表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
69/226

そんなに魚が好き?

No69

そんなに魚が好き?





 翌日、頭の痛さに吐き気で完全な2日酔いで活動は午後からになったセイジロウです.........うぅ~~気持ち悪いよぉ....


『軟弱じゃな。あれしきの酒量で酔いつぶれとは....しっかりせんかっ!まだ街にきて酔い潰れるのが目的ではないはずじゃぞ!』


『アァァァァ....ちょっ....もう少し静かに...頭に響くよぉ.....てか、やけに張りきってないか?』


『そんな事ないわ...セイジロウ、あの魚が旨そうじゃ!朝も昼も食うてないのじゃ!あれをワレは所望するぞ!』


 あぁ、なるほどね。久方ぶりに食べた魚が旨かったと....魚が食いたくて張りきってるわけだ....わっかりやす...

『分かったよ....買うからちょっと黙っててくれる...』

「すいません、この魚を3匹下さい」


「あいよー!捌くかい、兄ちゃんっ?」

「いえ、従魔用ですからそのままでいいですよ」


「へぇ、従魔かい!....そっちの獣かい? また、立派だなぁー.....あいよ!3匹で銀貨1枚だな!」


 以外と高いな...でも、たまには良いか。これでマダラが大人しくなるなら。


「ほらっ!コレ食べて大人しくしてくれよ....頭痛い...てか、今日は影に入っててくれるか? 昨日みたいな反応だとギルドで何が起こるか分からないからな」

『ふむ、良いじゃろ。ついでに、魚の情報を集めるんじゃぞ』


 ハイハイ。わかりましたよ...ったく。


 アルタロスのスベンさんに紹介してもらった宿 "餌付け亭"から、冒険者ギルドまでは歩いて10分程だ。


 メイン通り沿いにあり、宿から一歩出れば露店が軒を連ねている。ギルドに向かいながら店の商品を見るとやはり港街だけあって、海産物が目立つ。


 中には毒々しい色合いの魚や、掌を開いたぐらいの大きさの貝もあった。ある店では魚の解体ショーをしていたり、店先で魚介類を焼いて匂いで客寄せしたりと、活気で賑わいをみせていた。


 そして、昨日は扉を開いただけで終わった冒険者ギルドについた。今日は、マダラを影の中に入れてるから昨日の様にはならないと思うが.....


 まさか...ここに来て異世界テンプレなんて事はないよな?

 フラグじゃないからね? 本当に....マジで....有名なお笑い3人組のコントじゃないからね?


 意を決して冒険者ギルドの扉を開くと、「......うん、普通だ....」

 特に何も起きなかったよ。少しの視線は感じたけどね....さて、受付は....と。周りを見渡して列が出来てない受付嬢の所に向かった。


「初めまして、セイジロウといいます。昨日ルインマスの街に着いたのですが、従魔の確認と更新申請をしたいのですが....」


「はい、初めまして。私はエミリアと言います。セイジロウさんですね、ようこそルインマスの街へ。では、冒険者ギルドカードと従魔の確認と更新申請ですね.......では、従魔の確認からですが....」


 受付嬢のエミリアさんは、キョロキョロ辺りを見てるが、

「あの従魔の確認なんですけど、ここだと目立つと思うのですが....」


「あっ!....えっとじゃ、ギルドの鍛練場で確認しましょうか....ちょっと一緒に立ち会ってくれる?」


 近くにいた男性職員に声をかけた受付嬢と男性職員を連れてギルドの鍛練場に向かった。


「では、お願いします。くれぐれも私達に危害を加えないようにして下さいね。万が一があれば罰則もありますから」

「分かりました.....マダラ、姿を現してくれ」


 エミリアさんから注意を受けてマダラを現せた。


「ひゃっ?!」「うおっ!?」

「マダラです。私の従魔ですね.....マダラ、お座りして」


 マダラは言われた通りにその場で行儀良くお座りした。


「うわぁ.....凄いですねぇ。見るのと聞くのじゃ違いますね」


「これは.....!!もしかして、要所の砦で活躍した獣ですか??」


「えぇ、そうですね。あの戦いには私も参加しました。ハルジオンの街で依頼を受けましたから」

「えっ?じゃ、黒白狼使いってあなたですか?」


 えっ? 何その恥ずかしい感じの呼び名? まさかの有名人?


「えっと....その呼び名は知りませんが...マダラは狼ではなくて獅子になるんですが?」

「しし? それはその従魔の種族名ですか?」


「はい、正確には獅子犬といいます。まぁ、狼でも間違いではないですけど....『だよな、マダラ?』」


『まぁ、よいじゃろ。獅子と言われても分からんじゃろうしな。セイジロウがしっかりワレを分かっておればよい』


「とりあえず、従魔の確認はしましたから、手続きはします。.....手続きを任せたわよ?」

「はい、分かりました。....はぁ....しかし、まさか黒白狼使いがルインマスに来るとは....では、先に手続きをしてきます」


 男性職員は足早にギルド内に戻って言った。


「では、セイジロウさん中に戻りましょう。依頼を受けるようでしたら手続き後になりますね」


 エミリアさん一緒にギルド内に戻った。手続きが終わるまで依頼提示板を見るが、やはり残ってるのは雑用や荷運び、珍しいのは、船番や網の手入れとかがあった。


 エミリアさんから手続き完了の呼び出しがありギルドカードを受けとる。とりあえず、街中を見て回る事をエミリアさんに伝え依頼は後日受けることとなった。


 冒険者ギルドから出るとメイン通りを歩く事にした。ルインマスの街の雰囲気を確かめるように目についた露店、雑貨屋、装備屋などを見て回り、たまに買い食いや美味しそうな料理、魚や貝などを買ってマダラの影に保管した。


『なかなか面白そうな街だな。魚介類が豊富だし、活気もある』

『そうじゃの、ハルジオンとはまた違った雰囲気を感じるの?.....で、先ほど買った魚や貝は食べてもよいのか?』


『お前、街に着いてからそればかりだな....別に良いけど高いからガツガツ食うなよ。まだ、金に余裕はあるけど依頼を受けてないから収入がないんだから』


『フン、何とも甲斐性がない主じゃな。そんなんじゃフローラを泣かせるぞ、セイジロウ』

『今、フローラさんは関係ないだろっ!...あっ、フローラさんに手紙書かなきゃ....マダラは大人しく影の中で魚を食べてろよ。雑貨屋で手紙セット買ってくるから』


『そうじゃ、セイジロウ。ついでに、魔石もじゃな。旅の道具に食料を保管しとるじゃろ?魔力に余裕はあるが、暇があれば魔石に魔力を込めて入れておくんじゃ。そうすれば、仮に保管する物が増えても問題ないからのぅ』


『おっ?なんだ、やけに気が利くな....分かった、大きさは前のぐらいので良いのか?』

『セイジロウの込めるられる量の魔石がいいじゃろ?すでに、前より魔力は増えてるじゃろ?』


『ああ、暇があるときは鍛練してたからな....なら、少し大き目の魔石を買うか』

『それがいいじゃろ、これから魚介類の保管が増えるからの』


『やっぱり.....だと思ったよ....魚介類を買うかわりにお前にも依頼を手伝ってもらうからなっ!』


 こうして雑貨屋で、前買った空魔石より大きい魔石を2つと、フローラさんに書く手紙セットを購入して"餌付け亭"に戻った。


 しかし、宿の名前が"餌付け亭"とは.....これも異世界ファンタジーのあるあるか? 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