表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

107/124

第107話 同じルート

Jはまずふもとの小屋に立ち寄る。そこにいる老人の登頂者に話しかけた。

――イベントスキップ。

Jはそのまま老人を一瞥し退室する。

外に出ると、他の登頂者らしき男がJに話しかけてくる。

「君はこれから世界樹を登るのかい?それなら頼みがあるんだ。この袋を上層にいるぼくの兄に渡してほしいんだ。」

『ああ、いいだろう』

『じぶんで渡せ』

Jは1番目の選択肢を選んだ。

『ああ、いいだろう。』

「ありがとう、助かるよ。お礼は兄がしてくれるはずだ。それじゃ、頼んだよ!」

男はそういうとそそくさと立ち去る。

先人たちが遺したロープを手すりに、世界樹に絡みつく蔦を反時計回りに回っていく。

「足を滑らせたら下に真っ逆さまね……」

「ウィウィウィウィレナ様……!おちおち落ち着きましょうぞ……!」

「マウガン、あなたが落ち着きなさい。」

「なんの……!これしきの高さ……!ケルベロスとの対峙の時に比べればなんてことはないですぞ……!」

「マウガン、強がらなくていいわ。ゆっくり進みましょう。」

「うむぅ……!」

――マウガン高いところダメなんだ。意外。

――1週目の時にドールハウスに入りたがってたのはこれが理由。

――ゆっくりいくの?

――いいや、走る。

――鬼畜ね。

Jは蔦に沿ってその上を走っていく。マウガンはむぅむぅ言いながらついてくる。そうすると蔦が上に伸びて行き止まりになっている個所に出くわす。Jは背負っている折り畳み梯子を展開した。すると6メートルほどの梯子が出来上がり、それを蔦にかけ登る。再び緩やかな登りの蔦に着地すると、梯子を引き上げ折り畳み背中に背負う。Jは蔦に沿って左手に樹皮を見ながら世界樹を登り続ける。再度、蔦が途切れた行き止まりにぶち当たる。Jはその蔦に手をかけ登っていく。マウガンが若干遅く登るため、少し進んでは待つを繰り返した。

――シェロってすごかったのね。

――移動に関していえばトップクラスの性能だからな。

ボルダリングの要領で、やや右斜め上に進んでいくと、蔦の切れ目から世界樹内に穴が開いている個所にたどり着いた。Jはそのまま穴の中に入っていく。洞内も蔦がはびこっており、Jは蔦を手にかけ上へ登っていく。そしてしばらく進むと、巨大キノコがはびこっている空間に出て、クワガタのモンスター「カーヴァス」と出くわすが、Jはこれをスルー。

――前は倒してたけど?

――移動速度が上がってギリギリスルーできるようになっている。

Jは巨大キノコの傘を階段のように駆けのぼり、空洞上部まで登ると、横穴に入る。その横穴の奥は縦に伸びており、そこに梯子をかけて渡っていく。背後からカーヴァスの羽音が聞こえるが、マウガンとウィレナは振り返ることなくJに追従して梯子を渡り終わると、カーヴァスは去っていった。

――モンスターは自分のテリトリーが決まってるから、それより外には出られないんだ。

――だからこの穴の手前まで追ってきてたのね。

Jたちはその後、光ファイバー蔦でキノコの成長を促すギミッグを攻略し、巨大なスズメバチタイプのモンスター「ヴェスパウム」を退けながら巨大なサルノコシカケを登っていく。

そして蕾のようになっているキノコに光ファイバー蔦で光を照射すると、ぼんっという音とともに巨大なキノコが花開いた。

 と、同時に頭上から女性の叫び声が聞こえてくる。

「きゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

――ロージナね。

――ああ、イベントスキップ。

Jたちは操作しながらボヨンと跳ね、上へと進んでいく。

「ちょっと楽しいわねこれ。」

「ウィレナ様!ゆっくり登りましょう!」

「あははっマウガン君高いとこ怖いの?」

ロージナはJに先行してドラゴンクロウとウィップロープで情報へ登っていき、そこに続くようにJ,ウィレナ、マウガンの順に巨大ハネリダケを登っていく。

しばらく登っていくと、Jは外から漏れ出した光に誘われるように外に出る。そこにはロッジのような小屋が建てられており、Jはその小屋の前でワープホールを展開した。Jはそのまま小屋の中に入ると、ふもとの小屋で見たような老人が出迎えた。

