第六話・とうとう俺も冒険者!!
前回のあらすじ
俺はサ〇ヤ人と同じ体質みたいだ。
授業を受け始め1週間がたった。
日中は授業、夜は魔力を上げるため所長から教わった魔法の威力の上げ方(一度に大量の魔力を使う魔法の方法)で使用しては倒れを繰り返した結果俺の魔力はよくわからないくらい増加しちょっとやそっとじゃぶっ倒れることはなくなった。
一先ずその方法は攻撃系の魔法だと大変なことになりそうだったので風呂を沸かすと言って大量の水を出しそして火属性の魔法でお湯にするということをしていた。
その時にはリリアンまたはメリッサに見ていてくれと言って付き合わせた。
日が経つにつれ水の出す量が増えていき火の魔法でお湯に変えるぐらいの火の魔法を使っていたことで俺の魔力量はどんどん増えていった。
「はっ!!」
俺の拳は大岩を砕く。
訓練所では実技の訓練はもう意味が無いとのことで町の外に出て大岩相手に力の扱い方と体術、魔法の訓練をしていた。
「うーん」
「どうしたんですか?」
所長は腕を組みながら俺を見ている。
「もう卒業でいいだろ」
「へっ?」
「なにが、へっ?っだ。その大岩を砕いたのだって身体強化の魔法使ってないんだろ」
「はい」
「はぁ、そんな元気よく返事されてもな。その大岩だって普通身体強化しないと砕くやつなんかいないんだぞ」
「いやぁ、ハハハ」
壊せちゃうんだから仕方ないよな。
「それにだ。お前が使う魔法は見たことないものばかりだ。いくら自由自在に魔法が使えるとはいえ面白すぎだ。あのかめ〇め波だっけか?あんな魔法は見たことない」
「いやぁ、どうも」
面白半分でかめ〇め波なんてやっちまったけどもう使いませんよ。
考えれば自由自在に魔法が出せるって聞いたから色々やりたくなっちゃったんだもん。
「ってことで訓練所にもどるぞ」
訓練所に戻り先に部屋に戻っていてくれと言われポツンと一人席に着き所長を待つ。
とうとう俺も冒険者かぁ。
何するかなぁ、、、やっぱクエストして金稼ぎながら世界を旅することだよな。
こっち来る前も一人旅は趣味でしてたから妖精や小人に会ってみたいし。
しかし、正直チートすぎるこの能力がバレたら国や権力ある貴族にこの力を取り込もうとしてきたりしてめんどくさいことになるだろうからばれないようにしないとな。
ってこれも異世界物じゃよくある展開か。
そして、しばらくたち所長とアリスさんが入ってきた。
「それでは、卒業式を始める」
一応卒業式ってあるんだな。
「ギルドカードを授与致します。リュウセイさん、所長の前へ」
「はい」
卒業証書もらうみたいだな。
所長の前に立ち差し出されたカードをもらい席に戻る。
カードの色は白。
カードには
【魔闘士】リュウセイ
と書かれていた。
ちょっとちょっと職業書かれてるじゃないか。
このカードってこの世界での証明書になるんだよな?
そしたら俺のこと一発でバレるじゃないか。
「それではそのカードについて説明する。ギルドカードが製作されたと同時にお前の情報が冒険者ギルドに登録され全世界の冒険者ギルドに情報が通達される。それにより全世界のギルドでクエストを受けることができるようになった」
「ギルドカードはリュウセイさんの身分証明書となりますので紛失にはお気を付けください。紛失した場合はすぐにお近くの冒険者ギルドにお知らせください」
やっぱ身分証明になるよねぇ。
はぁ、世界に一人しかいない職業なんだから目立つことは覚悟しておこう。
「次にギルドカードの色についてだ。冒険者ギルドではランクが定められている。白は最低ランクのF。Fの上がEで青、そこからDで赤、Cで銅、Bで銀、Aで金となり最高ランクがSで黒となる」
金の上が黒ってクレジットカードみたいだな。
「所長、なぜ金の上が黒何ですか?」
「Sランクになる条件にもかかわっていることなのだが、まずAランクまでなら高難度のクエストを成功できる実力があれば誰でも到達できる。だが、Sランクになるには実力もさることながら品行方正で七か国の王に認められた者しかなれない」
「所長、Sランク昇格の難易度高くないですか?」
「それは仕方がない。冒険者にとってSランクになることは名誉なことだからポンポン簡単にSランク冒険者にしたら名誉も何もなくなるだろ。それに私利私欲で行動するSランク冒険者にこの世界を任せることなどできん」
「確かに、、、ってあれっ、所長」
「なんだ」
「七か国の王に認められるのが条件ってことは冒険者が国に縛られるようなことってないってことですか?」
「軍事とか政治で使われるっていう意味か?」
「はい、そんな感じです」
「あぁ、それはないぞ。なんだそんなこと心配してたのか?」
「そんなことって、当たり前じゃないですか私のこの力が知られたらこの国から出るなみたいなことが起こって騎士団とかに狙われるかもしれないって思ってたんですよ」
「そうか、そうか、それはすまなかったな。しかしだ、冒険者の権利については授業で教えただろ」
冒険者の権利。
それは冒険者は自由で何者にも縛られないという権利。
