第90話 マウガンの試練
「うん、ロージナ、ただいまー。タラサとロージナがハイタッチを行う。」
「これで確定みたいだね。タラサが帰ってくる直前、光の階段が出現した。」
「ちょっと乗ってみるね!とりゃっ」
タラサが出現した光の階段に乗る。すると、タラサはすり抜けることなく階段の上に立つことが出来た。それを見たマウガンが
「試練とやらを行うことでレーヴェリオン王のもとに行けるようになるようですな。次は私が赴きましょう。」
「気を付けてねマウガン。」
「ウィレナ様、ご心配なく。このマウガン、全霊を持って挑んで参りましょうぞ。」
タラサは左斜め下のスイッチの上に立ち、マウガンは右側の扉へ向かう。扉の横の石板にはこう書かれている。『此の先、一人のみ進入を許す。其の者、剛力を持ちながら聡明な知恵を持ち合わせるもの也。その力試さしてもらわん。』
マウガンが部屋の中に入ると、部屋の中央には巨大なシーソーがあり、そのシーソーの両側にはさらに小さなシーソーが乗っている。その中型のシーソーには右側に何やら鉄塊が固定されていて、中型のシーソーがあるせいでそっち側に全体が傾いている。それを確認すると、何やら天井から声が聞こえる。
「おのが力で均衡を保て」
「これはシーソーを全て釣り合わせればよいということですかな?いいでしょう。」
シーソーの奥を見ると、大小さまざまなサイズの立方体の鉄塊が2つの山のように積み上げられている。その山の間には、タラサ、ウィレナの部屋にもあった鉄格子で閉ざされた扉があった。
マウガンは1辺が1メートルほどの鉄塊を持ち上げ、シーソーの手前へ持っていく。
――まずは足場を組む必要がある。シーソーの上の方に鉄塊を持っていけないからな。
――実際このサイズの鉄塊って何トンもあるんじゃない?普通持てないでしょ。
――中が空洞とかなんだよ多分。もしくはマッスルパワーがすごい。
マウガンは次々と鉄塊を運んでいき、1段30センチほどの段差の階段を3メートル分、シーソーの左右に構築した。そしてシーソー左の上のシーソー手前に、50センチメートルほどの鉄塊をのせ、反対側にも同様に50センチほどの鉄塊を載せる。そして下の巨大シーソーの中間地点に1メートルほどの鉄塊を鉄塊段から移動させる。
そして巨大シーソーをたどって反対側のシーソーによじ登り、積み上げた鉄階段から
1メートルほどの鉄塊を巨大シーソーの右側端に乗せ、30センチほどの鉄塊を巨大シーソー上部の中型シーソーの固定された鉄塊の反対側に乗せる。そして、マウガンがシーソーから飛び降りると、すべてのシーソーがピッタリ均衡がとられた。
――攻略法を知っていれば後はそれをなぞるだけだからな。謎解きはお茶の子さいさいだ。
――ちなみに初見時はどのくらい時間かかったの?
――……数十分。箱を置く位置で結構引っかかった。
――ダサッ。
――ひどい。
マウガンは開いた鉄格子の奥へと進む。すると、マウガンにスポットライトが照射され、出来た影が蠢く。そして足裏を通り過ぎ、部屋の中央にあるマネキンに影が絡みつき、シャドウマウガンが生成された。
「己に負けるわけにはいかぬ……!」
シャドウマウガンは巨大剣を背負い、薙ぎ払い攻撃を仕掛ける。その薙ぎ払い攻撃は、通った空間の剣線が揺らぎ、そこから空間を捻じ曲げた真空の刃がマウガンを襲う。
マウガンはそれを前方ローリングで回避し、巨大剣をシャドウマウガンに向かって、叩きつける。
――マウガン戦が一番楽。
シャドウマウガンは剣を支えに起き上がるが、起き上がった瞬間、マウガンによって叩き潰される。そして再び剣を支えに起き上がろうとするが、再びマウガンによって叩き潰される。
――ループ入った。
シャドウマウガンはその後、一向に攻撃に転じることが出来ずに、マウガンに叩きつぶされ続けた。
――シャドウマウガン可哀そう。
一撃でライフを15パーセントほど減少させる攻撃を合計7発、その身に叩きつけられたシャドウマウガンは、黒い体を霧散させ、後には粉砕されたマネキンだけが残された。
「これにて戦闘を終了しましょう。」
「汝は試練を突破した。我への謁見を許そう。」
マウガンは巨大剣を背中の鞘に納め、部屋を後にする。シーソー部屋の脇を抜け、J達のいる部屋へと入っていった。
「お帰りなさい。マウガン。」
「ウィレナ様、ただいま戻りました。」
「無事に試練を突破したようだね、次は僕が行こう。」
「シェロくん、気を付けてね。」
マウガンはもともと立っていた直近の6角形の右側のスイッチの上に立ち、Jはシェロに憑依を移す。シェロは、6角形の右斜め下の先にある部屋に向かって移動し、スイッチを離れることで開いた部屋に入っていく。部屋の横にはこう書かれていた。『此の先、一人のみ進入を許す。其の者、身軽さと冷静さを保った者也。其の力、試さしてもらわん。』
シェロが中に入ると、目の前の台座にレバーが引かれている。だが、部屋ではなく細い通路が左右に展開されている。その通路の先は左側が上に伸びている。右側は地面に穴が開いており、下に降りれるようだ。




