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[第二章]#2 委員長は引き受け上手

体調不良で寝込んでました。

また今日から連日投稿頑張ります。

 【スキル】

 委員長は引き受け上手|エンパシー・シンパシー

 効果:他人の受けたダメージを身代わりになって引き取ることができる


 私が能力に気がついたのは、担任の春日居先生が普段からは想像もつかないような快活さで生徒たちに檄を飛ばしている最中だった。

 私は弓を持っていること、そして、他の子よりも嫌がることを率先してやってくれるだろうということから、前線の方へと配置をされた。

 

 嫌だ、とも言えない。

 自分の性格がまるで呪いのように感じる。


 そんな私が、他人のダメージを引き受けるなんてもってのほか。

 しかも、こんな能力があると知られてしまったら、場合によっては春日居先生から強制的にダメージを引き受ける指示をされるなんてリスクもあるのだ。

 こんな能力、いうわけがない。


 それにしても、さっきのような化け物がやってくることを今も信じられない。

 できるならすぐにでも逃げ出してしまいたかった。


 私はバスの中での出来事を思い出す。

 私の座席は、担任教師の隣。

 誰もが嫌がる席で、パークングエリアで集合時間を少し過ぎてでも慌てない生徒たちに無言の圧をかけながら名簿をチェックする役目。

 通路を挟んで向かい側には桐山くんが二人分の座席を使いただひたすらに寝て過ごしていたことが目に焼き付いている。

 

 並河さんが頭を喰われたときも、私はバスの先頭の方にいた。

 眼が覚めると、バスが横転しており、私は天の方でぶら下がったような状態だった。

 先生はベルトをつけていなかったのか、隣にはいなかった。

 私はなんとか自分の力でベルトを外すと、足を掛けながら地面の方へと向かった、ちょうどその時だろうか、後部座席の方がベリベリと壊れるような音がし、並河さんが頭から食べられた。

 

 瞬間。うごめく生き物のようにパニックに陥る生徒たち。

 私は運転席側のガラスが割れていたのでそちらから出ようとしたが、その時上方から降りかけの私の髪を引っ張る手に捕まった。

 すぐ後ろの席の子が私と同じように座席のベルトにつながっているのが見えた。


「ねえ、委員長! 何が起こってるの!? ここから降ろしてよ!」

 

 私はとっさに苛立ったのを覚えている。

 こんな時まで、私に、なんで!

私は髪の毛をつかんでいる手を近くにあったガラス片で刺す。


「ぎゃああああ!!!!」


 生徒の手が外れ、私は一目散に外へと飛び出そうとした。

 その時、またしても私のことを掴む手が。


「手を、貸して」

 長嶺さんだ。

 長嶺さんは先ほどの生徒の隣の席だったはずだが、ベルトをしていなかったのか、横転の際に前方のガラスにあたり、ガラス片で怪我をしてしまっているようだ。


 私はそのまっすぐな眼が、先ほどの私の行為を見ていたぞ、と言わんばかりに感じてしまい。

 思わず手を貸した。


「長嶺さん、み、見た?」

「え? な、にが……え!? ば、化け物!?」


 どうやら、長嶺さんは事故があって今気がついたようだった。

 私は安堵すると同時に、長嶺さんをどうすればいいかわからなくなっていた。


「委員長一人で立てるか? 長嶺! とりあえず外に!」


 そこに、担任の春日居がやってきた。

 長嶺の肩を抱くと、いつの間にか外に出ていた桐山の方へと長嶺さんを受け渡す。


 私は一人で立ち上がり、どうしたらいいかわからないと混乱している桐山の頬を叩き、自らも委員長というスイッチを入れた。


「しっかりして! 桐川くんも手伝って!」


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