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第19話 狙撃手タラサ

――これでパラメータポイントを手に入れたから、後でステータスをアップできる。

Jは動かなくなった巨人に近づき、瞳のぶぶんにあるパーツ、すでに冷めた熱剣、その他もろもろの部品を回収して壺に入れる。

その素材を見てカルトゥムは驚愕する。

「すごいメェ!J!この素材は超レア物だメェ!きっとタラサも喜ぶメェ!大手柄だメェ!」

――もうここに用はない。タラサのところへ戻ろう。

Jは洞窟を後にし、がけ下へ落下する。途中何度か岩肌を掴み落下ダメージを無くしてふもとまで到着した。その後昇降機へ戻りタラサと会うのだった。

「カルトゥムお帰り。Jさんもちゃんと落下遺物を拾ってきたようね。私とカバリオおじさんは今手が離せないからラボまで入ってきてちょうだい。ラボの入り口はリビング奥の昇降機から下に行けば到着するわ。」

玄関のモニターでタラサから指示を受け秘密基地へ入っていく。Jに言われた通り昇降機で下に行く。

――上に行くとどうなるの?

――今は上には行けない。タラサの寝室があって、入るにはタラサとの親密度を上げる必要がある。

「Jさん、待ってたよ。」

タラサとカバリオがJを迎える。二人の後方には全長4メートルほどのロケットのエンジン部分が鎮座していた。

『これは?』

Jはタラサに問いかける。それに応じてタラサは自信満々にドヤ顔で答える。

「名付けて『ドリルロケット』!樹上世界に行くために天井を突き破って行く優れものよ!」

タラサの発言を補うようにカバリオが口を開く。

「樹上世界を目指すなら登頂者になるのが一般的だが、それだと誰でも樹上世界に行くことが出来ない。それに持っていけるものにもだいぶ制限がかかってしまうからね。そのためのドリルロケットなのさ。」

「Jさん、持ってきた落下遺物を見せて。」

『Jでいい。』

Jは呼び捨てにするようにタラサに言い、カルトゥムと壺を渡した。

「うん……十分。上出来だね。サンキュー!」

『普段は自分で集めているのか?』

『どうして樹上世界に行きたい?』

『カバリオは協力しているのか?』

『カルトゥムの服装はタラサの趣味か?』

Jは1つ目の選択肢を選んだ。

『普段は自分で集めているのか?』

「うん、そのためのカルトゥムだし!山の周りで拾ってきてカルトゥムに運んでもらうんだ。」

「ボクはタラサの友達であり相棒なんだメェ!」

「お母さんが遺してくれた人形を自分なりに改造したんだ。落果遺物がしゃべるなら友達も作れないかなってさ。そして試行錯誤すること5回。ついに完成したのがこのカルトゥムなのさ!」

「エッヘンだメェ!」

『村の周辺へは行かないのか?そのあたりには手つかずの遺物が落ちていたが。』

「……村の近くへは行けない。おじさんから聞いてるでしょ?私は忌み子なの。」

タラサはうつむき、言葉を続ける。タラサにとっては言うこと自体辛いことのようだ。

タラサはバッと顔をあげ、Jにお願いをする。

「J、次は近くのリーネア遺跡のモンスター退治をお願いしたいの。アタシとカルトゥムで調査に行ったらモンスターがうようよ!とてもじゃないけど私一人で中にある遺物調査なんて出来ないし!だからお願い!リーネア遺跡のモンスター退治してちょうだい!」

メインクエスト:リーネア遺跡のモンスター討伐

「今回はアタシも一緒に行くよ!あそこ一人で行っても開かない扉があって、たぶん2人の力が必要になると思うのだぜ!リーネア遺跡は、ここから北東の方角にあるよ。村とはほとんど反対側だね。カルトゥム!」

タラサがカルトゥムを呼ぶ。

「はいメェ!」

カルトゥムは拳銃のような武器が1丁入ったホルスターがついた肩掛けカバンをタラサに手渡した。

「タラサ、それは?」

カバリオが訪ねる。

「アタシも一人で探索できるように作ったんだ!」

「カルトゥム!瓶!」

「はいだメェ!」

カルトゥムは空のガラス瓶持ち出す。

「爆砕弾(伝)!セット!」

タラサは、ホルスター右手で銃を抜き両手で構える。その銃の形状は先端にリボルバーのシリンダーの付いたおもちゃの銃のような見た目をしており、小型のグレネードランチャーのようだった。持ち手と銃身を90度折り、そこのシリンダーに直径3センチ、全長7センチほどの薬莢を1つセットしガチンッと弾を装填した。残りの5つの部分には何も入っていない。

「カルトゥム!投げて!」

「ホイだメェ!」

カルトゥムが空中に5つのガラス瓶を放り投げる。

 タラサはそのうちの一つに狙いを定め、パンッと銃を発射した。

弾は1発、一番上に投げられた瓶に命中しその瓶がはじけ飛ぶ。そこから植物のような蔦が残りの瓶に伝播し、残りの瓶も同様にはじけ飛んだ。ぱらぱらとガラス瓶が落ちてくる中、タラサはドヤ顔で振り向く。カバリオは驚嘆の声を漏らした。

「こりゃ驚いた。才能はアイビス以上か。」


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