第9話 お出掛けと才の嫉妬
はい、投稿です。うーわ、ストックが無くなって来たな。
第9話
:場所:ヴェレの町・紅葉鳶の旅館:視点:レラシア:
さて、第一王子と第二王女の誕生日会が王都にて開かれるので、余裕を持って向かうはず
だったのだが、何やら王都の方で騒動か何かが起きたせいで行くのを取りやめる事したようで
あり、そして色々とあって紅葉鳶の旅館にて一晩を過ごし、そして先ほど家族全員で豪華な
朝飯を食べ終えた私は、さっさく昨日お父様にお願いし、溜息を出されながらも条件付きでは
あるが、ヴェレの町をお忍びにて巡り歩くことを了承してもらったので、今私は旅館の玄関前
で、お供として同行する護衛の女兵士と一緒に町へと出掛けるところである。いやぁー楽しみ
だなぁ、一体どんな町並みが広がっているのだろうか、それと温泉饅頭とか地域限定の品とか
あるのかな?。
「いやぁ本当に今日はよろしくねヘレアさん、私が我が儘のせいで余計な仕事が出来た
せいで、大変だとは思うけど」
「いいえ、そのようなことは決して、むしろ未熟な私などがお嬢様のお供に付けさせて頂ける
など大変名誉な事で、むしろ感謝している次第でございます!」
とレラシアは茶髪のロングポニーテールが特徴の少し神経質そうな容姿し、地味で目立たない
平民の服装をした護衛の女兵士ことヘレアに、自身の我が儘で苦労を掛けたことをさりげなく
誤ってみると、慌てたようにそんなことはないとむしろ名誉なことで感謝していると言って
来る。へぇその慌てた方やあの瞳に沈む視線からして恐らくは、私に嫉妬を抱いている感じ
かな?そしてその感情を隠し無理して演技しているて感じかな?。
「そうなの?あまり背負い混んでいないなら良いだけどねぇ、それじゃ商店が立ち並ぶ大道理
に向かおうかぁ」
とレラシアはそう言った後、ヘラアの手を掴むと急かすようにヴェレの町の大道理へと走って
向かって行くのであった。うーんまぁお供がどんな感情を抱くにせよ、今は巡り歩きが優先
だしね、それじゃあ行くぞ!!。
:場所:ヴェレの町・大道理:視点:ヘレア:
(思わず変な感じに答えてしまったけど、変に気付かれなかっただろうか)
とヘレアは自身が抱く感情に気付かれたのではないかと不安に思うが、出来るだけ表情には
出さないように努める。さて、私の名前はヘレア・マルゼルクと言って、かの五大貴族で、
あらせられる、ヴァイハイム伯爵家に雇われている、まだまだ新米扱いの兵士である。
さてと何故女性の身で兵士などと言う極めて危険で重労働な職についているのかと語るには、
私の出生から語らなければならないだろう、私が生まれた家は代々青き血統を持つ貴族の家に
仕える事を生業とする従者の家系であり、そんな家の三女として生を受けた私は必然的ないえ、生まれの定めとばかりに私は、幼い頃から貴族に従う為だけに難解な文学や礼儀作法や剣術に
弓術などと言った様々な武芸などを、他の姉妹と比較されながら父や母から教え込まれた、
私は自身の生まれと才に憎しみに近い感情を抱く、もし町人の家に生まれていれば、城下町の
大道理で歩いている町娘達と同じように色々な衣服や装飾品で、綺麗に着飾っていただろうと
思うと、酷く羨ましくなるし、自身が酷く惨めに感じるし、自身の部屋で難解文学を勤しむ時
は、才能の無い自身を酷く嫌悪感を抱き、普通の町娘なら綺麗なはずの手首が日々の武芸稽古
のせいで酷く傷つき肌は傷跡だらけであり、その努力の割には成長は乏しく酷く魘される。
そしていつも疲れ果て汗くさいままその日を終えてから、何故私は従者の家系に生まれたのか
