[第一章]#4 地獄へ道連れ
「う、うわああああああああ!!!」
甲斐田が大きな声を上げながら剣を振り下ろす。
――グジュ!
「GIAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
並河だったクラスメイトと共に、腹部が貫かれる。
「あ、あああああああああ!!!」
委員長が弓を引き、手を、足を、昆虫標本のように撃ち抜く。
身動き一つできない状態になった。
「や、やめ」
「ひ、ひいいいいいいいいいいい!」
俺の声にならない声をかき消すように和久津が声をあげると、大きなハンマーを頭部へと振り下ろした。
――グ
頭部が潰れるその刹那。
一瞬が引き伸ばされるような感覚に陥った。
「いいか、お前たちに言っておきたいことがある」
これは、夢だ。
いや、願望かもしれない。
「これからお前たちは高校を卒業して、いずれ成人する」
卒業式の、最後のホームルーム。
「これからくる色々なことに希望も夢もあるだろう。だけどな……」
浮き足立って話も聞かないような生徒たちに言い放ってやる。
「これから先に未来、お前たちが望んでるような夢もない。希望もない。かといってドラマチックな絶望もない。これからくる未来はゆっくりと、ただただ突きつけてくる現実だ。――おめでとう。俺と同じ、地獄にようこそ」
【裏スキル】
地獄に道連れ|ゴートゥーヘル 発動。
効果:現時点では見ることができない
条件:現時点では見ることができない
「――おま」
最後の言葉の途中で、暗闇になった。
――シャ!