表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/100

第52話 何で俺を追放した?

----------


 またまた背景が変わった。次は……俺も実際に来たことのある場所。酒屋の倉庫でもあり、デリーシャの本拠地であった場所。中にはまだ若い見た目の、俺以外のメンバー4人が集まっていた。


 日付を確認してみると、それは俺がデリーシャに入る少し前の日付。クロースやアキラが魔王に殺された時から10年以上は経っている。やはり時の感覚は違うのか。


 彼らは狭い倉庫の真ん中にある本を置き、それを囲うようにして話し合っている。立っている者もいれば座っている者も、盗み聞きをされたくないのか窓の外をチラチラと何度も覗いている者もいる。


 デリーシャは寄せ集めのパーティーだと聞いていた。それにしては相性もバツグンで、俺が追放されるなんてことは有り得ない、というか追放されるなんて考えてもいなかった。元々4人だけで活動していたのだが。


 俺は幼馴染であるソールに誘われたのだが、危険の伴う仕事でもあるため渋っていた。そこにサタナが「不思議な力を持っているから、入って」と言われてしまったため、嬉しくなった俺はそのままパーティーに入った。親には猛烈に反対されたため、縁を切って未だに会っていない。


「それで、マイト・ラスターが最後の人間なんだろう。ソールと幼馴染で良かった、事情は知らせるか?」とガル。赤髪の彼はよく街でも目立っていた。デリーシャのリーダーでもあったし、何をするのも彼が先頭だった。それにしても、事情って何だろう。


「いいえ、知らせなくていい。寄せ集めという設定で行こう。その方がより初心者である彼を守りやすい」とサタナ。俺に力があると言ってきた張本人。メンバー唯一の女性で、戦闘面で言えば俺よりも活躍していた。で、寄せ集めの設定というのはどういう意味だ?


「マイトには悪いな、世界の命運は俺たちに委ねられているって教えられないんだから」とソール。幼馴染で、俺をパーティーに誘ってきた張本人。剣術が得意だったのだが、世界の命運とは?


「一旦僕の技もお預けか、呪文を極めたかったのにな」とフィン。錬金術師の末裔と聞いたり聞かなかったり。本人たちには否定されたが……彼は今、呪文と言ったよな。


 デリーシャの4人は、さっきから不思議なことを言っている。何で彼らがこんなことを言っているんだ。事情とか設定とか、世界の命運とか呪文とか。お前らには関係ないはずだ。




「気が重いな、力の石を俺たちで持つのは」と、ガルがボソッと呟いた。




 力の石を俺たちで持つ……さっきアキラが6個に分けた力の石の話と繋がっているのか? 俺たちが……と言っているとなると、ガル達4人が力の石を持っているのか?


 いや、そうなったとして……どうしてだ。どうして、デリーシャの4人が力の石を持っているんだ。


 これらの疑問を解決するように、また彼らは話し始めた。


「魔王の封印がポリスタットのせいで解かれたために、二大賢者がまた封印した。が、長く持たずに逆に2人が魔王に殺された。しかし彼らにとっては想定内だったらしく、時の石には結界を張り、力の石はセントリー生まれの5歳児5人にランダムに分配した」


 ポリスタットのせいで魔王の封印が解かれた、それが重なって二大賢者は魔王に殺された。それとの繋がりでティナの両親も結界となって亡くなった。


 だからウェール村の村長は都市のことを憎んでいて、都市からの干渉も受けなかった。更に残された賢者の孫達を魔王に狙われないように裏で保護していたから、村には中々居なかったのか。


 それで時の石が結界によって保護される瞬間は今さっき目撃した。世界基準では10年以上は経っているのだが、俺からすれば少し前の出来事。


 で、力の石を5人に分配したっていうのは本当か。6個に分けられた石が勝手に飛んでいく場面は見たが、それらが5歳児に分配されていく様子は見られなかった。


「ランダムに分けられた結果、私・ガル・フィン・ソール、それとシティスト暮らしのマイト・ラスター。更に5歳児ではなく1本の剣。何の意図があったかは分からないけど、私たち4人は20%ずつ、マイト・ラスターと剣には10%ずつが振り分けられている」


 ……俺の中にも力の石が入っているのか?俺の中には今、時の石と力の石が両方存在していることになる。というかいつからだ、5歳の時に入れられた感覚はない。痛みもなかったから、違和感なく誰にも知らされることも無く暮らしてきた。


 というか、彼らは知っていたのか。俺たちに世界の命運が掛かっていることも、力の石が分けられていることも。ならば何で俺に教えてくれなかったのか。村長もそうだが、彼らも隠し事が多いな。


 フィンは倉庫の奥から茶色い箱を取り、中から赤い石の付いた剣を取りだした。これは俺が持っている物だ。討伐パーティーに加入した時にガルから貰い、結婚式の夜に村長から改めて渡された物。ティナの両親と深い関わりがあると聞いていたが、石が入っていたとはな。


「数値の振り分けから、この剣はマイト・ラスターに渡すこととする。事情は説明せずに、モンスターを討伐するパーティーとして活動する。魔王のことは言うな、言えば彼は行動に移す。行動力で言えば彼はウェール村の村長に太鼓判を押されている人物だからな」


 俺が……行動力のある人物とかでも言っているのか。それは何かの間違いだ、村長の間違いだ。俺は別にそういう人間じゃないのだが。というか、この時の会話があったから、今俺が剣を持っているのか。


 にしても、なら何で彼らは俺を追放したんだ。


----------

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