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第二話・なんか勘違いされてる!?

前回のあらすじ

異世界に転移してしまった俺は盗賊に襲われている女の子を(目に見えない速さで)石を投げて助けたら領主の娘だった。

森を進みながらリリアンからこの世界のことを聞く。

この世界には7つの国がありこの国はアルガスト王国というらしい。

リリアンはアルガスト王国の王都にある寮付きの学校に親元から離れて通っていて夏休暇で帰ってきている途中で襲われたということだ。


次にステータスやスキルについて聞いてみると


「何ですか?それは」


と逆に疑問を持たれてしまった。

やはりこの世界は俺が思っていた異世界とは全然違うようだ。

魔法のことについて聞くと火、水、風、土、光、闇の6つの属性があり魔法が使える人にはそれぞれ適正があるという。

適性が無い人はその属性魔法を使えないというわけではないが魔法の威力は弱くなるようだ。


「リリアンさん、ありがとうございます。いろいろわかってきました」

「それは、よかったです」

「ちなみに、冒険者みたいな職業はあるのですか?」

「冒険者ということばはありますが職業ではありませんね」

「そうなんですね」

「そうです。えっと、、、」


急に言葉に詰まったリリアンは困った顔をしながら頭を下げた。


「えっ?:

「申し訳ありません」

「きゅ、急にどうしました?」

「命の恩人だというのにお名前をお聞きするの忘れていました」

「あっ、そういえば言ってなかったですね。私の名前はあま・・・」


いやちょっと待て、もう俺はこの世界に来て新たな人生を始めるんだ。

だから、天城竜星の名は封印しよう。


「あま?何ですか?」


だから俺の名は


「リュウセイです。私の名前はリュウセイです」

「リュウセイさんですか。良いお名前ですね」


とニコッと笑うリリアンの笑顔がすごくかわいい。

ヤバいヤバい、こんな小さい子にときめいたら犯罪だよ。


「それで、リュウセイさんは冒険者になりたいのですか?」

「そうですね、、、」


せっかく異世界に来たんだし冒険者生活も楽しそうだな。


「なれるならなりたいですね」

「私の住む街に冒険者ギルドがありますのでそこで登録さえすれば冒険者になれますよ」

「そうなんですね。登録してみようかな」

「リュウセイさんならすぐSランクになりますよ」


と和やかに話しながら歩いていると


「お嬢様から離れなさーい」

「えっ!?うわっ」


急に俺を狙った飛び蹴り。

それをかわし飛び蹴りをしてきた人を見る。

その人はワイシャツに黒のベストにパンツを着た見た目は執事のような恰好のショートカットの女性。


「お嬢様、ご無事でしたか?」


リリアンの傍に立つその女性。

この人がリリアンが言っていた護衛の人なのだろうか?

それにしてもこの展開って、、、俺、敵に間違われてる?


「盗賊、キレイな恰好でお嬢様を騙して・・・」

「メリッサ、待ちなさい」


大きな声で女性を制するリリアン。

さっきまで優しい口調でほんわかしたお嬢様と思ってたが結構凛々しいとこもあるのか。


「この方は私の命の恩人です。ご無礼は許しません」

「・・・た、た」

「た?」

「大変申し訳ございませんでしたぁぁ」


メリッサと呼ばれていた女性は勢いよく俺の目の前で大きな声で謝りながら土下座をした。


「お嬢様の命の恩人とは露知らず盗賊と間違え攻撃までしてしまうとは申し訳ございません」


ドンと強く地面に頭を打つメリッサ。


「大丈夫ですよ、頭を上げてください」

「寛大なご配慮ありがとうございます」


とまたドンと強く地面に頭を打つメリッサ。

えー、そんなに頭を打ち続けるなんてこの人そっち系の癖なの?


「もういいですわよ、メリッサ」

「はい、申し訳ございません」


膝に着いた土を払いながら立ち上がるメリッサ。


「リュウセイさん、このメリッサは私の従者で身の回りのことや護衛もしてくれています。真っすぐな性格なため早とちりして今回のようなことをしてしまいご無礼申し訳ございません」

「リュウセイ様、メリッサと申します。よろしくお願いいたします」


とキレイに直角に腰を曲げ頭を下げるメリッサ。


「リュウセイです。こちらこそお願いします」


俺とメリッサの姿を見てニコッと笑ったリリアン。


「ところで、メリッサ」

「はい」

「馬車の場所は覚えていますか?」

「いえ、覚えておりません」


胸を張り真顔で言うメリッサ。

えー、真顔で言うことかよ。


「・・・真顔で堂々と言わないでもらえます?」

「申し訳ございません」


メリッサはまた腰を90度に曲げる。

しかし、お辞儀はホントにキレイだよな。

こんなお辞儀見たことない。

まぁ、それはともかく


「二人ともこのまま進みましょう。リリアンさんがここ真っすぐ来たってことですしそれを信じていきましょう」

「リュウセイさん、ありがとうございます」


俺たちは、リリアンが来たという方向へ歩いていく。

しばらく歩くとリリアンを呼ぶ声がしてくる。

その方へ向かうとそこに馬車と皮でできた胸当てに剣を携えた男性が二人とメイド服を着てる女性、馬車を運転する御者らしき人がいた。


「お嬢様、ご無事でしたか」

「心配しましたよ」

「私も心配してましたよ」


リリアンとメリッサ、メイド服の女性は抱き合い再会を喜び剣を携えた男性たちはその姿を見ながらニコニコと笑っていた。


良かった良かったと思いたいがちょっと気になったことがあった。

この馬車の襲撃がただの偶然だったのかということ。

うーん、こういうのって跡継ぎ争いで兄弟が刺客を送ってきたりとかだったりするんじゃないの?

この人たちや馬車を見る限りそんな傷ついている様子が見えない。

この人たちがグルで自作自演だったとか?

それとも、ただこの馬車を襲った盗賊の数が少なかったからか?

・・・マンガ読みすぎか。


「それでは、私はここで失礼させてもらおうと思います」


俺がそう言うとリリアンは驚いた顔で俺の顔を見る。


「何を言っているのですか、リュウセイさん」

「リリアンさんを馬車までお連れする約束でしたから」

「そんなちゃんとしたお礼をできていませんのに、、、そうだわ。一緒に屋敷までいらっしゃってください」

「えっ?」

「さぁ、乗ってください」

「ちょっ、ちょっと」


俺の腕を引っ張るリリアンとメリッサに背を押され俺は馬車に乗る。


「さぁ、行きましょう。出発してください」


リリアンの指示で馬車は動き出す。

領主のいる街へ向けて、、、

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