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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
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デモンストレーション・下準備

NO83

デモンストレーション・下準備





 翌日もいつも通りに起床し、"餌付け亭" の朝食に舌鼓を打ちながら堪能し、身支度を整えてから宿を出た。


 メイン通りの露店で昨日とは違う店で、魚介類を買いマダラの影へと保管する。そして、いつも通りマダラにせがまれて串焼きを数本買いながらアンリエッタ邸に向かう。もちろん、余った串焼きは保管した。


 アンリエッタ邸に着き執事のシバスさんに、今日は昼を食べたら夕食の為の買い出しに行くことを伝え、倉庫整理に向かった。


 昨日と同じようにメイドのメイリーンさんに倉庫の扉を開けてもらい、魔力灯を点けて整理を始めた。


 すぐに木箱の中身を確認してマダラの影に入れてもらい、指示を出した場所に積んでもらう。すでに、倉庫整理を始めて数日が経ち作業も手慣れたものだ。


 次々と確認した木箱を分類した場所へとマダラに運んでもらう。そして、倉庫整理をしてから昼食まで淡々と無駄な喋りをせずにメイリーンさんが来る続けた。


 今日の昼食も裏庭でアンリエッタさんと一緒に食事を摂る。

「セイジロウさん、夕食の会場は天候によりますが、問題なければこの裏庭で行う事になりますがよろしいですか?」


「はい、アンリエッタさん。ご配慮ありがとうございます。今夜の夕食は楽しみにしていて下さいね。あと、魔導具の使用方法は食材を買って戻ってきたら教えてください」


「えぇ、楽しみにしてますっ! 魔導具も大丈夫ですよ。それと、下拵えは料理人を用意させますから任せてください」


「お手数かけます...さて、少し早めに動こうと思いますので...マダラ、いくよ」

 と、あまり長く話過ぎると買い出しの時間がなくなるからな...


 さーて、ムフフっ! 楽しい美味しいデモンストレーションにして見せようじゃないの!!


 俺とマダラはメイン通りからさらに奥の市場へと足を運んだ。ここはルインマスの卸売り市場であらゆる食材が揃う場所だ。見渡す限りに食材が並んでいる。


「さて、マダラは何が食べたい?」

『ワレはやはり魚介がいいのぅ、それと、肉じゃな!! フライドポテトもじゃぞ! あと、ピザじゃ!』


「めっちゃ食うな...それとビザは今回無しだ。窯が無いからな...代わりにバゲットを買ってサンドパンを作ってもらおう」

『.....ふむ、しょうがないの...それで我慢するわい。して、セイジロウは何を作って食べるんじゃ』


「そうだな、まずは肉だな....脂身がある肉と赤身肉を両方買っていくか。あとは、野菜と魚に、貝とカニ、エビに鳥肉もだな」

『ずいぶんと買い込むのぅ。そんなに....まぁ、食えるがな』


「いやいや、お前だけじゃないからな? アンリエッタさんにサーシャさん、シンディさんが来るから。それに、シバスさんにメイリーンさんに料理人の人達にも食事を楽しんでもらうから」


『なんじゃ、そんなにおるのか。ならば、全然足らんではないか! もっと買うのじゃ! ワレの分が足らなくなるではないかっ!』

「分かったから大人しくしろよ? 他の人にも迷惑だろ....まったく....」


 目当ての物を端からどんどん買っていく。そして、買ったものはすぐにマダラの影に入れて保管してもらう。こうすれば、いつまでも新鮮なままだ。


「マダラ、あっちに野菜もあるから買いにいくぞ。芋を買わないとフライドポテトが作れないぞ?」

『ふむ、分かっておるわ。.........おぃ、そんなに野菜を買うのか?』


「そうだよ、今日は野菜もメインになるからな。まぁ、食いたくなければいいけど?」

『ワレは魚と肉を食すから野菜はアンリにやればよいぞ』


「そう、じゃあそうするか.......次は調味料の材料だな..............おっ? コレって....すいませーん!」

「なんだい、あんちゃん?」


「コレってどんな味がするんですか?」

「あぁ、スッパの実か....そりゃ酸っぱいんだよ。だから、スッパの実って名前なんだ。気になるなら試しに食べてみな?」


「えっ? いいんですか?」

「あぁ、あんちゃんがどんな顔でスッパの実を食べるんだか、おれがみてやるよっ!」


「じゃ、お言葉に甘えて.....っん! すっばーいっ!!」

「ガハハハっ! 良い顔で食うじゃねぇか! ワハハハ!」


「これは....でも、甘味もあるんですね.....じゃ、二壺下さい」

「おうっ?! ずいぶんと豪快な買いだな? 気に入ったのか?」

「はい、気に入りましたので売って下さい」


「いいぜっ!! サービスにこの葉もやるよ! スッパの木の葉だ! コレも少し酸っぱいんだが、肉に巻いて食べると食欲が増すぜっ!」

「へぇ、ありがとうごさいます」


 まさか、梅干しモドキが手に入るとはっ!! 梅肉もといスッパソースを作ってみるか?


『セイジロウ、珍妙な物を買っていたが大丈夫なんじゃろうな?』

「珍妙って....マダラは梅干しを知らないのか?」

『知っておるわ。だが、ワレは好かんのじゃ。口がすぼまる感じか嫌なんじゃ』


「.......ぶっ!! アハハっ! マダラの酸っぱい顔を想像しちゃっただろっ! アハハっ!」

『ふん、好きに笑ってるがいいわ! ワレは先にいくぞっ!』


「あっ!....悪かったって! 怒るなよー! ってか、壺を影に入れてくれよーーっ! オーイ....マダラぁー.....」


△▽△△△▽△▽▽△


 そして、大量の食材を買い込みアンリエッタ邸へと戻り、すぐに下準備を始めた。肉類と魚介類の下拵えをアンリエッタさんの料理人達に手伝ってもらい、俺は大量のカモンネーズとタルタルソースを魔法で作る。


 さらに、塩とハーブに胡椒を混ぜたオリジナルの振り塩を作る。次に薬剤の一種のショガンを細かく切り刻み、酒と果実で作った特性のタレを作り、鳥肉をそのタレに浸けてもらうように料理人さんに頼んだ。


 次は、フライドポテトで使う芋の皮剥きだ。コレが......実は手作業です。本当なら魔法でシュルっとやりたいが、技術的にまだ無理....あとでピーラーを作ってもらおう。しかしちょっと、買いすぎたかな.....


 あとは酒や果実水、ワインなんかも用意してもらって....あと、ラームエールもね!! アンリエッタさんにビールサーバーを作ってもらうように頼んでもみようかな? やっぱり冷たいエールを飲みたいし....


 こうして数時間があっと言う間に過ぎていき、約束の時間となりデモンストレーションが始まる。

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