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第112話 フォトレ・シュヴァル

Jが村の中央広場に入っていくと、何やら騒がしい。広場の中央付近で、人々が木の柱に拘束された少女に石を投げている。少女はボロボロになったゴスロリの服を着ており、その目はどこか遠くを見つめている。その耳は大きな獣耳でたれ耳で、どうやら魔人族のようだ。その木の柱の周囲には、枯れ木が積み重なるように敷き詰められ、人々が松明を持って火をつけようと構えている。Jが一番近い村人に話しかける。

『何をやっているんだ?』

「ああ、うわ。なんだその格好。……旅の人か。魔女に制裁を加えているところさ。あの魔女は、モンスターの言葉を話しモンスターを街に引き込む疫病神だ。この間、とうとうあいつの連れてきたモンスターに領主の娘様が襲われたとあって、皆で捕まえて処刑しようとしているところさ。」

ティグリスが通信によりJに話しかけてくる。

「J様、その少女です。モンスターテイマーの素質がある魔人族。モンスターを使役できるのはレーヴェリオン様ただ一人と考えられていた中、モンスターの心を開きモンスターと友人になれるのがその少女です。その少女を是非仲間に引き入れてください!」

Jはハンマーを構え、村人に話しかける。

①『どけ。そのガキは俺が貰う。』

②『殺すなら一思いにやってやれ』

③『その子が何をしたっていうんだ?』

④『可愛い子は助けないとなぁ……?』

Jは4番目の選択肢を選んだ。

『可愛い子は助けないとなぁ……?』

――不細工も助けてあげて。

「は?あんた何言って……ぶがぁっ!?」

Jは村人に向かってハンマーで薙ぎ払い村人を吹き飛ばす。村人達は四方八方に吹き飛ばされ家々の壁に激突し、動かなくなった。村人たちはJから離れるように逃げていく。Jが少女に近づいていくと、突如、上空から巨大な影が少女の下に飛来してきた。そして影は、少女をその巨大な鍵爪でガシッと掴み飛んでいく。その影を見た村人が影に向かって大声でその正体を叫んだ。

「グリフォンだ!」

その影の正体はグリフォン。鷲の上半身にライオンの下半身を持つ大型のモンスターだ。少女はグリフォンに連れ去られ北の山岳地帯へ飛んで行った。Jはその後を追う。北の村の入り口で馬貸屋から馬を借りグリフィンを視界に入れながら追跡した。Jは山岳地帯を蛇行するように登っていき、山岳地帯の山頂にて少女に迫る。その少女の正面でグリフォンが立ちふさがる。Jはハンマーを肩に乗せ構え、グリフォンに向かってハンマーを振り下ろす。

「だめぇっ!」

っと少女がグリフォンの前に飛び出し、Jは少女にハンマーが直撃する直前にハンマーをピタリと止めた。

――ちゃっかり神業ね。

「グリフォンは悪くないもん!私を助けてくれたいい子だから虐めちゃだめっ!」

『敵意がないのは分かった。単刀直入に言う。魔王軍の配下に、俺の仲間になれ。』

「魔王軍……?お兄さんは悪者なの?」

「ああ、俺は悪人だ。だが、村の住民はもっと悪人だろう。お前を処刑しようとしていたのだからな。」

「村の人は私も嫌い。モンスターと私を虐めるんだもん。私は皆仲良くなれればいいっておもってるのに。でも、お父様とお母様はもっと嫌い。」

『復讐が望みか?いいだろう。叶えてやる。俺と一緒に来れば復讐に加担してやる。貴様、名前はなんという?』

「フォトレ。フォトレ・シュヴァル。この子の名前はリェフ。私の大事な友達よ。あなたの名前は?」

「Jだ」

「J……変わった名前ね。いいわ。仲間になってあげる。私、人間の友達が欲しかったの。友達になってくれる……?」

「友達?いいだろう。なってやるぞ。」

「いいの!?本当?……やった!リェフ!初めての人間の友達よ!」

キーッとリェフは鳴いて返事をした。

『一つ聞かせてくれ、なぜそこまで人間を憎む?』

「私はね、小さなころは村のお屋敷で暮らしての。そこでは何不自由ない生活だった。ある日、お父さんとお母さんが話しているのを聞いたの……。」

Jの目の前が暗転する。そして目の前が明転すると、ある屋敷の光景が映し出される。


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