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[序章]#1 修学旅行の日

 東京都の外れにある都立高校・成川なるかわ高校。

 近隣の駅周辺はタワーマンションが出来るなど開発も進んでいるが、県境が近いこともあり、歩けばすぐに田畑も見られるような自然の多い環境だ。


 そんな、なんの変哲も無い学校で、なんの変哲の無いクラスに所属している、なんの変哲も無い人間が僕、桐川きりかわハヤセだ


 特に注目もされず。部活にも所属せず。特に友達もいない。

 卒業してアルバムを確認すれば、こいつは誰だと思い出されない種類の人間だろう。


 学校の中にこれといった不良もおらず、これといったイジメも無いことから、クラスの中では相対的にヒエラルキー下部の方に属すると考えていい。


 そんな僕にとって、学校行事は苦痛と言えるものだった。

 文化祭や体育祭など、いつもと違う環境に生徒達が色めきだつ中、自分には何もなく、楽しむこともできないことを卑屈に感じてしまう。


 修学旅行も同様。

 その日は朝から陰鬱とした気分で、バスに乗り込んだのだった。


 バスは大きい国道を抜け、高速道路へと進む。

 京都方面へと向かう中、やれ富士山が見えただの、パーキングの露店がうまいだのとどうでもいい会話を繰り広げているクラスメイト達。

 

 僕はバスの前列の方の席で、横には荷物を置きながら寝たふりをひたすら続けていた。

 このまま眠り続けて修学旅行が終わってしまえばいい。

 そう思いながら目を閉じていると、次第に眠気が襲ってきて、僕は争うことなく、ゆっくりと意識を、飛ばした。

 

 ダン!!!

「きゃあ!」


 急なバスの上下運動と女性との悲鳴で意識が戻る。

 目を開くが、トンネルの中なのか車内はオレンジの光で薄暗く状況が掴めない。

 何が起こったのだろうと目を凝らそうとしたその刹那。

 車内が対面からハイビームの光で照らされたように真っ白になると、強烈な衝撃が襲った。


「きゃああああああああああ!!!!!!!」


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