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第75話 再会

『俺たちも入ろう』

「そうだね。ウィレナちゃんたちを取り返さなきゃ。」

Jとロージナは商人が入っていった裏口へと歩を進める。

中に入ると複数人のメイドが食料の入った袋を運んでいる。Jはその中で指揮を執っているメイドの長らしきメイドに話しかける。

『あんたはメイド長か?』

「はい、そうですが。兵士様。配達の護衛お疲れ様です。」

①『先刻、この城に運ばれてきた旅人はどこにいる?』

②『この荷物は全て城への納品物か?』

③『手伝おう。』

④『ウィレナ達を返せ』

Jは1番目の選択肢を選んだ。

『先刻、この城に運ばれてきた旅人はどこにいる?』

「運ばれてきた……ですか?運ばれてきたかは私は存じ上げませんが、兵士様ならご存じの通り、何か事件が起きた場合は被疑者を離れの塔に隔離するはずですが……」

『ああ、そうだったな。』

「それでは、私は業務に戻らせて頂きます。」

メイド長は深々と頭をげ、他のメイドの下へ行く。

「J君、離れの塔だってさ、探してみようよ。」

Jとロージナは鎧を着たまま城内へ進む。鎧のおかげで潜伏しなくても済むようになっている。離れの塔への道中、通路には視界を遮る遮蔽物がほとんどなく、警備兵も視界が重ならないように巡回している。

――ここは潜伏しようとしてもどうしても見つかって戦闘になってしまう。

――だから鎧を調達したのね。ちなみに捕まってたらどうなるの?

――離れの塔から一番遠いところに隔離される。脱出のギミックとか時間かかるんだ。

――それは面倒ね。

――それをスキップできるグリッチが発見されればそっちを採用するんだけどな。

Jとロージナは豪華に彩られた王城の通路を堂々と歩き、離れの塔へと移動する。道中、他の兵士やメイドに見られても全く警戒されない。

――今まではこう言ったところだとこそこそ隠れなきゃいけなかったから少しいい気分ね。

――だろう?

城内のマップは入手しなくてもJの頭の中に入っている。Jは何度も通ったその脳内の地図を頼りに右へ左へ通路を曲がり、やがて下り階段までやって来た。

――ここから先は地下道をとおって離れの塔へ行く。もうすぐだ。

Jとロージナは離れの塔への地下通を進む。そこには今までの豪華絢爛な通路とは裏腹に、土をくりぬき鉄格子を嵌めた土牢が左右に繋がっている。そこには樹上世界において何かしらの罪を犯した『被疑者』と呼ばれる者達が閉じ込められている。被疑者たちは頭からマントを全身を黒いマントで覆っており、誰が誰だかは分からない。土牢の前は兵士二人が入れ違いになるように巡回しており、土牢を見張っている。兵士の横を通り過ぎて土牢の奥へ向かう。すると、Jとロージナが土牢の通路の真ん中あたりまで来ると、後方から兵士の「ぐぇっ」っという叫び声とともにガシャンと兵士が崩れ落ちる音が聞こえる。Jが振り返ると一人のフードを目深に被ったメイドが横たわる兵士の横に立っている。

「何事か!」

と、もう一人の兵士がメイドに近づくようにJの横を通り過ぎると、Jは自分に背を向けた兵士に対して素早く近づき、兜と鎧の隙間に手を突っ込み兵士を締め落とした。メイドは細剣を携えJ達に一瞬で近づき鎧の隙間に向かって刺突攻撃を仕掛けるが、Jはそれをすんでのところで躱す。そしてメイドの腕を握ると、反動でフードがめくれ上がりそのメイドの正体が明らかになる。

「ウィレナちゃん!?」

ロージナはそのメイドに向かってウィレナの名を叫ぶ。

「その声は……ロージナ?」

ロージナは兜を取りウィレナに顔を向ける。

「よかった!ウィレナちゃん無事だったんだね……!」ロージナは鎧姿のままウィレナに抱き着く。

「痛い!固い!あとなんか匂う!」

「そんなぁ……」

「こっちがロージナと言うことはこっちがJ?」

Jは兜を外しウィレナを見る。

「J……良かった……!」

ウィレナは涙目になりながらJに抱き着く。そんなウィレナをぎゅっと抱きしめ、Jはウィレナに問いかける。

――こんな目立つハンマー持ってるのに気づかないものなのね。

――再会の感動が台無しのツッコミだね。

『何があった?』

ウィレナはJから離れ涙をぬぐい、土牢の奥を指さす。

「まずはタラサ達を助けましょう。この先に捕らえられているはずだわ。」

J、ウィレナ、ロージナの3人は土牢奥へと進む。そこには他の小部屋とは違う大部屋が左手に見えている。そこには、下着姿のままで黒いフード付きのコートを着せられた、タラサ、シェロ、マウガンが天井からの鎖で両腕を拘束されている。

「タラサ!大丈夫かメェ⁉」

カルトゥムが鉄格子の隙間から入り込みタラサの周りをふわふわ旋回する。

シェロがこちらに気づき、話しかけてくる。

「ああ……J……なんかね……捕まってしまったよ……」

「みんな……!今出してあげるからね……!」

ウィレナはメイド服のポケットから鍵を取り出し、鉄格子を開ける。そのままウィレナが中に入り、3人の手かせを外していく。マウガンの手かせは高いところにあり、ウィレナはつま先立ちになっている。手かせを外された3人はぐったりと床に座り込み、次いでJとロージナが3人に駆け寄り、手首に、廃病院で手に入れた腕輪型の落果遺物をカチャリと装着していく。するとヴオンという音とともに腕輪が発光して3人は白濁した意識を明瞭に感じ始めた。はじめに口を開いたのはマウガンだった。

「ぐ……むぅ……ウィレナ様……J殿、ロージナ殿……かたじけない。」

次いでタラサも意識をはっきりさせていく。

「なんだかね、大人の腕を口の中に突っ込まれて内臓をぐちゃぐちゃにされ続ける感覚ですごく気持ち悪かった……3人は平気なの?」

「うわぁあああん!タラサ!タラサ!起きてよかったメェ!」

『ああ、ひとまず俺とロージナの情報を共有しよう。』

Jは上層に向かったらタラサ、シェロ、マウガンの3人が倒れてしまったこと。それの原因が魔力濃度が濃いことで、それを調節するために廃病院に行ったこと。その後戻ってきたら3人が連れ去られて、カルトゥムとともに街に情報集めに行き、そしてここに行きついたことを話した。

「そうか……ロージナは魔人族だったんだね。」

「うん、黙っていてごめんね。下層の人間にとって魔人族は忌避されるか見世物にされるかどっちかだから。」

「うん、知ってるよ。それにしてもJ、Jは本当に一体なにものなの?」

「そうだね。ウィレナは樹上世界の人間。ロージナは魔人族。なら、君ももしかしたら魔法が使える樹上世界の人間ってことになるかもね。」

「そうね、ちょっと話したいことがあるわ。」

ウィレナは神妙な面持ちで話し始める。

――ここからウィレナパート。過去回想でウィレナを操作する


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