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第54話 インターバル

「俺たちの英雄はチーム戦でも英雄なのか!チャンピオンマウガンが率いるチームが今ここに見参だァー!」

闘技場内は今までで一番の盛り上がりを見せる。

J達3人を見下し、コルヴォは不敵な笑みを浮かべる。

「ククク……マウガンめ、何とか一晩でチームを作るとは……しかしあの2人はどこの馬の骨とも知れぬ雑兵……どうせ寄せ集めに過ぎんわ。マウガン自体も魔法で弱体化しておる。この賭けは儂の勝ちだな。おい、1回戦の相手はやつらなんだろうな?」

コルヴォは背後にいた部下に尋ねる。部下はコルヴォの方を見ずに返答する。

「はっ。共和国でも名の知れた暗殺集団。その中でも指折りの精鋭を雇いました。この試合でマウガンを倒した後、棄権する手はずとなっています。」

「クフフ……誤っても殺すなよ?マウガンには生涯儂に金をもたらす金の卵を産む鶏なのだからな……他は殺して構わん。」

そんな会話はJ以外には知られる由もなく、J達の対面の大扉から木製の小剣を2本携えた男が現れた。その背後には弓兵と、長槍を持った男たちが付き従う。全員黒タイツに漆黒の防具を身に纏っている。顔が隠れるほどのタイツで目元しか見ることが出来ない。

「両者見合えい!」

レフェリーが試合開始の合図を行う。

J、ソーコル、マウガンが武器を構え、対戦相手達は体勢を屈めて武器を構える。

そしてレフェリーが手を上げ、勢いよく下ろした。

「試合、始めィッ!!」

試合開始のドラが響き渡る。Jは真っ先に弓兵に向かって突撃し、弓兵はJめがけて矢を射るが、Jはこれを首を傾け躱し、木大剣を縦振りで弓兵を吹き飛ばす。Jはそのまま倒れた弓兵に向かって剣を叩きつける。Jの背後から双剣兵が襲い掛かるがJはそれを見ずにバックローリングで躱し、同時にJに向かって突撃してきた双剣兵と、長槍兵に向かって腰を入れた横薙ぎの一撃を放つ。双剣兵と長槍兵は壁に叩きつけられる。Jはそのままマウガンとソーコルに指示を出す。

「ソーコル!魔法で援護を!」

「わかった!炎の弾丸よ!対象を打ち抜け!バラ・スカーレット!」

ソーコルは短槍の先端に親指ほどの円柱状の炎を作り出し、発砲音とともに敵に連射した。

敵兵の服や防具に炎の弾丸が燃え広がり、延焼ダメージを負わせる。敵兵は炎を消そうと砂地の地面を転がりまわる。

――なかなかにエグいわね。

「マウガン!追撃だ!」

「承知!ヌゥゥウウウウウンッ!!」

マウガンは大盾を背中に担ぎ、大剣を野球のアッパースイングのごとく地面を大剣で抉りながら長槍兵を勝ちあげる。そして勝ちあげた長槍兵より高くジャンプし、空中で前転1回転して大剣を長槍兵に叩きつけた。Jは火を消し既に起き上がろうとしている弓兵と双剣兵に再び横なぎを浴びせ、マウガンの攻撃によって落下していく長槍兵に激突させた。これで敵兵3人が同じ位置に重なる。

――あとはこいつらが起き上がるタイミングに合わせて俺が横なぎ、ソーコルに炎魔法を使わせればゲームセットだ。

――マウガンは?

――基本役立たずになる。

――マウガン可哀そう。

敵の3兵は起き上がるが、それと同時にJによって再び吹き飛ばされ壁に激突する。そして倒れた時にソーコルが魔法攻撃を行い延焼。転げまわり起き上がった時にJが再び横薙ぎで吹き飛ばす。

これが3度ほど繰り返されると、敵の3兵の体力ゲージは空になった。

――体力ゲージ減ってもいいの?

――これは模擬戦扱いでライフが0になっても殺害扱いにならない。

体力ゲージが0になると同時にレフェリーがストップをかける。

「試合終了―!勝者……!チームマウガンー!」

コルヴォは開いた口が塞がらなかった。魔法により弱体化したはずのマウガンの膂力は遥かに想定以上であった上、チームメンバーのJとソーコルが名うての暗殺集団より強いからであった。その上で最も驚愕したのが……

「あの小僧!魔人族じゃないか!」

コルヴォは観覧席から身を乗り出し、ひどく興奮した。そしてすぐさま振り返り、部下に命令する。

「大会が終わり次第何としてもあの小僧を捕らえよ!ワシのコレクションに加えたい!」

「コレクションだなんて……そんな……ひどい……!」

「なんだァ~小娘。いや、待てよ、あの小僧は確かマウガンのところの……と言うことは貴様も……!」

「きゃあ!」

コルヴォはミランの帽子をはぎ取った。

「その角……!耳……!フハハハッ!やはり!貴様も魔人族か!なんという僥倖!マウガンめ!儂に隠れて魔人族を二人も隠していたのか!よい!ミランよ。貴様をマウガンの下へ返すのはやめだ!貴様も我がコレクションに加えてやろう……!」

コルヴォの手が再びミランへ伸びる。

「やだ!触らないで!」

ミランはコルヴォの手を払う。するとコルヴォの手に氷の氷柱が突き刺さった。

「ぐぎゃぁっ!貴様!冷気魔法が固有魔法か!よくも!」

コルヴォは氷柱が刺さった手とは逆の手でミランを殴った。

「きゃあ!」

「小娘が……おい、このガキを隣の個室に閉じ込めておけ!あとでたっぷり可愛がってやる!」

ミランは部下に剣を突き立てられ部屋を後にした。

コルヴォは手に突き刺さった氷柱を引き抜き、魔人族の奴隷に回復魔法を行わせる。

「まったく、落果遺物の枷で洗脳し反抗させぬようにせねばな……しかし、あの小僧も小娘も魔人族とは……おい!」

コルヴォは部下に命じる。

「主催者権限で今大会のルールを変更する!決勝用にアレを用意しておけ!内容は……」

命令を下された部下は大急ぎで実況席に移動する。そして実況者にマウガンの命令を伝え、実況者は闘技場内にメガホン形の拡声の落果遺物を利用しルール変更を伝えた。

「1回戦が終了しました!ここで今大会においてルール変更が行われます!トーナメント優勝チームが決定したのち、大会運営側が用意したモンスターと優勝チームが戦っていただきます!そのモンスターに勝利してのち、はじめてそのチームを優勝と認めます!」

そのアナウンスを聞いてマウガンは呆れる。

「コルヴォはよほど俺たちを優勝させたくないようだ。J、ソーコル、戦う回数が1回増えた。行けるか?」

『ああ、問題ない』

「コルヴォに一泡吹かせてやるんだ!いいぜ!全勝だ!」

「ふふっ頼もしいな。」

Jたちは闘技場を後にする。そして2回戦が始まり、J達の試合がすぐに始まる。


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