第8話 急な予定変更と便乗巡り
はい、投稿です。
第8話
:場所:ヴェレの町・紅葉鳶の旅館:視点:レラシア:
さて、我が家があるルシュから王都に向けて出発してから10時間ほど経過し、今現在夕暮れ
のヴェレの町にある今日の泊まる紅葉鳶の旅館に到着したのである。まぁつまり前世の時間帯
で言うなら17時ぐらいに着いたと言う事である。
「よっと、いやぁ長く語ったてしまったなぁー、どう温泉の素晴らしさが理解できた兄様」
「あぁよく理解したよ、レラシアがどれだけ温泉が好きなのか本能的に刻まれたよ」
とレラシアはニコニコ笑顔でそう言いながら馬車から降りる、そしてその後を続くように
アドルは少し疲れた様子で苦笑いを浮かべながら馬車から降りて行き、そして最後にお父様
が微笑まし表情で私とアドルを眺めながら馬車から降りていき。
「ハハハ本当に元気にはしゃいでいるな、さぁ二人ともこの目の前にある赤いレンガの屋敷
が今日貸切って泊まる事になる紅葉鳶の旅館だ、各々人は自身が寝泊まる部屋を確認しておく
ように、いいね?」
「「はい、わかりました」」
とお父様はそう言い終えると同時にレラシアとアドルは返事をしたところで、護衛の兵士が
こちらへと駆け足でお父様に近づくと話しかける。
「団欒中のところ失礼します、王都の方より急遽ご連絡しておきたい事が入りました」
と護衛の兵士がそう言うとお父様は微笑まし表情から一転して真剣な表情へと変わると、一言
向こうで話して来ると言って、駆け足で来た護衛の兵士と共にどこかへと向かっていく。一体
どうしたのだろうか?。
「ねぇあの人かなり慌てた様子でお父様に話かけたけど、一体何があったと思う兄様?」
「さぁ、流石に様子だけで何があったのかは分からないけど、少なくとも何かトラブルが発生
したことは確かだと思うぞレラシア」
とレラシアとアドルは一体どんなトラブルがあったのかと気になりながらお父様と話している
護衛の兵士を見ていると。
「何だとそれは誠か!?王宮の中枢でそのような事が本当に起きたと言うのか!?」
「はい、王都方で待機していた執事や使用人からのご連絡でしたので、まず間違いなく事実か
と思われます、それでどう対応されますか?」
と突如お父様はどんな話を知らされたのか分からないが、かなり驚愕した表情を浮かべており
、そしてその表情を見て少し動揺した声色で、今後どう対応されますかと顔色を伺うように
護衛の兵士はそう問いかけている。うーん一体何があったのだろう?。
「どうもこうも、このまま王都に向かうなど論外だ、国王陛下には申し訳ないが今回のご招待
は謹んでお断りするしかあるまいて、今回は家族で過ごす温泉旅行とするか」
とお父様は神経質そうな表情でそう護衛の兵士に言い渡す。どうやら第一王子の誕生日会出席
は中止になりそう感じだな、聞こえて来る話的に。
「はっ!了解しました、急ぎ使いの者にもそう伝えて起きます。それではこれにて伝えに行って
参ります」
と護衛の兵士はお父様に敬礼をしつつ他の護衛の兵士や使用人にこの事を伝えに、急いで向か
って行った。そしてお父様は額に指を抑えつけながら大きく溜息をしつつ私達のところへと
帰って来る。どうやら話が終えたようだ。
「・・・あの父上顔色が悪そうですが、一体王都で何があったのですか?」
「いや、気にするでないアドルよ・・・それよりもだアドルとレラシア、お前たちに知らせ
たい事が今しがた出来たので、よく聞いてくれよ、今から12日後に王都の王宮で開かれる
第一王子と第二王女の誕生日会の事なのだが、向こうでトラブルがあったようなので、今回の
出席は取りやめとし、急遽このヴェレの町で家族団欒の温泉巡りするぞ」
とアドルは心配そうに声を掛けつつ王都で何があったのか聞こうとするが、お父様はやんわり
とアドルの筆問を答えることはせず、12日後に開かれる第一王子と第二王女の誕生日会には
急遽出席を辞退することを伝え、急遽家族で過ごす温泉巡りになることを伝えて来る。えぇ
まさかの中止かぁ。
「えーとつまりお父様、何らかのトラブルが王都で起きたので、急遽出席中止したは良いが、
このまま帰るのも何だか惜しいので、今いるヴェレの町で温泉巡りをしてから帰るとしようと
考えたと言ったところであってますか?」
「あぁ全くもってその通りだレラシア、何せ今回の外出の為に数週間分の仕事を全身全力で、
片付けて出掛けたのだ、このまま帰るのは少々労力的にな理由で嫌だったのだよ、だからこそ
この数日くらいは息抜きとして過ごして良いはずなのだ!」
とレラシアは思わず苦笑いでお父様の考えを予想し言ってみると、見事に全くもってその通り
だと開き直るようにそうお父様は言った後、この予定外の数日間を息抜きな休日として過ごす
ことを拳を掲げだす。あぁ・・・そこまで休みたかったのですね。
「へぇ拳を掲げて言い切るほど、息抜きしたかったのですね・・・あぁそうだ私もこの機会に
便乗してやってみたい事があるのですが良いですか?」
「・・・何だ?レラシア、今ここでそんな事を言うとは、何故だろうか言い知れぬ不安な予感
が感じてくるのだが・・・まぁ良いだろう、とりあえず何をやってみたいのか聞かせてくれ
ないか?」
とレラシアは思わず自身の父親が拳を掲げて息抜きを決意する様子に戸惑いを抱くが、ふっと
この機会に私自身もやってみたいことが思い浮かんだので、この際に便乗してお願いしたい事
があると伝えると、お父様は何とも言えぬ不安そうな表情をを抱きながらも、とりあえず聞く
だけは聞いてやろうと言う感じで視線を合わせて来る。いや、そんな不安そうにされても。
「・・・いえあの普段私が、鍛錬の時に着ている服を流用してですね、ちょっとヴェレの町を
巡り歩いてみたいのです、勿論仰々しい馬車でいくのではなく徒歩で、歩き周って見たいの
ですが、えーとダメですか?」
とレラシアはお忍びでヴェレの町を出歩きたいことを伝えると、お父様は物凄く不安な表情に
なり物凄く深く溜息をだす。いやね、第一王子と第二王女の誕生日会に行く予定が取りやめに
なったし、丁度旅行みたいになったこの遠出で拠ったヴェレの町を好きなだけ巡り歩きたい
なぁと思っただけなんだけど、そんなに溜息を出すほど大変なことだったのかな?
「・・・はぁー全く何とも仕方ないことだなレラシア・・・まぁそうだな今回連れてて来て
いる護衛の兵士から一人護衛としてお供に付けて行くこと、そして変な騒ぎに近づいたり、
自ら目立つことを引き起こしたりしないことを誓えるのなら今回特別に許可してやる」
とお父様は少しの沈黙の後、とりあえず出歩くための条件を提示し、それを守れると言うの
ならヴェレの町を巡り歩いても良いと言ってくれる。そしてレラシアはニコニコ笑顔でその
条件で良いと了承したのだった。そして旅館の入り口前で二人を眺めていたアドルは本で口元
を隠しつつ、自身の妹の行動力にドン引きするのであった。おい、何ですかその視線は。
と言ったところでここまです。はい、正直言って今王都まで行く気はなかったです。まぁ一応伏線はいくつか張ったので、王都で起きたトラブルなどは後々書いていきます。それに王都はレラシアがある程度強くなってからと考えているので。