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第十四話・エルフの城を目指して

前回のあらすじ

なぜか双子のピエロと一緒に旅に出ることになった

フランフォートを出て8日。

妖精の国アルフェイルの地に着いた。


「おぉ、エルフだ。あっちにはピクシーがいる」


港には人間もいるがやはりエルフやピクシーが多い。

それを見るだけで興奮が収まらない。


「アッハッハッ、あんた見てるだけで面白いよリュウセイ」


豪快に笑うミル。

キレイなお姉さんだというのに笑い方とかはもうおっさんだよ。

もったいない。

それよりも、、、


「ミルさん、それがミルさんの武器なんですか?」


ミルは自分の身長よりも大きい大剣を背負っていた。

ミルの身長は大体160cmぐらいだろうか大剣は2mぐらいあるんじゃないか?


「そうだよ」


と何か変なとこあるっていう感じで俺を見てくる。

どっちかって言ったらガイエンが使う武器だろ。

そのガイエンは武器は片手斧の二刀流。


「さぁ、エルフの城へ向かうよ」

「はい」


港から西にあるサジル村の途中にエルフの森が大きく広がりそこにエルフの城があるようだ。

妖精と言ったら羽が生えた小さい精霊って思うがこの世界ではそれがピクシー族といい長寿で長く尖った耳が特徴のエルフ族の二種族をまとめて妖精と言うようだ。

なので妖精国アルフェイルはエルフ族とピクシー族の二種族が共存する国ということだ。

妖精国の地理は一つの島の中央に大樹がそびえ立っている。

大樹なので世界樹と言うのかと思えば【精霊樹】という名前らしい。

精霊樹には妖精国を治める精霊王がいる。

妖精国なのに妖精王じゃないのかというは気にしないでおこう。

そして、精霊樹を中心にエルフとピクシーの国に分かれていてエルフとピクシーの王がいる。

アルガスト王国で言うならフランフォートの領主の立ち位置ということになるのだろう。


アルフェイル港を出て1日もたたないくらいでエルフの森に入った。

ここからエルフの城まで2,3日かかるってことだからどんだけエルフの森広いんだよと思ったのは言うまでもない。


「リュウセイ、ちゃんと付いてきなよ。道迷ったら死ぬよ」


ちょっと物騒なこと言わないでくれよ。

エルフの森って迷いの森なのか?


「冗談だから」


ボソッとガイエンが言ってくれるがホントに冗談であってほしい。

しかし、森に入ると舗装された道があるわけではなく根っこがむき出しの道で日の光が差し込まないぐらい木が広がっている。

薄暗いこの中を一人でサジル村に行けたのだろうか。

ミルとガイエンは迷わず先に進む。

何故迷わず進めるのだろうか?

そんな疑問を持ちながらも二人の後に続く。


どのくらい時間が経ったのだろう。

日が落ちたかどうかも分からないから夜になったのかもわからない。

魔物も途中襲ってくるがミルの大剣、ガイエンの斧、あとは俺のパンチで一撃で倒していく。

さすがAランク冒険者。

実力はやっぱりある。


「もうそろそろかな」

「そうだな」


何がもうそろそろなのかわからないがしばらく歩くと開けた場所へ出た。

しばらくぶりに見た空は暗く星が出ている。

その開けた場所の真ん中には石柱が立ち所々に焚火の後が残っていた。


「ここは?」

「ここはエルフの森を抜ける冒険者や旅商人のために作った野営地で真ん中の石柱から結界の魔法が出て魔物に襲われずに安心して休めるというわけさ。エルフの森にいくつかこういうポイントがあるんだよ」


こんだけ広い森なら安全に休める場所ほしいよな。

エルフもいい仕事してますね。


「そんじゃ今日はここで野宿だよ」

「木拾ってくる」

「頼むよ」


手際よく準備を始める二人。


「ミルさん、私は何をやればいいですか?」

「テント立てるから手伝ってもらえるかい」

「はい」


ミルはバッグからテントを取り出す。


「それマジックバッグですか?」

「そうだよ。初めて見るかい?」

「マジックバッグは初めてです」

「マジックバッグは?」


あっ、やばっ。

そんな答え方したら別の何かは見たことあるってなるよな。


「あまり知られたくないのでここだけの秘密にしてほしいのですが」


俺はアイテムボックスからパンを取り出した。


「リュウセイ、あんた、、、」


あれっミルさん、ワナワナ震えてるんですがなんか怒られるようなこと言った?


「ハッハッハ、ホント面白い奴だな、あんたは」


なんか面白いこと言ったか?


「あんたこっちの予想をはるかに超えすぎて面白すぎるよ」

「はぁ、どうも」

「そのパン、もらっていいかい」


パンをミルに渡すとそのパンをちぎって食べる。


「うん、出来立てのパンの味だな。これはいつ買ったんだい?」

「この旅に出る前だから一週間ぐらい前ですね」

「一週間か、、、」

「マジックバッグもそうじゃないんですか?」

「最新のマジックバッグで3,4日で品質が落ちてくるんだよ」

「えっ!?そうなんですね」

(はぁ、ホント桁違いだな)


んっ?小声で何か言った?


