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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
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セイジロウの買い物

No27

セイジロウの買い物





久しぶりにフローラさんと話す機会ができ、こうして休日を過ごす事となった。


「氷雪季に入ってからずいぶんと忙しそうだったわね。」

「はい、フローラさんの方はどうでしたか?たまに、フレンチトーストを食べに来ただけで話しもろくに出来なかったので...」


「氷雪季は、依頼の仕事が少なく逆に書類整理が増えるのよ。今年は、去年と比べてどうだったのかとか、死傷率とか、依頼の達成率なんかを調べてギルド本部に出すのよ。」

「はぁ~、かなり面倒ですね。すべて手作業で行うんですよね?」

「そうよ、なるべくその都度分かりやすくまとめて置くけど、そのまとめをさらにまとめるのよ。まぁ、慣れたら楽になるわよ。」


社畜時代を思い出すなぁー。来る日も来る日も書類仕事。終わったと思ったら次から次へと、さらに、上司からも仕事を押し付けられて.....


「その書類仕事も目処がたったんですよね?」

「えぇ、そうよ。だから、こうして久しぶりに羽を伸ばそうと誘いに乗ったのよ。」

「ありがとうございます。私の方も軌道に乗り始めたので少し骨休みをしようと....それに読み書き計算に魔法も割と上達したんですよ。あとは、花風季になったら討伐依頼も受けようと思ってます。」


そうなのだ!ついに、冒険の為の資金と特訓していた魔法が身につき討伐依頼に手を出すことにした。


引っ越しでは、ほぼ貯金を使って住居に力を入れてしまったばかりに、いまだに俺の装備は薬草を刈るのに使った小さなナイフとローブだけだ。


今日は自分の装備を買うために助言をもらうという、建前のデートを誘ったのだ。買い物をしたら、フローラさんの買い物に付き合うんだけどな....


「では、武器から選びに行きたいんですけど....」

「そうね、ならラッツの武器屋に行きましょう。あそこは初心者から中堅までの武器を揃えてるわ。手入れもしっかりしてるし、ギルドでも評判よ。」


と、案内されたラッツの武器屋。


「ラッツさん、お客さんを連れてきたわよ。」

「おぉ!フローラさんかいっ!久しぶりだなっ!元気にしてたかっ?」

「えぇ、してたわよ。そちらも元気そうで良かったわ。」

「ナハハハっ!当たり前だっ!.....で、客はそいつかい?」


と、ラッツは、俺を見る。筋肉モリモリじゃないが、それなりにガタイはいい。上着を着ていても体に纏ってる筋肉は分かる。男らしいホリの深い顔をした40代半ばくらいの男だ。


「そうよ、水風季の半ばの終わりにハルジオンに来た旅人よ。今は、冒険者ギルドFランクのセイジロウさんよ。」

「はじめまして、セイジロウです。よろしくお願いします。」

「また.....とりあえず、言葉使いを直せ。敬語は舐められるぞ。それと、胸を張って堂々としな。自分に自信無いヤツはすぐに死んじまうぞ?外の世界を舐めるなよ。」


ラッツはそういって、俺を叱責した。確かに、この世界は雑に言えば弱肉強食だ。有名なセリフを思い出しながらラッツの言われた通りにする。


「...改めて、セイジロウだ。よろしく頼む....」

慣れないがなれるしかない。俺は、これから武器を手にして魔物と戦うんだ。その為にも度胸は必要だ。

「ハンッ!まだまだなっちゃいないが、誰もが最初はある。しっかりしろよ、冒険者。....ラッツだ。よろしくな!」


と、互いに握手を交わして笑う。なんか、いいなこういうの....


「......挨拶はすんだかしら?」

と、少しだけ俺たちに忘れられたフローラさんが冷たい言葉を吐きながら話を先に進めた。


俺は、ラッツに自分の戦闘スタイルを話をそれにあった武器を選んでもらった。

「魔法重視ね.....なら、短剣と杖になるんじゃないか?魔石の魔力を使いながらの戦闘をする遠距離後衛型だろうな。」

「でも、まだパーティーを組んでないからソロで動くことになる。だから、魔法だけに頼るものじゃない方が俺は良いんだよ。」


「なら、剣と言いたいが剣術なんて習ってないだろ?....暗器でも使うか?投擲で最初は戦うか?」

「投擲かぁ...バレット系の魔法が使えるから不要だと思うけど....でも、近接用で短剣はあった方がいいからそれは買うよ。」


結局、短剣だけを買ってラッツの店を出た。まだ戦闘経験が少なく、あって困らない短剣だけを買っただけだ。


「しばらくはゴブリンやフォレストウルフ、ワームやバットとかのランクが低い魔物しか依頼にないから少しずつ経験を積んだら良いわよ。最初から何でもかんでもはできないわよ。」

「そうですね、地道に行きますよ....いや、やるよ。」

「ふふ、貴方にその口調はまだレベルが高いかしらね。」


「いや、大丈夫だ。....はぁ....少しずつで良いですか?やっぱり、使い慣れた言葉が楽なんですよね....」

「まぁ、良いんじゃない?その内に使い分けが出来れば、これも練習ね。」


と、歩きながら防具屋に着いた。

「ここもラッツの店と同じで初心者から中堅まで利用する店よ......テイラー、お客を連れてきたわよ!」

と、扉を開けて中に入る。


「らっしゃいっ!...フローラさんか、珍しいな。.....そっちは?」

「セイジロウさんよ、冒険者ギルドFランクね。わたしが重宝してる人だから、助けて上げて。」

「フローラさんの事は、無下にしないが....おう、テイラーだ!よろしくな!」

「セイジロウだ!よろしく頼む!」


で、防具を選び始めた。まずは耐衝耐刃用の上着とズボンにブーツ。の3点セットだ。初心者としては割高だが、ソロなら防具は良いのをした方が生還率が上がると言われて買った。


次に向かったのが俺が個人的に魔石を買っている雑貨屋だ。この店は雑貨屋だが、魔法師にとって役立つ物を売ってる店だ。


救急セットにポーチにバック、リュックに属性魔石など。携帯食料も売ってる。しかも、すでに常連となっていてサービスも良い。

「こんにちは、サリーナさん。買い物に来ましたよ!」

「あら、セイジロウさん。いらっしゃい...今日は女性連れですか....」

「はい、冒険者ギルドのフロア長のフローラさんです。」

「フローラです。よろしく。」

「サリーナです。よろしくお願いします。」

簡単な挨拶を済ませて、一般的な道具を買っていく。麻痺や毒を解毒する回復薬、救急セット、肩掛け鞄など。


そして、買った荷物は一度自宅へ運び、昼食を食べてからフローラさんの買い物へとシフトした。

評価、ブクマありがとうございました。これからも、よろしくお願いします。

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