何故私はこんなにも辛い思いをしているのに報われないのか、年頃の町娘のように明るく談笑
しながら優雅で綺麗な服を着たいのに、泥臭い鎧と鍛錬用の服を着ているのか、そう苦々しく
そして妬ましく、この世の不平等差を感じる日々を続けて行くしかない私を嫌った。
そんな嫌悪感に満ちた日々を送りながらも私は成長していきついに私が仕える家が決められた
、そうヴァイハイム伯爵家である、その家は王国内でも屈指の権力を持つ五大貴族の一つだ、
私はその伯爵家が抱えている私兵団の一兵として雇われたが、ただ文学の勉強する事がなく
なっただけで、来る日も来る日も模擬鍛錬したり貴族の屋敷を警備したり城下町や周辺の村々
へと巡回していくだけを繰り返す日々が続くだけだと思ったけど、私の雇い主であらせられる
ボルデア・ルシュ・リッド・ヴァイハイム伯爵様が、王都の王宮にて開催される予定であった
第一王子と第二王女の誕生日会に出席するために家族と共に出掛ける事となり、私は伯爵御
一行を護衛として同行する兵士の一人として選ばれた、まぁ何とも王家の誕生日会に出席する
ためにこうも大人数で移動しなければならないなんて貴族様方は大変な事だなと呆れていた事
が原因なのかは知らないが、王都の方で何かトラブルがあり急遽王家の誕生日会への出席を
取りやめて、今居るここヴェレの町で旅行すると言う事になり、そして現在私はヴァイハイム
伯爵家のご令嬢であるレラシア・リッド・ヴァイハイム様のお供として同行している最中だ。
「ねぇヘレアさんあの黒屋根の赤煉瓦の家を見て、中々歴史のありそうな雑貨屋があるは」
「はい、そのようですね、如何にも古そうな雑貨屋と言った感じですね」
とお嬢様は大きな文字で雑貨屋と書かれた黒屋根の赤煉瓦の家の前に立ち興味深そうに眺めて
いる。仕える者として失格だとは思いますが、私はレラシアお嬢様の事が正直言って嫌いな
人種方なのだと感じています。何故そう感じるのかと言えば理由は酷く醜い嫉妬だ、お嬢様は
大貴族の生まれだし、裕福で何不自由なく生きている方で、興味を持ったことを好きなだけ
自由に出来るし、余程無理難題でなければ好きな物用意してくれる親と地位がある、だから
私は思わず抱いてしまう、何故こんなにも生まれが違くてここまで格差があるのかと、そして
何よりも嫌いだと感じてしまうことは、その天才的な学習能力だろう、少し学ぶだけで常人の
数倍早く理解して応用できてしまう程の才能、私達の血の滲む思いで努力している横で、暇つ
ぶしのように軽々と習得しより高みへと昇っていく、凡人の努力など惨めだと抱かせるほど。
「中々興味が沸いてきますね、うーんよし、とりあえずこの雑賀屋に入りましょう、何か良い
物品が売っているかも」
「・・・え?、この古びた雑貨屋に入るのですか・・・あぁお嬢様はお待ちを!!」
とお嬢様は興味深々な様子で古びた雑貨屋へと向かっていく。全く護衛をするこっちの事も
考えてくれないだろうか。
(そう私なんかとは違う、生まれも育ちも才能も、どれも恵まれていて、本当に何でこうも
・・・あぁいけないいけない今は仕事中です、個人的な妬み嫌いなどは、醜く抱くこの穢れた
心の底へと押し込んで、命じられた仕事に専念しなければな)
とヘレアはそう思い抱きながら、お嬢様の後を追うように、古そうな雑貨屋へと入って行くの
であった。
と言ったところでここまです。いや、こういう黒い感情を抱く内面を書くのって楽しいね!。
あと全く関係ないけど、いつか久しぶりに動画投稿するかどうか考えてるけど、確実に小説投稿に
影響しそうなんだよなぁ。