展した。


なぜかその場で「セレスティア様、もしアニーに再び負けたら“下々の者、恐れおののきなさい!”と叫んでみましょうよ!」など無茶苦茶な台詞を教え込まれそうになる。


私が「いや、いったい何を目指してるの!?」と突っ込むと、ベルティーユとコネットが「悪役度アップです!」と声を揃え、奇妙な熱気に満ちている。


「もういいわ。勉強会って言っても、ちゃんと普通にやりましょうよ……」

私がそう提案し、どうにか本格的な勉強モードに切り替わる。結果として取り巻きがまとめてくれたノートは分かりやすいし、レオナルトの知識も活かせるため、勉強の効率は高い。


私自身は悪役ムーブに乗る気はないが、“期末試験は普通に頑張りたい”という意識で机に向かう毎日だ。


ただ、一方でリヒト殿下は「ここで期末テスト後の成績発表を利用し、婚約破棄を絡めた断罪イベントを作るのはどうだろう?」と密かに考えているようだけど、周囲がやたら私をサポートして成績を伸ばしてくれるので、悪役感が低くなるのは間違いない。


まさに殿下が狙う

成績下位からの毒舌暴言→断罪

というテンプレが生まれにくくなっている。


「期末試験直前って、悪役令嬢がヒロインに嫌がらせしたり、成績で張り合う展開が定番なのにな……」

殿下がそんな風にぼやいているのを聞いて、私は内心「もう、いちいち狙わないでよね」と苦笑。


破滅を望んでいないし、この期末を平和に乗り切れればまたフラグを回避できる。そう考えると、取り巻きの悪役勉強会も私にとっては助かる面が大きい


——変な方向に盛り上がっていることを除けば。

毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)

保存といいねお願いします……!

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