15話 闇魔法の噂がチラホラ…アレクシスが怪しい? でも義弟レオナルトが巡回中!
最近、学園内で妙なウワサが広まっている。
「夜になると裏庭や校舎の陰で“不吉な音”や“暗い光”が見える」とか、「見慣れない動物の鳴き声が聞こえた」とか……。
闇魔法の仕業という説が有力で、ビクビクしている生徒もいれば、「まぁ転生者がやってるんでしょ?」と半ばネタ扱いの生徒も多い。
(この学園、闇魔法を禁じているはずなのに、みんな意外と呑気よね……)
「アレクシス様が怪しいって話、よく聞きますけど……どうなんでしょうね?」
放課後、取り巻き令嬢ズがやってきて、そんな話を持ちかけてきた。
「まぁ、本人は『闇こそ至高』とやたら口にしてるしね。否定できないわ」
「でも、もし本当に危ない陰謀が進んでるなら、セレスティア様も巻き込まれそう……破滅フラグならぬ“闇落ちフラグ”が立っちゃうかもですわ!」
私としては闇落ちだけは勘弁してほしい。破滅も嫌だけど、国ごと巻き添えにするような大事件はもっと困る。
と、そこに義弟レオナルトが颯爽と現れ、「姉上、もしやお困りですか?」とニコニコ笑う。
「ううん、ただアレクシスの闇魔法疑惑があるけれど、誰も動いてないからどうするのかなって話をしてただけ」
「ああ、アレクシス様ですか……。最近夜にコソコソ動いてるから、僕が見回りをしているんですよ」
「……見回り?」
「はい、姉上を闇から守るために!」
聞けば、レオナルトは日々の放課後や夜間に、学園内を自主巡回しているらしい。
「夜間なんて、寮にいないと駄目じゃないの?」と疑問に思えば、「まぁ、その辺はこっそりと……」と悪びれず笑うレオナルト。
「変な魔法を見つけても、一応通報するだけでガチ突撃はしませんよ。でも、この前アレクシス様っぽい人影を発見して声をかけたら、慌てて逃げていきましたね……」
うわぁ、相変わらず義弟の姉上ラブっぷりがすごい。
おかげでアレクシスは闇魔法の研究をまともに進められず、空回りしているんじゃなかろうか……。
「姉上を破滅させるなんて絶対に許さないので、変な動きを感じたらすぐに僕に知らせてくださいね!」
「ええ、わかったわ……ありがとう」
思わず微笑んでしまう。やはりみんないい人というか、私への忠誠心がすごい。
(こんなに守られていて、悪役令嬢としての破滅ルートなんて本当に来るのかな……?)
一方、アレクシスが裏庭で「くそ、あのレオナルトとかいう少年め。俺を監視しているのか?」と焦っている光景が、目に浮かぶ気がする。
毎日投稿頑張ってますΣ੧(❛□❛✿)
保存といいねお願いします……!




