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第四話・やっぱり俺、チートなんだな!!

前回のあらすじ

やっぱり領主の食事はすごかった

「リュウセイ様、こちらが職業訓練所です」


次の日、朝から豪華な食事をしてからリリアンに連れられ職業訓練所へやってきた。


「そして、この隣が冒険者ギルドです」


隣同士に並ぶ二つの木造の建物。

外観は豪華とは言えないが立派なつくりだ。

リリアンが先に訓練所に入りその後について入ると受付があるが人が全くいない。

立派な外観なのにこの人の無さ。

ここの運営ってどこからお金が出てるの?

とそんなことを考えてると奥から女性が出てきた。


「あら、リリアンお嬢様お久しぶりですね。お帰りになっていたのですね」

「アリス、久しぶりね。昨日帰ってきたのよ」


奥から出てきた女性とリリアンは知り合いのようだな。

その女性は黒髪を束ねメガネに黒いタイトスカートをはきブラウスの上に黒のベストを着ていた。

大企業の受付にいそうな恰好だな。

それに黒髪メガネ美人とはポイントが高い。


「そうでしたか。本日は何用で来られたのですか?」

「こちらのリュウセイ様の職業を決めていただきたいのです」


リリアンが言ってくれたのはいいがせっかく書いてくれた領主の紹介状は?


「すみません、一応こちら領主様から書いていただいたので」


俺は、アリスと言われていた受付の女性に紹介状を渡した。


「はい、拝見します」


アリスは封筒を開けて書状を読む。


「分かりました。しばしお待ちください」


読み終えると裏へ戻りまた出てくる。

その後ろについてきた一人の男性。


「アリス、こいつか?」

「はい、そうです」

「リュウセイだったか?」

「はっ、はい」


デっ、デカいんですけど!!

俺が174㎝だけど10㎝、いや15センチぐらい高いか?

デカさで威圧感がスゴイんだが、、、。


「俺は、この職業訓練所の所長ヴィクターだ。領主様からの紹介状は読んだ。俺が自ら教育してやる」


さすが領主効果、VIP待遇で。

しかし、鬼教官じゃないよね?

しごかれるとかは嫌なんだけどな、、、。


「お手柔らかにお願いします」

「よし、まずは魔法の適正を見ようか、こっちへ」


奥ののドアへ向かう所長の後について行く。


「それでは、私も」

「リリアンお嬢様はここでお待ちください」

「えぇ、私も付いていきたいです」

「ダメです」


えっと、気にせず行こう。

ついて行った部屋に行くとテーブルの上に水晶玉が一つ置かれていた。

俺が部屋に入ったと同時に閉められ明かりが一つつきぼんやりとした明るさになった。

俺と所長だけがこの部屋にいる状態。

所長が水晶玉の近くに立つ。


「この水晶に触ってもらえるか?」

「はい」


触って光った色によって属性の適性が分かるってよくあるやつでしょ、これ。

さて、俺の色は何かな、、、。

水晶玉を触る。

すると、虹色にまばゆく光りだした。

・・・これってスゴイんじゃね?