――イベントスキップ。

Jは外を飛んでいるドレイクや鷲型の大型モンスター『アリョール』にターゲットを合わせ、自分の足元に飛んできたアリョールに向かってダイブした。Jはアリョールと重なった瞬間、アリョールの右足首に向けてフックを投げる。足首に命中したフックはガチャリとアリョールの足首に固定され、アリョールは悲鳴を上げる。Jを振り払おうと暴れるが、Jはロージナの体を利用して魔力をフックに込める。するとアリョールはおとなしくなり、Jの念じた方向に進むようになった。

Jはロージナの体を経由してアリョールを操り上昇していく。上昇途中、フックが赤く点滅し始める。

Jは点滅しているフックを外し、落下を始める。そして近くにいたドレイクに向かってフックを投げ再び魔力を注入、洗脳、上昇を始めた。J達はその後も落下していく樹皮を躱しながら上昇を続けていく。ロージナは楽し気で、マウガンは下を見ないように必死だ。

そうしているうちに木の幹に落果遺物が埋め込まれたエリアが現れ始めた。Jはそのまま落下することなく上昇を繰り返し飛び出た太い枝部分に着地する。するとそこにも木組みのロッジが居を構えていた。だがJはそこをスルーしてその枝から伸びる太い蔦を足場に上方へ登っていく。

 天井から直径数メートルはある太い蔓が絡みつき空中に垂れ下がっており、そこの側面に巨大サルノコシカケやハネリダケが生えている。Jはハネリダケで跳ねながら、蔦を上方に登っていき、途中でドレイクに捕まりながらさらに上昇を続ける。道中、巨大クワガタのモンスター『カーヴァス』が蔦を食いちぎり、落下してくる蔦を躱しながら道中世界樹に開いた横穴に逃げ込む。そこには、ロージナと同じような装備の登頂者たちが焚火を囲んで談話していた。Jはそれをスルーして横穴から縦に伸びる穴を蔦を掴んで登っていく。

 Jは縦穴を進んでいくと、J達が利用していたようなワープホールが3つ展開された洞のような場所に出る。そこで『コキシネル』という巨大テントウムシモンスターに襲われている登頂者がいた。J達はそのコキシネルに向かって一斉攻撃を仕掛けそれらを退治した。

「うわぁあッ!……助かったよ。ついうっかり麓にここで使う落果遺物を忘れてしまってね。どうしようか悩んでいたらモンスターに襲われてしまったんだ。」

――「J、この人じゃない?下層の小屋で会った兄に渡してほしいっていうのは。」

ウィレナがJに尋ねる。

『あんたに渡してほしいと頼まれたものだ』

Jは下層で受け取った荷物をその登頂者に渡した。

「ああ!助かるよ!これでここの迷路で迷わなくて済む!あれ?中に予備の落果遺物のロケーターが入っているな。全く、あの弟め、そこまで兄を信用していないか……そうだ。」

登頂者はJに袋から円盤状の落果遺物を手渡した。

「これはお礼です。もしかしたら持ってるかもしれないけど……じゃあ僕は先に進みますね。お達者で!」

登頂者はそういうと3つあるワープホールの右側に入って消えていった。Jが進んだ左のワープホールは青色だった。ワープホールに入った先には、再びワープホールが3つある。Jはワープホールの迷路を既に攻略した記憶を頼りに1週目と同様に進んでいく。道中のリザードマンはスルーしていく。今回は正解のワープホールだけ進めているようだ。

道中のサイバークロプスも難なく退け、奥のワープホールに入っていく。ワープホールを進んだ先の洞は世界樹の外に繋がっており、Jはそのまま世界樹の外へ出る。

世界樹の外は、大量の蔦に落果遺物が絡んでおり、Jはそれを足場にして上方へ登っていく。

――さすがに1週目と同じだと飽きるわね。

――最短ルート通ってるからね。同じルートになっちゃう。

――別のルート通らない?

――そこは譲れないな。

J達は世界樹の側面に絡まっている巨大蔦の上を登っていき、頂きの横穴へと入っていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