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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
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シーバル遺跡調査・5

こんにちわ、紫煙です。ブクマ、評価、感想をお待ちしてます。皆さんのお陰でずいぶんとアクセス数が増えました。ありがとぉ!!

NO59

シーバル遺跡調査・5





 マダラが狩りの最中に見つけた賊を討伐する話し合いが済み、すでにマダラの能力で戦力が把握されている。


 レグリットさんが討伐の指示を出し、今夜遅くに奇襲をかける事に決まった。賊の討伐はガーディルメンバーと俺とマダラに決まり、遺跡の見張りを他の冒険者達に任せる事決まる。


 話し合いはほぼ円滑に進んだ。賊討伐の報酬の小金貨2枚は、遺跡を警戒する冒険者達に分配が決まり、賊が貯めてる物資についてはガーディルと俺達で分配が決まり不平不満は抑えられた。


 そして、賊討伐の俺達とガーディルのメンバーは賊の棲みかから約200メートルの位置に着き森の中で最終確認をしていた。


「じゃ、先行は私とマダラでやります。準備が良ければ手を上げてください」


 ガーディルのメンバーは静かに全員が手を上げた。


「では、先行します....マダラ、行こう」

 俺はマダラの背に股がり音も無く森を駆けた。と、同時にガーディルのメンバーが後方からやってくる。


 正直に言えばマダラだけで戦力としては十分だが、俺自身の経験の無さに賊討伐の責任者はガーディルのレグリットだ。それに、捕らわれてる女性の為にも女性冒険者が必要だし、報酬となる物資もある。


 まぁ、物資に関してはマダラの影に保管すれば問題無いが、完全に信用するという訳にもいかず諸々の事情が絡みこうなった次第だ。


『マダラ、見張りを倒したら内部に突入し賊を撃破。俺は人質の確保だ。いいな?』

『分かった.....合図をしたら飛び降りるんじゃ...............飛べっ!』


 俺は、走ってるマダラの背から跳び箱を飛ぶような要領で飛び降り、惰性を着地と同時に和らげながら洞穴に走って向かう。


 洞穴の見張りをしていた賊はすでに死体となっていて、中からは賊の悲鳴やら雄叫びが聞こえた。すぐに、洞穴内に警戒しながら入るとマダラに殺された賊の死体が地面に転がっていた。


『落人の末はこんなものじゃな』

「....アッと言う間だな....でも、良いのか?すでに後の祭りだけどマダラが人を殺して....」


『気にするでない。生殺与奪の判断はワレにある。セイジロウとワレが合意すれば問題はない。こやちらも末路が分かってやったのじゃ』


 そりゃ....こんな事されて許されるはずはないか.....しかし、俺も他人事じゃないが結果の責任はあるし....あまり考えすぎも良くないな...


『呆けるなセイジロウ。女はそこじゃぞ』

「あっ!......ヒドイな....息はあるな、多分疲れで寝ているんだ....」

 俺は、女性を見て容態を確認した。外見はともかく命に別状は無いようだった。


「セイジロウっ!無事かっ!」

 レグリットの声が聞こえてすぐに返事を返した。


「無事ですっ!討伐は終わりました!人質も確保しましたよっ!」

 と洞穴の入口向かって声をかけた。


 そのあとは、洞穴内の確認と物資の確保、女性をガーディルのセリーナとフレーナに預けて夜明けと共にシーバル遺跡へと向かった。


 ちなみに賊の装備品を剥ぎ取り、死体は土魔法で穴を作り火葬した。


▽△▽▽△▽▽


 賊討伐を終えたガーディルのメンバーと俺達は無事にシーバル遺跡にたどり着き、助け出した女性は仮設の救護所に預けて昼時まで仮眠をとった。


 ギルバートさんには戻った時に簡単に説明をして詳細は仮眠後に報告すると言ってある。


 そして今は昼を少し回った頃、炊き出しの野菜スープと干し肉を齧りながらガーディルメンバーとギルバートさんを交えて昼食をとっていた。


「--でだ!俺達が着いた時には死体の山だった訳よ!」

「ちょっと、今は食事中なのよっ!言葉を選びなさいよ、ハゲガッソ!!」

「おいっ!俺はまだハゲてねぇぞ、乳無しフレーナっ!」


「....あんた?今、何て言ったのっ?いっぺん死んでこぉーいっ!!」

「フギヤヤヤァァァァーーー!」


うん、仲良き事はよきかな......


『セイジロウ、おかわりじゃ。たまには、野菜を摂らねばな。ヌシ様も言っておられたしの』

「あー、はいはい。夕食は肉が食べたいから何か狩ってきてな?」


『そうじゃな、昨夜はあまり狩れなかったからの。ちと、足をのばすかの』

「それは良いけど、面倒はもう良いからな.....まぁ、見つけたらしょうがないけど....」


 野菜スープのおかわりをマダラにあげながら、一応の希望をマダラに伝えておく。

すると、ガーディルのレグリットさんとギルバートさんが話かけてきた。


「セイジロウ、午後は持ち帰った戦利品の分配を話し合いたいから付き合ってもらいたいのだが?」

「そうですね、今日はセイジロウさんは休んでもらっていいですよ。まだ、昨日の検証の話し合いが残ってますから問題はないでしょう」


「なら、そうします。もしギルバートさんの方で用事があれば呼んでください。.....レグリットさん、マダラに狩りを行かせる前に戦利品は出しますから食後に場所を教えてください」

「ああ、わかった。俺とセリーナは残って他の3人、ガッソとフレーナ、レガスはマダラと一緒に周囲の警戒兼狩りに同行させよう」


 夕方までの動向が決まりそれぞれが食後に動き出した。マダラには、レグリットが指示した場所に戦利品を出してもらい、俺とセリーナさん、レグリットさんが検分と分配に立ち会った。




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