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第59話 金貨増殖バグ

――落果遺物の遺跡や窪みがないところだとプレイヤーキャラクターは登れない。シェロは盗賊スキルを活かして登ることが出来る。

――シェロは優秀ね

Jはタラサをドールハウスからタラサを呼び出し、フナムシモンスターにターゲットを取る。

『タラサ、爆砕弾を!』

「ラジャ!」

タラサはターゲットに取ったフナムシモンスターに『爆砕弾(伝)』を打ち込み、周囲に爆発が伝播しフナムシは周囲に爆散した。

その後、障害物がいなくなった壁の凹みに向かってJはシェロを操作して突起の無い壁を這うように登っていく。Jはそこにある宝箱を開けると、中から『細剣:カーススパーダ』という武器を手に入れた。

――ウィレナ用の装備で、強力だが呪われていて、装備するとパラメータがダウンする。

――あまり役に立ちそうにないわね。

――ああ、今の時点では役に立たない。街にある教会に行って呪いを解除、祝福を付与してもらうことで真価を発揮する武器だ。最強クラスの武器になる。

Jは窪みから身を乗り出し床面に落下、着地した。

そして反対側の特に特徴のない壁に行き、タラサをドールハウスに入れ、ウィレナを呼び出した。Jはウィレナに憑依し、壁の突起部分に手をかざす。すると突起部分から徐々に壁が消えていき、新たな部屋が壁のあった向こう側に姿を現した。

――どういうこと?

――ウィレナは樹上世界の王族の血を引いているからそれに反応して樹上世界の機械である落果遺物が反応する仕組みらしい。ウィレナ自体が鍵。本来ならそれが分かった後に来るのが正着ルート。

――さらりとすごいネタバレね。

向こう側の部屋には台座に乗った落果遺物の宝箱が3つあり、1つを開けると、『巨大剣:龍断頭の大直剣』が入っており、Jはそれをドールハウスに入れ、メニュー画面を開きマウガンに装備させた。

もう一つの宝箱を開けると『ドラゴンクロウ』という両手に装備する鍵爪状の武器があり、Jはそれを壺に入れる。

――それは誰が装備するの?

今後仲間になるお姉さんキャラに装備させる予定。

Jは残りの宝箱を開くと中にはワープホールの落果遺物が3つ入っていた。

Jはその場でワープホールを足元に展開し、大瀑布上のワープホールまでワープした。Jがワープホールから出現すると、乗って来た馬がJに近づいてJの体に首をこすりつけてくる。

――さっきのダンジョンは攻略しないの?

B5に行くとダンジョンのボス戦になるが、特にRTA上でほしいアイテムもないし、寄る理由がない。

Jは馬にまたがり、ウィレナをドールハウスに入れ、そのまま大瀑布の脇を上流に向かって走り始めた。水しぶきを上げながら河の浅瀬を走っていくと、野盗の拠点が見えてくる。

――いつも通りスルーするの?

ヌルはJの後ろをついていきながらJに問いかける。今までも道中雑魚敵に絡まれたりしたが、全て回避して進んでいた。しかし、ここでのJの反応は今までと違っていた。

――いいや、ちょっと寄り道していく。

――なぜ?

――ほしいアイテムがあるんだ。

Jは野盗の拠点から少し離れた場所に馬を置き、草むらに身をかがめながら拠点へ近づいていく。拠点では今までよりも装備をしっかりと整えた野盗たちが哨戒しており、木組みの小屋がいくつか点在している。拠点の入り口は3か所あり、そこ以外は木の柵で阻まれている。それぞれの入り口には櫓が組まれていて遠くまで見張れるようになっていた。

 Jはまず川に入り魚と石ころを手に入れる。そして再び草むらに隠れて、一番手前の入り口から中に侵入する。Jは石ころを櫓の下付近を哨戒している野盗の近くに投げ、野盗がそちらに気を向けた瞬間にその野盗の背後に忍び寄り首をチョークスリーパーで締め落とした。そして草むらに気絶した盗賊?を引きずり込みぱっと見で見えないようにし、櫓の梯子を上る。櫓の上で周囲を見回す兵士が、Jとは反対側を向いた瞬間に櫓の上で兵士を締め落とした。Jは締め落とした兵士をゆっくりと床に下ろし、自身はバックローリングで櫓から飛び降りた。Jは再び草むらに身を隠し、左手に小屋の入り口がある位置で直近の小屋の壁をノックする。

