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第55話 2回戦

2回戦の相手は全身を甲冑で身を包んだ騎士3人だ。

――戦い方は1回戦と変わらない。起き攻めを狙って、後はひたすら横なぎだ。ただ、転ばせるのにはマウガンのパワーがいるし、今回はソーコルの炎が役に立たない。

Jの予告通りにJは2回戦を軽々と突破し、トーナメント決勝へと進出した。

そして決勝トーナメント、実況者の実況にも熱が入る。

「とうとうここまでやって来た!出場者24人8チーム!その頂点を決める戦いだー!まずはチャンピオン・チームマウガン!なんと此処までほぼ無傷での決勝進出だー!そしてそのチャンピオンに対するは!1回戦で仲間二人がやられるも、この男一人で決勝に勝ち上がった!このコロシアムでは初登場!西の砂漠の巨人・カローヴァ!身の丈4メートルを超すその巨体から繰り出される一撃はあらゆる鎧を打ち砕くぞー!さあ。両チームの入場だー!」

――相手チームの2人ってどうしたの?

――裏設定によると数合わせのザコだったらしい。

歓声を浴びながらJたちは闘技場内に入場する。そこに立ちはだかるは身の丈3メートルを超える巨人。頭部にはフルフェイスの鉄仮面を被り表情は見えない。上半身は裸で、下半身はボロボロになったズボンを穿いて前掛けを付けている。

――巨人タイプの戦い方は前に洞窟で戦ったサイバークロプスと同じく、懐に潜り込んで腹や膝を殴って頭を下げる。そして頭を殴ってダウン取って後は滅多打ちだ。モーションほとんど同じだしね。

「さぁ!試合ィイイイイイイ開始ィイイイイイイイ!」

決勝戦の試合開始のドラが鳴らされる。

Jはドラが鳴ると同時に巨人、カローヴァにダッシュする。カローヴァは持っている巨大な棍棒を横薙ぎで振り回すが、Jはこれを前転ローリングで躱し懐に潜り込む。Jは持っている大剣でカローヴァの腹部を横薙ぎに切り払う。Jの攻撃により頭部が下がったカローヴァに対し、Jはマウガンに指示を出す。

『マウガン!攻撃後、囮になれ!』

「承知!」

マウガンはカローヴァの頭部を木大剣で叩き伏せる。カローヴァは膝をつきダウン状態となるがすぐに立ち上がり、マウガンに棍棒による攻撃を叩きこむ。マウガンは左手に持つ大盾でそれをいなし、ダメージを回避する。マウガンは攻撃の合間に自分の大剣で持っている大盾を叩きカローヴァを挑発する。

「どうしたァ!カローヴァ!その体はウドの大木か!?俺は逃げない!存分に打ち合おうじゃないか!」

マウガンに対して敵意を露わにしているカローヴァの背後でJは膝裏、腰、後頭部に木大剣で切り払いを行う。それと同時に、ソーコルは炎魔法をカローヴァの胴体に連続で打ち込む。カローヴァの体力ゲージがどんどん減っていき、鎧に火もついて延焼ダメージがどんどん入っていく。だが、カローヴァはJ達に見向きもせず、マウガンの挑発に乗っている。

――マウガンは優秀なタンクだ。マウガンがいればほとんどの敵を一方的に殴れるようになる。

――今までも一方的だったじゃない。

――より簡単にね。出来るようになる。

カローヴァのライフが半分を切り、カローヴァは咆哮を上げる。

――ここからちと厄介だ。

カローヴァは地面を何度も殴りつけJ、マウガン、ソーコルに分け隔てなく棍棒のラッシュの雨を浴びせる。Jは攻撃を躱しマウガンやソーコルに攻撃しているタイミングでカローヴァに攻撃を浴びせる。が、カローヴァは攻撃を受けてもたじろぎもせず攻撃を受けたJの方向に向かって棍棒を振るう。Jはこれをしゃがんで躱し、バックステップで距離を取る。

『マウガン!攻撃だ!』

マウガンはカローヴァのがら空きになった背中に木大剣を突き刺そうとするが、カローヴァは暴れて周囲を見境なく破壊しようと暴れる。マウガンはとっさに盾を構えるが、縦にカローヴァの棍棒が当たった瞬間吹き飛ばされ、闘技場の壁に激突する。

「がはっ!」

マウガンのライフゲージが大きく減少する。マウガン囮になったタイミングで、Jはソーコルとともにカローヴァに攻撃を仕掛ける。が、カローヴァの攻撃がソーコルに直撃してしまう。

「ぐぅあッ!」

ソーコルは地面に叩き伏せられ、ライフゲージが赤点滅となり瀕死の状態だ。

――俺は全部の攻撃を回避できるけど、ソーコルとマウガンはそうはいかない。前にも言ったが、体力ゲージが尽きたりするとその場で一定まで回復を行うシステムで、その間は敵にターゲットされない。だから、ある意味、味方がやられてくれた方が戦いやすい。1対1の盤面に出来るからな。その方が戦いやすい。今回はカローヴァが縦振り攻撃をしてくれなかったから、ソーコルもマウガンもまだ動いてしまう。

――味方とは思えない発言ね。

Jはマウガンに走って移動するカローヴァに追従して、移動する。

カローヴァがマウガンに叩きつけのラッシュをかけ、盾のガードの上から打撃の雨を降らせる。その隙にJはカローヴァの背後を取り攻撃を浴びせる。マウガンのライフが徐々に減っていき、そして0となった。マウガンはその場でうずくまり、ライフを回復させるモーションに移る。

――よし、マウガンがダウンした。

――本当に味方とは思えないわね。

カローヴァは振り返りながらJに攻撃するが、Jはこれをバック宙がえりで躱す。そしてソーコルの場所に全力疾走して、カローヴァをおびき寄せる。カローヴァは突進しつつ回転しながら巨大棍棒を振り回す。Jは難なくその攻撃を躱すが、ソーコルに巨大棍棒が当たってしまう。

「ぐああああっ!」

――よし!ソーコルもダウンした!

――あなたは敵なの?

 ソーコルはその場でうずくまりソーコルのライフが徐々に回復していく。カローヴァはJに向かって攻撃を繰り返すが、Jはこれを全て回避、もしくはパリングを行い被弾を回避する。カローヴァのライフは0に近い状態だが、Jはとどめを刺さない。

――なぜとどめを刺さないの?

――ソーコルとマウガンの回復を待ってるんだ。この後の戦闘の時に体力が万全の状態で挑みたいからな。

30秒ほどJは踊るようにカローヴァの攻撃を躱す。そしてマウガンが復活し、数秒の時間差でソーコルも立ち直った。

――じゃ、とどめだ。

Jはカローヴァの攻撃をパリングで受け流し、体勢が崩れたカローヴァに上段からの切り下ろし攻撃でカローヴァにとどめを刺した。カローヴァの体力ゲージが0となり、巨人は地面に頭部から崩れ落ちる。

「決着だぁあああああああああ!荒ぶる巨人を制したのは我らがチャンピオンチーム!チームマウガンがトーナメントの勝利者となったぞぉおおおおお!」

わっと歓声が上がる。


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