人々を背負った人の末路
自分は人々と感覚を共有している。
つまりまあ命みたいな?
共有しているといっても、一方通行。
自分の痛みとかがみんなに分かる。
自分は王様だ。この国で一番偉い
まあそれもそうだ、なぜなら自分の感覚は全国民に伝わるから
自分がクシャミしたら全国民がくしゃみする
自分の肩がこったら全国民の肩もこる
自分がタンスに足をぶつけたら全国民も同じくらい痛くなる
だから自分は誰よりも大事にされている
全国民は自分と同じ時間にご飯を食べ
自分と同じ時間にお風呂に入って
自分と同じ時間に寝て
自分と同じ時間に起きる
いつの間にかそれは当たり前になっていて
時には自分のことなんか忘れるやつもいたりする
そして
もしもこの城の
ベランダから
飛び降りて
自分が死んだら
全国民も死ぬ。
そして誰もいない国ができた
すごく短いです!
ホラーというか不思議な話!