「そのパン、夕食で食べていいかい?」

「はい、もちろん」

「テント張り続けよう」


テント張りを再開してしばらくするとガイエンが戻ってきた。

ガイエンが取ってきた木で焚火をし俺が持ってきた食材、調理器具で料理を作る。

それを二人は勢いよく掻っ込む。


「いやぁ、美味かった」

「ホントに。姉ちゃんじゃこんな料理作れんしな」

「なんか言ったかい?ガイエン」


二人とも満足いったようでよかった。


「あとエルフの城までどのくらいですか?」

「そうだね。ちょっと飛ばしてもいいなら明日の夜には着くかな」


飛ばすってどのくらいの速さなんだ?


「普通に行って明後日だろうな」

「まだかかりますね、、、でも、よかったです」

「何が?」

「お二人と一緒じゃなかったらこの森で迷ってしまうとこでしたよ」

「そうだよなぁ、、、はぁ、なんか知らない振りすんのも疲れんな」

「ちょっと、姉ちゃん」

「もうここまで来たんだから隠さなくてもいいだろ」


何か隠すことあったか?


「あんたと会ったのは偶然じゃなくてフランフォートのギルドマスターから連絡が来たからなんだよ」

「えっ、所長から!?」

「Aランク以上の冒険者は新しい街に到着したら必ずギルドに到着の連絡を入れなくてはならない。それは聞いてるね?」

「はい」


その理由はAランク以上の魔物や魔物の大群が街を襲うような大災害が起きるときAランク以上の冒険者がその街にいればすぐ連絡を取れる。

また近い街にいればその冒険者にもすぐ連絡を取れるということだ。

また、街を離れる場合も次にどこへ向かうかということも連絡しなくてはならない。


「連絡が来たのはあんたがフランフォートを出発した次の日くらいかな。ちょうどアルガストの港町に向かっていた時に『実力はAいやSのレベルがある常識知らずのFランク冒険者がサジル村に向かっているからちょっと付き添ってくれないか?』って」


常識知らずって。俺ってそんなに常識ないか?


「あれっ?向かってるときってどうやって連絡来たんですか?」

「んっ、これだよこれ」


と言ってミルが谷間に手を突っ込む。

ちょっと目のやり場に困るんだが。

その谷間から取り出したのはかつて見ていた生活必需品。


「ガラケー!!」

「ガラケー?」

「いやっ、気にしないでください」

「これは携帯電話っていう魔力で遠くのものと連絡ができる魔道具さ」


携帯電話がこの世界にもあるとはやっぱり俺みたいな転移者がいるんだろうな。


「それで話を戻すが最初何言ってんだ?と思ったしそもそもこっちは別件でエルフの城に向かってるから無理だと言ったんだがそれでもいいと言われてね。まっ、結局は報酬が良かったからやりましょうって言っちゃったんだよね」

「報酬そんなに良かったんですか?」

「あぁ、フランフォートの迷宮、永久迷宮入場許可証」

「そんなのがいいんですか?」

「何、言ってんだ。迷宮で魔物を倒したりお宝を見つければ金を稼げる。フランフォートが許可証をいくらでやるのか知らないけど永久に無料で探索できるなら全部プラスだから最高だよ」

「なるほど」


そう言われるとフランフォートもいい商売するな。


「だから、あんたが乗る船に合わせて船のチケットも変更したんだよ」

「最初はお前がどういう人間かを確認したかったからずっと見ていた」


ずっと見ていたってストーカーかよ。

だから、大道芸をしてるとこ見なかったのか。

でも、視線を感じたことなかったよな。

そこはさすがAランクってことか。


「船で姉ちゃんも言ってたがお前から発せられる魔力が大きすぎて一瞬でただのFランクではないことは分かった。それにこの度の道中を見ててもその強さは分かる」

「そこでだ、リュウセイ。あんたはサジル村は急がなくちゃいけないのか?」

「いえ、そんなことはありませんが」

「なら、あたい達と一緒にエルフの城へ来てくれないか?」


ミルは急に神妙な顔になったかと思えばそんなことを言って頭をを下げる。


「何を言うかと思えばミルさんたちが一緒に来てくれないと私はサジル村へ行けません。なのでこちらこそエルフの城まで一緒に行かせてください」


俺も頭を下げた。


「すまない」

「ところで」

「なんだ?」

「二人は何でそんなにエルフのことを知っているんですか?」

「それはだなぁ」


ミルとガイエンは目を合わせコクッと頷く。


「あたい達二人は人間とエルフのハーフなんだよ」


・・・驚きすぎて何も言えん。


「まぁ、そんな反応するよな」

「全然エルフの感じが無いですね」

「そこは父親の人間の血が強いんだろうな」

「俺たちが生まれたのはエルフの国だったからエルフの森の地理も俺たちにとっては遊び場みたいなものだよ」


こんなとこが遊び場ってどうなってんの。


「それでエルフの城からのクエストというのは何なんですか」

「まぁ着いてからわかるよ」

「はぁ、そうですか」

「さて、明日は夜明けから動き出すから早く休もう」

「はい」


初めての野宿がこんな魔物がうよいよいるところだとは思いもしなかったよ。

いくら結界で守られているとはいえ眠れるのだろうか、、、?

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