表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/124

第35話 元仲間達

「契約か。僕には縁のないものかと思っていたよ。ああ、契約成立だ。」

Jとシェロは立ち上がり握手をする。

それを見ていたタラサは自分たちを背負っているカルトゥムに上を向いて話しかけた。

「ねぇカルトゥム。外の様子はどう?」

「さっきまで脱獄したシェロの捜索隊が崖の上を探していたメェ。でも僕は見つからないように木の上で葉っぱに紛れていたから見つからなかったメェ!もう捜索隊は近くにいないメェ!」

「えらいぞー!カルトゥム!」

「えっへんだメェ!」

「J!シェロ!もう外に出られるよ!」

「ああ、ありがとうタラサちゃん」

「タラサでいいよ。その代わり、私も呼び捨てにしちゃうしね!」

3人はドールハウスの外へ出る。ドールハウスの扉を開けると、3人の体が光の粒子となり木の下に実体となって出現した。

Jが崖に設置されたワープホールに向かうと、タラサは右手後方に、シェロは左手後方でJに追従する。

――そういえば探索隊はこのワープホール見落としているのかしら?

――多分設置した人にしか見えない設定なんだよ

――でしょうね。じゃないとこんな目立つもの見落とすはずないわ。

――ゲームだからそういうのは野暮なツッコミだとおもうんだけどなぁ……

――あら、野暮でごめんね。

 J達がワープホールに入ると、王都平民街の鍛冶屋のワープホールに出現した。

――本来なら街の住人にエイナス関連の話を聞く情報収集イベントがあるんだけど、もうエイナスの場所知ってるから直行する。

――そのイベントはつまらなそうね。いいわ。そこはスキップしても。

――ムービーは見るんですか……

Jが移動を始めると、移動しながらシェロはJに提案する。

「エイナスは貴族街に家を貰ったと言っていた。街の住民に話を聞いてどこの屋敷か探してみよう。」

Jはその提案を無視して、貴族街がある右側の崖の下を壁に沿って走って移動する。Jはグルニの屋敷の裏に回り込み、さらにそこを先に進んだ屋敷に視線を移す。

――ここかエイナスの屋敷だ。本来なら正面玄関からの侵入になるが、RTAでは壁抜けを使って一気にボス部屋に行ける。

Jは左手に見える屋敷の庭の欄干に向かってジャンプして手をかけ、庭へとよじ登る。タラサはカルトゥムに引っ張られ壁をよじ登り、シェロはひとっ飛びで欄干の上までジャンプした。3人ともが草むらの影に隠れる形になる。

屋敷の周囲は警備が2人巡回している。一人は玄関方面、もう一人は裏庭方面だ。その警備を見てシェロは口を開く。

「盗賊団の仲間達だ。」

Jは草むらの影に隠れながらその玄関方面にいる裏庭の一人に背後から近づき、締め落とした。その警備兵を見てシェロは言う。

「ヴォルぺ、どうして僕を裏切ったんだ……」

ヴォルぺと呼ばれたその警備兵はボウガンを装備している。

――ここの警備兵は皆元盗賊団員なんだ。そしてボス戦の時に、ボスの体力ゲージが半分以下になるとこいつら盗賊団員を呼び出す。その時に戦闘不能になっている盗賊団員は戦闘に参加しないから、ボス戦までに敵兵を減らしておくと楽になる。けど、RTAでは敵兵を倒すのは最小限だ。探して倒すのにも時間かかるしな。飛び道具は事故が起こりやすいから出来るだけ倒しておく。

――そのあたりは王都の情報収集で聞けるのかしら?

――ああ、聞ける。

――結構的確な噂話ね。

シェロは続けて言う。

「確かに王都に来てからは僕よりエイナスの方が団員からの求心力は高かった。おそらく団員たちに僕の話は聞いてもらえないだろう。やはりエイナスに直接聞くしかないか……」

――エイナスの居場所はどこ?

――屋敷地下の隠し部屋にいる。

――金持ちになったていうのに結局地下に潜るのね。

――同じセリフをエイナスが言うよ。

――やだ。失態だわ。

――何がいけないのだろうか……

 J達は裏口から屋敷内に潜入する。屋敷内の構造や装飾はグルニ邸に似通っている。裏口部分の横には金庫が設置されており、Jはそこの金庫に既に知っている番号を打ち込んでいった。

――何かヒントはあるの?

――金庫の横に「燭台」って書いてあるだろ?ここの大広間の燭台の数の合計さ。

――ガバガバな管理体制ね。

――その方が元盗賊っぽいだろ

――確かに

Jは金庫から『回復薬(大)』を3つ手に入れた。

――ほとんど攻撃喰らわないのに回復薬が必要なの?

――ここのボス戦は途中から複数相手だからな。ダメージを喰らうことは覚悟しないといけない。

――大変ね。

――他人事ですか。そうですよね。

J達はそのまま裏口から左右に分かれる通路を左に向かい剣を2本携えた双刀の盗賊団員と鉢合わせた。Jは盗賊団員の十文字斬りを前転で躱し、胸部にパイルバンカーを当て手首を捻った。

ドゴンッ!と鈍い音を通路に響かせて盗賊団員は吹き飛ぶ。盗賊団員の頭上にある体力ゲージが0になり、そしてそのまま気を失った。

――非殺傷に改造した分、生命力ダメージがそのまま体力ダメージに変換されてるんだ。

――あんなに吹き飛んだのに死なないのが不思議ね。

――生命力ダメージは血が出るかどうかが判断基準らしい。だから、打撃武器では致死ダメージにはならない。

――内出血はないのね

J達は盗賊団員を横目に通路を進み、大広間へと出る。大広間ではバルコニー部分に弓兵が2体(人)いる。

――グルニの屋敷に内装が似てるわね。

――グルニ邸の別館だからね。

『タラサ、シェロはここで待機。』

「ラジャっ!」

「了解だよ」

Jは左手の鉤爪を手前のバルコニー部分に引っかけ素早くロープでよじ登った。ちょうど目の前に弓兵が来る位置に登ると、Jは素早く後ろに回り込み締め落とす。

そして反対側の弓兵をターゲットし、手すりに足を掛けジャンプした。Jは頭上のシャンデリアに鉤爪を引っかけ、振り子の要領で勢いのまま反対側のバルコニーに着地する。

鉤爪がほどけ宙ぶらりんとなり、弓兵はJの存在に気づきJに向かって矢を撃つ。

Jは向かって放たれた矢を左手で掴み、投げ返す。矢は弓兵の肩に命中し、弓兵は体勢を崩す。Jはそのまま顔面に向かってハンマーの平坦を叩きつけ、ノックアウトした。Jはそのまま鉤爪を巻き取って腰につけ、バルコニーから飛び降りる。落下ダメージ発生時に前転ローリングでダメージを無かったことにする。

Jはそのままタラサとシェロを待機解除させ、入って来た通路と反対側の通路の間の扉の前に立たせる。Jは再びかぎ爪をバルコニーの欄干に引っかけ上へ登る。

――先に扉の前に二人を立たせておけばいいんじゃない?

――そうするとバルコニーにいた弓兵に撃たれてノックバックで位置がずれる。2度手間になってしまうからやらなかったんだ。

――そうなの。

Jは天井のシャンデリアによじ登り、シェロとタラサと扉の間めがけてジャンプした。すると、Jが扉と壁の隙間にめり込んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