シーバル遺跡調査・6
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No60
シーバル遺跡調査・6
仮眠をとり昼食を食べた俺とセリーナさん、レグリットさんは賊討伐の戦利品の検分に。
マダラとガーディルメンバーのレガソさんとフレーナさん、ガッソさん達は周囲の警戒兼狩りに向かった。
ギルバートさんは昨日の地下遺跡の魔法陣検証の話し合いを錬金術ギルドの研究者達としている。
俺達は、戦利品の分配の話し合いを始めた。
「....結構あるな....食料に水、衣類に装備品、金、装飾品、本か....」
「ざっくり大別してこんな感じかしらね。食料は....多いわね。まぁ、みんなで消費するのが一番かしらね」
「衣類は、売却か...装備も...特にめぼしいのは無いな、どれも錆があったり刃欠けだしな。売却だな....」
「金銭はそれなりにありますね.....金貨10枚に小金貨が8枚、銀貨が........48枚で大銅貨が16枚それと、銅貨は......63枚ですか。それなりに、やってたんでしょうね...」
「変に深く考えるなよ、賊に慈悲はねぇからな!」
「えぇ、分かってます。私は締めるとこはしめますよ。で、セリーナさん、品目は書き終わりましたか?」
「大丈夫よ、記載したわ!あとは、またマダラちゃんに保管してもらって冒険者ギルドで売却しましょう。硬貨に関しては、うちは3割でいいわよ。売却額は折半が良いかしら?」
「えっ、それだと私がもらいすぎですよ?硬貨も折半でいいじゃないですか」
「いや、今回に関してはマダラとセイジロウの手柄だ。俺達は、ただ付き合った形だからな。それで、ある程度の金額が手に入るんだ。十分な利益だし、仲間も文句は言わんさ。他の冒険者達も見張りだけで金が手に入ったんだし、あっちも問題ないだろ」
マジすか....まぁ貰えるならもらうけど。レグリットさんの顔を見る限り多分ここまで読んでたんだろうな。
他の冒険者達に錬金術ギルドから出る討伐報酬を全額やっちゃってたんだから...
「分かりました、遠慮無くいただきます」
分配が決まり一息ついたところで、救護所で寝ていた女性が目を覚ましたと連絡が入ったので、事の詳細を知っている女性のセリーナさんが助け出した女性の元に向かった。
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陽暮れ前にマダラ達が夜営地に帰ってきた。話を聞くと異常は特になかったそうだ。魔物と動物を狩ってきたので今日は肉パーティーだと嬉しそうに話してくれた。
マダラが狩ってきた魔物と動物を影から出してもらい解体を始めてもらう。取れる素材はマダラの影で保管してもらい、冒険者ギルドで売却し売却金は分配する。
そうそう、賊討伐での戦利品から少し食料を分けてもらった。作りたいものがあったから....
