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キラめき一閃!  作者: チーム奇人・変人
2→3年 春
55/66

春の和解①

 ワタシたち4人は、会場付近のファミレスに移動した。

 お昼時だからけっこう混んでいたけど、運良くちょうど席が空いたタイミングですぐに座るコトができた。


 とはいえ、相向かいの席にいるのが四中の菊池(きくち)瀧川(たきがわ)というのは、なんかスゴく不思議な気分だ。まあ、誘ったワタシが言うのもなんだけど。


 テーブルの上には、ワタシとメイの前にハンバーグセット。菊池(きくち)の前に和食御膳。瀧川(たきがわ)の前にオムライス。そして、中央にみんなでシェアするためのフライドポテトが並べられている。


 ワタシたちは食事をしながら、お互いの近況などを話した。

 そして、当初の目的どおり菊池(きくち)と<MAIN(メイン)>のアドレス交換を済ませ、一緒に瀧川(たきがわ)とも交換した。


菊池(きくち)さん、てさ。SNSでもそのまんま<菊池(きくち)>なんだね」


 <MAIN(メイン)>上の彼女のプロフィール画面には<菊池(きくち)>の名前と共に、剣道着姿でクールに澄ましている本人画像が表示されている。

 なんというか、スゴくこのコらしい感じがする。


「私は菊池(きくち)なんだから当たり前です」


 にべもなく言い放つ菊池(きくち)


 ちなみにワタシはSNS上では<HIMIKA>表記だ。


「ねえ、菊池(きくち)さんて下の名前なんていうの?」

「なんでアナタに教えなければならないのですか?」


 何気なく聞いてみたけど、相変わらずの拒絶反応だ。


「せっかくこうして仲良くなったんだからさ、あだ名で呼び合おうよ。ね?」

「断固拒否です!」

「ええな!」


 ワタシの提案に、またしても正反対の反応を示す2人。


「で? 下の名前は?」


 ワタシはかまわず問う。


「絶対に教えません!」

「テンカやで」

瀧川(たきがわ)ァァァァァッ‼︎」


 あっさりとチクられて、菊池(きくち)は怒りの叫びを上げながらテーブルをバンっとたたいて立ち上がる。

 すると当然周囲からの視線を一斉に浴びてしまい、菊池(きくち)は口をつぐんでおずおずと着席する。


「テンカ、ってめずらしいお名前ですねぇ。どう書くんですか?」

「天気の<天>に、人偏(にんべん)に土2つの<()>や」


 メイの言葉に瀧川(たきがわ)が解説する。


「へぇ〜、スゴくカワイイ名前だねぇ〜」

「くぅぅ……」


 名前のコトで勝手に盛り上がるワタシたちを、菊池(きくち)はうらめしそうに(にら)む。


「じゃあ、あだ名はテンテンで決まりね」

「テンテンッ⁉︎」


 大きな声を上げてくわっと立ち上がるテンテン。再び衆目を集めてしまい、頭を下げて座る。


「なんなんですか、そのはずかしい呼び方は? やめてください!」

「え〜? カワイイじゃん、テンテン」

「はい、カワイイと思います、テンテン」

「めっちゃカワイイぞ、テンテン」

「うわぁ、その名を連呼しないでくださいッ‼︎」


 みんなからその名を呼ばれたテンテンは、ついには頭を抱えて(もだ)えてしまう。


「それじゃあ、瀧川(たきがわ)さんは……」


 一方、瀧川(たきがわ)の<MAIN(メイン)>のプロフィールには<セーラ>と表示されている。


「<セーラ>で決まりね」

「え?」


 ワタシの言葉に真っ先に反応したのはテンテンで、


瀧川(たきがわ)は名前が星羅(せいら)だからセーラ……。では、そちらの方のあだ名は?」


 彼女は納得のいかない様子で、メイを指し示してたずねる。


「メイ? メイは名前が芽衣(めい)だからメイだよ」

「そのまんまじゃないですか! でしたら、私もテンカでいいと思いますがッ‼︎」


 テンテンは興奮気味に不満を向ける。


「え〜? テンテン、ってカワイくてイイと思うけどなぁ。リンリンもそうだけど、スゴく語呂がイイんだよね」

「リンリン⁉︎ お嬢さまをリンリンと呼ぶなど、なれなれしいにも程があります!」


 ついには怒り心頭といった感じで抗議するテンテン。


「でも、リンリンはスゴくよろこんでくれたよ?」

「うっ……」


 リンリンを引き合いに出されて、テンテンは何も文句が言えなくなって、


「……アナタのそのネーミングセンスは理解しがたいものですが、いいでしょう。この屈辱、甘んじて受け入れましょう」


 ついにはあきらめたようにテンテン呼びを了承するのだった。


 でも、ぜんぜんよろこばれてないのがちょっと納得いかないなぁ。ネーミングセンス、悪くないと思うんだけどなぁ……。


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