「それはそうですけど、やっぱり強すぎる力を持つものは目をつけられるのでは」
「ハッハッハ、まぁ、騎士団や親衛隊への誘いはされるだろうが強制ではないしな。それに強制的に入れようとするのがギルドにバレればその国から冒険者ギルドは撤退するからそんな馬鹿なことはしないだろう」
「撤退ってそんな大げさな」
「大げさではないぞ。そうだな授業で冒険者と騎士団の違いについてはしてないから教えておこうか」
「お願いします」
「リュウセイ、冒険者と騎士団の違いってなんだと思う?」
「そうですね。騎士団だと規律に厳しそうなので規律を守れないような自由人がなるのが冒険者みたいな」
「まぁ、ハズレではないがそれだけではない。まず授業でこの世界は七か国同盟を結んでいるという話はしたな」
七か国同盟。
100年前まで七か国間での世界戦争が起きていた。
国が疲弊し滅ぶ状態までいくことで各国が戦争の終結を望み七か国の平和を願うため同盟を結んだ。
「戦争が起きないことにより騎士団は他国へ攻めるのではなく自国を守ることが役目となっている。代わりに冒険者は自国を脅かす者を事前に攻めるのが役目になっている。簡単に言うと騎士団は城に向かってくる魔物は討伐するが討伐しに行くことまではしないから冒険者に依頼して討伐しに行ってもらうってことだな」
「なるほど」
「だから、国としても冒険者たちと仲良くしておかないと魔物が繁殖しまくって攻め込まれでもしたら騎士団だけじゃ守り切れないだろうから冒険者の力が欲しいんだよ」
それじゃこのチート能力をバレないようにセーブしなくてもいいか。
「ってことだから心配せずに自分の力見せつけておけ」
見せつけておけっていうけど、、、まぁいいか。
「それでだ、現在Sランクは5人しかいない」
5人か、どんな人たちなんだろうな。
「お前はすぐSランクになりそうな気がするがな」
そんなことないですよと言いたいがこのチート能力があればホントにランクは上がりそうだから何も言えない。
「ということでだ。お前はこれから冒険者だ。がんばれよ」
と言って部屋を出て行く。
ちょっと急に雑なんだけど!?
「えっと、、、これからどうすればいいんでしょう?」
俺は、アリスさんに身体を向けるとアリスさんはニコッと笑う。
「所長は次のお仕事がありますのでここからは私がお話します」
「よろしくお願いします」
アリスさんは黒板を使いながら説明を始めた。
「これから、リュウセイさんは冒険者ギルドでクエストを受けれられるようになります。クエストには3つの種類があります。まずは、通常クエスト。これはギルドの掲示板に張り出されているクエストを選ぶものになります。続いて、指名クエスト。有名な冒険者になれば直接依頼が来ることがあります」
「それは、断ることできますか?」
「はい、クエストの内容や報酬が納得いかなかった場合はお断りして大丈夫です。ただ、」
「ただ?」
「依頼主が国王陛下や領主様などの地位の高い方からの依頼を断れますか?というところですが、、、」
「それは、、、無理ですね」
「ですよね」
俺が苦笑いをするとつられてアリスさんも苦笑い。
「でも、国王陛下や領主様からの指名などほとんどありません。護衛専門の冒険者パーティに商人が指名して護衛を頼むというのが基本です。最後に緊急強制クエストです」
「緊急で強制って名前がヤバいですね」
「このクエストが発令されるとき。それはギルドがある街や城が壊滅するかもしれないという大災害が起きるときです」
「えっと、、、例えば何ですか?」
「先ほどの所長の仰った内容にも関係がありますが騎士団だけでは対応できない魔物が大発生し城や街へ向かってくる、S級に指定された魔物が現れたときなどがあります」
「それは、断ることができるのですか?」
「そうですね。病気やケガで療養中や実力が足りないなどであれば断ることはできるでしょうがそれ以外では認められませんでしょうね」
「そうですか、、、」
ふむ、そういう時に活躍したらサクッとランク上がるのだろうか?
「次にランク昇格の方法です。まずCランクまではクエストの成果によってギルドが認めればランクが上がりますがBランクから昇格試験を受けることになります、、、、がCランクでもBやAランクのクエストを依頼されるような実力があれば試験を受けずに昇格することもあります。リュウセイさんはそうなると思いますよ」
「はい」
「これで基本的なことはお教えしましたが他に何かございますか?」
「いえ、とくにありません。クエスト受けながら分からなければ誰かに聞きます」
「そうですね。それが良いかもしれませんね。ある程度は説明しましたがあと詳しいことや不明なところがあればギルドの方でお聞きください」
「ありがとうございます」
よし、ギルドに、、、、明日の朝から行こう。
訓練所を後にし領主の館に真っすぐ帰る。
ギルドカードをもらったと報告すると喜んでもらいこの日の夕食はごちそうになった。
そして、どんどん酒を進めてくる領主。
俺はそれに応えどんどん飲む。
その結果、、、、
「頭痛い」
二日酔いになった。