「なんだ?」

と、中の野盗が部屋から出てくるのにタイミングを合わせ、ノックをした壁から反時計回りに小屋を中心に回り込む。すると、目の前に犬を連れた野盗がJに背中を向けて立っている。Jは犬から数メートル離れた位置に魚を投げつける。すると、犬はそちらに向かって走り出し、首輪から付いている紐に引っ張られ野盗もそちらへ移動する。Jはその野盗の後ろを左手に回り込み小屋の中に入っていく。小屋の中には野盗の装備や食料、そして奥に宝箱があり、Jは宝箱を開く。すると中から『金貨袋(大)』を入手して、カルトゥムの壺に入れる。Jはすぐさま踵を返し、小屋から外へ出る。小屋をでて左に進むと、小屋の角から野盗がすっと現れる。Jは野盗がこちらを向く直前に野盗の背後に回り込んでそのまま草むらに隠れた。

Jは草むらに隠れたまま入って来た入り口に向かって中腰で移動し、野盗の拠点の門から外に出ると、馬に向かって走っていき、跨って、野盗の拠点近くの大河の浅瀬部分を水しぶきを散らしながら上流へ走っていく。野盗の拠点を横切る際に残りの櫓の上にいる見張りの野盗に見つかり、矢を放たれるが、馬で移動しているJには届かない。Jはそのまま野盗の拠点を通り抜けていった。

大河をしばらく進むと、大河の左右には樹木が生い茂り始めた。Jは森の中を突っ切り、近づいてきた世界樹に向けて馬を走らせる。森の中にはゴブリンが焚火を囲んで団らんしているようなほほえましい光景が広がっているが、Jはその団らんの中央を突っ切り焚火の火の粉を散らして進む。

道中、他にもモンスターの巣や野盗の拠点を堂々と突っ切り、時折馬上からちょっかいをかけるように攻撃を加えながら突き進むと、世界樹のふもとの街に到達した。

世界樹ふもとの街、『ノンヌム』の街へと到達する。

Jはその街の入り口に馬貸屋に馬を渡し代金を支払う。Jは馬貸屋から南東に進んだ先、鍛冶屋と素材屋に向かう。Jは素材屋の店先にある木箱に上り、メニュー画面を目の前に表示させる。そしてメニュー画面上でアイテム覧の金貨袋にカーソルを合わせ、『使用する』

コマンドを選択して使用する瞬間、Jは木箱から足から落下した。

すると、それまでの行動がキャンセルされメニュー上では金貨袋は使用されておらず、持ち金も増加していない。本来であれば、金貨袋を使用すると金貨袋が消費されなくなり、持ち金が増えるのだが、その行動がキャンセルされた。

そしてJは金貨袋をショートカットに設定して閉じる。Jがショートカットを開くと、目の前に金貨袋が表示される。Jはそれを確認すると、再び木箱の上に登り、ショートカットから金貨を使用と念じる。念じた瞬間、バックステップを行い木箱から落下すると同時にショートカット画面を閉じると、持ち金が増加した。そして再びショートカットを開くと、金貨袋が消費して無くなっていなかった。

――よし、この状態でも使えるグリッチみたいだな。

――どういうこと?

ヌルは尋ねる。

――アイテムの無限使用は前にやったよな?それの金貨袋版なんだ。金貨袋を使用すると、消費アイテムだからなくなってしまう。だけど消費されるより先に『金貨袋を使用した』→『金貨袋を表示から消す』の2つの間にほかの行動で使用を中断させると、金貨袋を使用したにもかかわらず表示に残ったままになるんだ。だからその表示のままなら再び使用することが出来る。

――だから木箱から落下することで消費をキャンセルさせたってことなのね。

――ご明察。

――これならほかのアイテムにも応用が利きそうだけど使用しないの?

――これは金貨袋みたいに使用することで、ほかのアイテムに変換される場合に限って使える方法だ。もちろん、消費せずにアイテムを使用できるけど、そのたびに行動を意図的に行動をキャンセルできるところにいないといけないから、基本的に金貨袋専用のグリッチになってる。

――これで持ち金の心配とかはしなくて済むのね。

――金が無限に増やすことが出来るからな。

――現実でも出来たらいいのにね。

――そうだね。

Jは木箱に乗ってメニューを開き金貨袋を使用して落下するという一連の動作を12回ほど繰り返した。はた目から見るとどう見ても不審な行動だが、それを咎めるものはどこにもいない。


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