あと、助け出した女性が目を覚ました事も伝えた。まだ精神的には不安定なので、男性冒険者達は無闇に近くによらない事もガッソとレガスにいった。
陽が落ちて篝火が灯り、肉の焼ける匂いや野菜スープの匂いが辺りに漂い、さらに、今日は賊から得た食料も使って普段より豪華だ。少ないが酒も出された。
賑やかに冒険者達や錬金術ギルドが夕食を食べ始めてる。そんななか俺は、セリーナさんとフレーナさんを連れて目が覚めた女性に面会を申し出た。
「ミリアーナさん、少し良いかしら?夕食を持ってきたわ。それと、貴女を助け出した人を連れてきたの。挨拶をしたいそうなんだけど、話せるかしら?」
ミリアーナさんがいるここは、女性冒険者と女性錬金術ギルド職員のテント群だ。目が覚めて話を聞いて救護所から移動させたそうだ。
やはり男性を怖がってるのは当たり前だし、賊がいた場所での記憶が甦ってくるだろう。出来る限りの心のケアが必要だ。
「....はい。大丈夫...です」
と、怯えたようにか細い声がテント内から聞こえた。
「入るわよ.....大丈夫よ、わたしたちがいるしセイジロウさんはそこらの冒険者達とは全然違うし、とても紳士的だから。....セイジロウさん、入ってきていいわよ」
「はい、失礼しますね。.......初めましてミリアーナさん。私はセイジロウと言います。貴女を助け出した内の一人ですよ」
「って、言ってるけど最初にヤツラを倒したのがセイジロウさんよ。さっきも話したけど紳士的だからね。それと、こっちのフレーナがわたしと同じく冒険者で、同じパーティでミリアーナを助け出した一人よ」
「初めまして、ミリアーナさん。わたしはセイジロウさんが助け出した貴女をここまで運んだだけだから気にしないでね。お礼ならセイジロウさんに言ってね」
一応の自己紹介が終わり、夕食と飲み物を渡した。あと、プリンを作ったので3人に渡す。
「喉を通るか分かりませんが、食べれるようなら食べて下さい。それと、コレを....甘味です」
「「あーー!!プリンっ!」」
と、セリーナさんとフレーナさんの声が揃った。
「あれ? 知ってるんですか?」
「知ってるに決まってるじゃない!ハルジオンの街じゃ知らない女性はいないほどよっ!販売数が少なく滅多に食べれないんだからっ!もっと作りなさいよ!!」
「そうよっ!それに、あの限定販売のフレンチトーストもわたしたちに売りなさいよっ!ズルいわよ、職員だけなんてっ!」
おぉ....ミリアーナさんが隅で怯えてますが?ついでに、俺も怖いんですけど?
「そっ、そうですね....とりあえず、ミリアーナさんが怯えてますが....」
「「あっ!」」
その後すぐにフレーナさんとセリーナさんがミリアーナさんに事情を説明しつつ、騒いだことを謝罪した。
「あ、あの...助けていただいて...ありがとうございます」
ミリアーナさんが怯えつつも俺にお礼を言ってきた。
ミリアーナさんは見た目から10代後半ぐらいの少女だ。橙色を薄くした鉗子色の髪を肩口まで伸ばしたセミロングで、顔は綺麗系で整っている。将来は、美人さんになる可能性は高いと感じる。
寝床から上半身しか起こしてないからスタイルは分からないが、年齢に見合った胸の膨らみも見えるから女としては見られたのだろう。
「セリーナさん達が言ってましたけど、助け出せたのは運が良かったからです。私には従魔のマダラがいましてソイツが見つけてくれたんですよ。それと、その甘味はプリンと言います。ハルジオンの冒険者ギルドで販売してますから良かったから来てください......ちなみに、出身はどちらで?」
「...ハルジオンです。...父がいます」
ミリアーナさんの事情をセリーナさんに聞くと、どうやら父が商売人らしい。その商売の買付をルインマスの街でした後に帰路で賊に襲われたそうだ。襲われた時に気を失い、そして気づいた時には裸でしかも慰みされた後だったと.....
「事情は分かりました。....とりあえず、プリンを食べてみて下さい。それなら食べれると思いますし栄養もありますから。それと....セリーナさんとフレーナさんはそんな顔をしてるとミリアーナさんが食べづらいですよ?」
ヨダレ....垂れてますよお二人さん....
「だってぇ.....1個だけなんて...」
「ちょっと見てただけでしょ......」
「この調査依頼が終わったら私からあとで何個か渡しますから.....なので、ミリアーナさんをお願いしますよ。....あと、プリンはみんなに秘密ですからね。材料に限りがありますし、他の人は知りませんから。じゃ、私はコレで」
と、ミリアーナさんがいるテントから出て騒がしくている場所へと戻った。ガーディルのレグリットさんを見つけて一緒に夕食を食べながらミリアーナさんの今後について少し話し、そのあとは就寝した。
今作は、カクヨムサイト、アルファポリスでも掲載してます。改稿版ですが、内容には変更ありません。誤字、脱字を修正したものです。ここまで読んで下さりありがとうございます。面白いと思いましたら評価をよろしくお願いします。