チラッと所長の顔を横目に見ると口をあんぐりと開け驚いた顔をしていた。


「こっ、こいつは」

「あの、、、」

「全属性適正ありだと、、、」


やっぱりそんな感じですか。


「しかもこの光の輝き見たことないぞ」


その声の大きさ、高さで興奮しているのがよく分かる。


「よっ、よし次は武器の適性を見ようか」


所長はよろよろとした歩き方でドアの前に立つと振り返り俺を見る。


「リュウセイ、今のことは表にいる二人にはまだ言うなよ」

「はっ、はい」


こういうのって知られちゃったら王様に知られちゃって国のために戦うってことになっちゃうんだろうな、、、

部屋から出ると案の定リリアンからどうでした?と質問攻め。

それをのらりくらりとかわしながら訓練場と書かれた部屋に入る。

殺風景な部屋の中には色々な種類の武器が置かれている。


「まずは好きな武器を選んで使ってみろ」


好きな武器ね。

ならやっぱり剣からかな。

木剣を手に取り所長の前に立つ。


「俺に向かって振ってみろ」

「はい」


こういう時、剣のスキルがあったらうまく扱えるんだろうけどな。

と思いながら俺は所長に向かい木剣を振り下ろす。

所長は俺の木剣を受け止めようと木剣を構える。

そして、木剣同士が当たった瞬間。


「えっ!?」

「はっ!?」


両方の木剣が砕け散った。

折れたのではなく木っ端みじんに砕け散った。


「・・・次の武器いってみようか」

「・・・はい」


俺は、ほかの武器を持ち所長に向かっていく。

その度に武器は粉々になっていく。


「どうなってんだよ、お前の身体能力。武器がお前の力に耐えきれん」


所長が急に頭を抱え叫ぶ。

それは俺が知りたい。

盗賊への石投げた時といい今回の武器が木っ端みじんになっていることといいこっちの世界に来て俺、身体能力上がってるよな。


「よし」


と言った所長はゴソゴソと探し出したのはクッションが付いた大きな盾だった。


「リュウセイ、これに向かってお前の拳で突くんだ」


ボクシングみたいなもんだな。


「わかりました。いきます」


俺は、パンチングマシンに打ち込むように所長に向かっておもいっきりパンチを繰り出した。

パンチが盾に当たった瞬間、大きな音と共に所長は吹っ飛び奥の壁に激突した。


「ワーオ」


ヤベェ、キレイに吹っ飛んだなぁ。

勢いよく激突したけど所長大丈夫かなぁ。

でも、動いてないんだよなぁ、、、。


「しょ、所長」


アリスさんが倒れている所長のところへ飛んで行き手をかざす。

すると、緑色の光が所長を包みこんだ。


「あれは?」

「回復魔法ですね。アリスは回復魔法の使い手ですから」

「あれが回復魔法、、、魔法の名前とか言わないんですね」

「アリスだからですね」

「と言うと?」

「得意な属性の魔法で魔法の熟練者ほど無詠唱で名を言わずに使えるのです」

「へぇ~」

「アリスは水属性に適性があり特に回復魔法が得意なのです」

「ふむふむ」

「アリスが水属性とは反対の火属性を使うには適性がないので魔法の名を詠唱しなければ使えませんし適性が無い属性を使うにはものすごく練習しなくてはいけません」


適性が無い属性か、、、ってことは俺は簡単に使えるってことか?


「ふぅ、いやぁなんか川の向こうで死んだ爺さんが手を振ってる夢を見たよ」


所長が目を覚まし笑いながら言っているが三途の川だろそれ。

その後所長は部屋を変えようと言い所長室へ移動した。


「そこに座ってくれ」

「はい」


所長に指示されたソファに座る。

リリアンも隣に座ってきた。

所長は、一冊の本を手に取り向かいのソファに座る。


「これは、今まで登録された職業を記録している本だ。戦闘職から職人職まですべて記録されている」


所長はテーブルの上に置くその本をパラパラとめくりながら話す。


「まず始めにさっきも言ったが、、、お前の力は何なんだ?その力は常人ではない。超人と言うしかない」


そうですよねぇ、やっぱりチートですよねぇ。


「そう言われても私も分からないんですよね、、、気づいたらこんな力だったので、、、ハハハッ」

「そうか、、、お前に使ってもらった武器類だが何回も使うため世界一硬いと言われている木材で作られていてそこらへんに売っている鉄の剣とかより硬い」


鉄の剣よりも硬い木をどうやって加工したのか気になるがそれは聞かないでおこう。


「それが木っ端みじんになるってことは鉄の剣よりも強度が高い鋼の剣でも簡単に折れるだろう。ミスリル鋼を使った武器ではないとお前の力に耐えられるとは思えん」


ミスリルってやっぱあるんだ。

その名前を聞くだけでワクワクしちゃう。

そうしたらアダマンタイトとかもあるのかな?


「だから、お前に合う武器はない」

「・・・えっ?」

「だから、お前に合う武器はない」

「でも、ミスリル鋼を使った武器は大丈夫なんでしょう?」

「ミスリルの武器などいくらかかるか知っているのか?」

「えっと、、、そんなに高いんですか?」


何も言わずにコクッと頷く所長。

マジか、剣をカッコよく振り回したかったのによ。

扱える武器が無いって言われたら、、、俺の職業どうなるの?


「それでだ。武器を使わず自分の拳、肉体で戦う職業【拳闘士】がある」


それって、ボクサーだよな。


「ただ、リュウセイ。君には魔法の適性がある。なので魔法を使う拳闘士。世界初の職業【魔闘士】。それが君の職業だ」

「世界初ってそんなに簡単に決めてしまっていいんですか?」

「いいんだよ。そのための職業訓練所だしな」

「そういうものなんですね」

「あぁ、そして新しく職業を決めたら登録しなくてはいけない。登録したら新職業の名、職業の内容、その職業に初めて就いた者の名が全世界の職業訓練所とギルドに通知がいく」

「へぇ~、そうなんですねぇ」


それって俺しか【魔闘士】になっていないわけだろ個人情報駄々洩れじゃないか。


「それでだ、リュウセイ。今後についてなんだが」

「はい」

「明日からここで冒険者の心得や戦いの基礎、魔法の基礎を学んでいってもらう」

「はい、、、えっと、お金の方は?」

「そちらは大丈夫です」


リリアンが胸を張りながらドヤ顔をしている。


「リリアン嬢の言う通り金については領主がいくらかかっても構わんからこちらで払うとこの紹介状に書いてあったよ」

「ホントですか?」

「当たり前です。私を助けていただいたお礼ですから」

「ありがとうございます。リリアンさん」


能力がチート級に高くお金持ちの娘を助けお金持ちの援助を受ける。

まぁ、お金持ちと言うか領主だが、、、、。

でも、こういう展開って異世界物にありまくりの展開!!

ホントにこれでいいのかと思ってしまうが明日からは魔法も使えるようになるしワクワクが止まらない。

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