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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
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シーバル遺跡調査・2

NO56

シーバル遺跡調査・2





 翌日からシーバル遺跡の調査が本格的に始まった。護衛依頼を受けたカーディルとそれ以外の冒険者達は遺跡周辺の警戒、マダラもそれに加わった。もちろん、指示はだしてある。


 俺とギルバートさんは、当時の話をしながらシーバル遺跡を見て歩いていた。

「--それで、倒したゴブリン達に火をつけようとしたときに、広間の床が落盤して気づいたら地下にいたんですよ」

「なるほど....」


 ギルバートさんは遺跡のある中心の広間を見ていた。今は、落盤した周囲にロープが張られていた。研究者達が梯子や資材を降ろすための地下に続くロープが何本も垂れ下がってる。


「まぁ、それから前にも話した通り、地下を道なりに歩いて辿り着いたのが、マダラを召喚した魔法陣がある地下空間ですね」

「.....この遺跡は密教の名残、もしくは、それに属するような場所なのでしょうかね?」


「どうですかね....私には分かりませんよ。まだ、アーガニウム国に来て半年ですから。歴史も知りませんし、古学にも疎いですし.....」

「後々に調べてましょうか....で、セイジロウさんが脱出した出口があちらですか」


 俺が地下に落とされ地下空間から脱出した出口にギルバートさんを案内した。


「コレですね、この岩の影に隠れているから周囲からは余程の事では見つからなかったんでしょう。脱出当時は、蓋も開けるのに苦労しましたよ...土やら落ち葉が重なっていましたし」


 今では、それなりに綺麗にされていて抜け穴だと分かるようになっている。


「脱出後は、一度遺跡に戻ってからシグリウスのメンバーと合流したのでしたね?」

「はい、その通りですよ」


 ここまでは、冒険者ギルドに話した報告だ。あの上層部での話し合いの内容は、冒険者ギルドのギルドマスターのダンに裁量を預けている。


「分かりました。色々と説明してくれてありがとうございます。一度遺跡に戻ったらゆっくりしてください」


 遺跡にギルバートさんと一緒に戻ると、昼も少し過ぎた辺りになっていて、炊き出しがされていた。俺は、その炊き出しの野菜と肉が入ったスープに串焼き肉とパンをもらい昼飯を食べた。


 マダラは見渡したけど姿が見えなく、気にするほどでも無かったので、暇な時間を使い少しだけ魔法の特訓をした。


▽△▽▽△▽△▽△▽▽△▽△▽△▽△▽


 夕方になりマダラと周囲を警戒していた冒険者達が夜営地に現れた。

「セイジロウっ!マダラは凄いぞっ!」

 帰ってくるなりカーディルのリーダーのレグリットが走り寄ってきて開口一番に言ってきた。


「ちょ、ちょっとレグリットさん....落ち着きましょうよ。マダラがどうしたんですか?」

「ああっ!すまないっ!....ふぅ、マダラは相当な戦力になるぞ、戦闘力もそうだが、運搬に関しても凄い能力だ!話は聞いていたが、自分の目で見てようやく理解したぞっ!」


 どうやら、マダラと行動を共にして戦力と保管能力を見たのだろう。まぁ、それぐらいはしょうがないだろうな...


「そうですか、マダラが役に立って良かったですよ。これからも、マダラと仲良くしてやってください」

「ああ、もちろんだ!今日は、ラビットと鹿が捕れたからな。夕食は豪華になるぞ!

それと、魔物の素材に関してはあとで分配を話そう!」


 と、忙しく先に行ったパーティーメンバーの元へと戻っていった。


『マダラ、どうだった?』

『なんだ、セイジロウ。今日もなかなかに充実した1日だったぞ』

『そうか、カーディルの冒険者達の様子は?』


『ふむ、最初はワレに戸惑っていたな....だが、ワレが魔物に気付きすぐに狩るとワレに驚いていたぞ。それからは、すぐに対応したのぅ。あとは魔物や動物を狩り素材などを保管したらまた驚いていたな』


『ハハ、まぁやり過ぎなきゃいいよ。こっちも特にコレと言った事はなかったし』

『ふむ、しばらくは退屈しない日々が続きそうじゃな...セイジロウの影には犬狼を忍ばせてあるから急場はそれで凌ぐのだ』


『そうなの?犬狼って緊急討伐の時のアレ?』

『そうじゃ、ワレがいないときは犬狼がセイジロウを守る。犬狼とワレは繋がっているから異変があればすぐにワレに伝わり、ワレがセイジロウの元に駆けつけられるようにしてある』


『へぇ、マダラにしては気が利くじゃん』

『ワレはセイジロウの守護者だぞ。抜かりはないのじゃ』

『わかってるよ、助かるよ....さて、どうやら夕食ができたみたいだから食べにいこう』


 マダラとの思念をしてる間に夕食が整い、一緒に食べた。マダラと調査をした冒険者達がマダラに焼いた肉や野菜、スープを持ってきてくれて賑やかな夕食になった。


 錬金術ギルドの研究者達もその輪に混じりながら、マダラに触ったりして興奮しながら喋ったりする姿を見て楽しんだ。


 マダラが、触りすぎで嫌気がさし「ガウッ!」っと、一声あげたが効果はなかった。研究者は何やら羊皮紙に似た紙を取り出し、スケッチやメモなどを一生懸命に書き綴っているし、女性冒険者はマダラに抱きついたりしていた。


 そのふうに調査の1日目は過ぎた。

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