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第69話 ベルトコンベアー

「J君、あそこ見て。」

ロージナはベルトコンベアーの部屋とシャッターの間の壁を指さした。そこには上階でシャッターを開いたときのコアをはめ込む窪みが一つある。

「多分シャッターはあそこにコアをはめ込むと開くんじゃないかな。でもどうやってあそこまで行けば……」 

『ここから操作できそうだ』

『乗ってみるか?』

Jは2番目の選択肢を選んだ。

『乗ってみるか?』

「そうだね。私がこれに乗って動いてコアをはめ込んでいけばいいかも。ここにもコアの窪みがある。J君、嵌めてみてよ。」

Jはオペレーションルームの台にケッツァーコアを嵌める。するとヴォンッという音とともに周囲のコントロールパネルや壁面の配送ルートに矢印が点灯する。

Jが一番大きなレバーを引くと、コンベアーがウィインと動き始める。

「じゃあJ君、私が乗っていくから、コアを頂戴。操作よろしくね。」

Jはコアをロージナに渡すと、操作パネルに移動する。操作パネルでは、コンベアーの前後の移動、廃棄処分のためのダストボックスへの配送先変更、薬を注入するプレス機の稼働制御などが行えるようだ。

ロージナはオペレーションルームにからベルトコンベアーの部屋に繋がっているベルトコンベアーに乗り、両肘と両膝をついた四つん這いのポーズになり部屋へ流されていった。ベルトコンベアーの周囲はガラスのような半円柱のドームで覆われており、コンベアーから周囲へは移動できないようだ。ただ、コアをはめ込む場所は検品のためか、そのドームに穴が開いている。そこからコアを持って手を伸ばせばコアをはめ込むことが出来そうだ。

Jはロージナの位置をコントロールパネルで確認しながら、コンベアーの速度を上昇させる。

ロージナの目の前にあるプレス機が上がった瞬間にプレス機の停止ボタンを押しロージナが通れるようにする。ロージナはその先にある隙間からコアをはめ込んだ。するとコアを嵌めた向こう側のシャッターがウィインと開き、先へ進めるようになった。

ロージナはそのままベルトコンベアーによって流されていくが、このまま進んでしまうとダストボックスに入ってしまう。Jはコンベアーの切り替えレバーを引きロージナの配送先をまっすぐから左に変更した。その先には再びプレス機があるが、プレス機は自動で動くタイプのものらしく、停止スイッチが見当たらない。Jはベルトコンベアーとピストンするプレス機のタイミングを見計らいベルトコンベアーの回転スピードを下げ、ロージナがプレス機に入る直前にスピードを速めた。ロージナが通過したのちプレス機が何もない空間をプレスしていく。

――コレ、ロージナが押しつぶされたらどうなるの?

――潰されて血が飛び散ってゲームオーバーでオートセーブが行われたところからスタートになる。オートセーブが聞いてるか知らないけどな。

――わぁグロい。見たくないわね。

――AIにもグロいとか感じることあるんだ。

――そりゃあるわよ。私はスーパーAIなんだもの。人並みの感情は搭載されているわ。

――それ自分で言うんだ。

ロージナはプレス機を躱しJは配送先を切り替えると、ロージナはコアをはめ込む窪みに到達した。ロージナがコアを嵌めるとシャッターが開く。シャッターは後一つだ。

ロージナはそのまま配送されていき、左右から壁が迫り三叉路の配送先を決めるようなギミックの場所に到達した。Jは押し出す壁を操作し三叉路の左側にロージナを配送する。ロージナはカーブを描き右に曲がり、その先の坂道を登っていき、再び下に坂を下る。その先の上昇する昇降機にタイミングよく乗れるようにJはベルトコンベアーの速度をゆっくりに調節し、乗り込む直前に加速し、下から上へ上下する昇降機へロージナを運ぶ。上昇するロージナをタイミングよく横から押し出し、上中下ある真ん中のコンベアーに乗せる。その先にはコンベアーの出口と最後のコアをはめ込むくぼみがあり、ロージナは移動しながら球をはめ込んだ。そしてロージナは奥の部屋に入っていった。

 Jはロージナが奥の部屋に入っていくのを見届けるとJはコントロールパネルから離れ、オペレーションルームから出ていき、ロージナが開けたシャッターの先へ移動する。

シャッタールーム先の通路進み左手の扉を開けると、中にはロージナがいた。

「J君、ちゃんと操作してくれてありがとー」

 Jはロージナと合流して部屋を出る。部屋をでて左に進み、下への階段を下りていく。階段を下りた先の壁には『1F』と書かれており、受付に行けば魔力を調節する機械が手に入るはずだ。

Jは散乱した棚を搔い潜ったり乗り越えたりしながら、目的の受付へと進む。天井のライトが点滅し始める。足元には人型ケッツァーの残骸が大量に転がっている。ロージナとともに受付にたどり着くと、ケッツァーが受付裏で倒れている。Jは受付の後ろにある棚の上から3段目を引き出し、中にある腕輪のような装置を3つ取り出した。ロージナはそれを見ると口を開く。

「あ、J君、たぶんこれだよこれ。私が捕まってる時とかこれで魔力の制御させられてたんだ。うん、これで人数分あるし、ちょっと貸してくれる?」

Jはロージナにその装置を手渡す。

「ちょっと魔力込めて動くか調べてみるね……んっ……」

ロージナがその装置に魔力を込めると、ヴォンという起動音とともに何やら腕輪の周囲に文字が浮かび上がり腕輪が発光する。

「うん、大丈夫そう!じゃあこれ持って帰ろう!」

ロージナは受付を出ようとする。すると……

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!とサイレンがけたたましく鳴り響く。

「なに!?ナニ何々!?この音!」

ロージナは慌てふためく。どうやら防衛機構が生きていたようだ。サイレンとともに周囲に降りてきた階段と、もはや土砂によって塞がれている本来の入り口にシャッターがガシャンと閉まり、Jたちは出られなくなった。


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