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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
225/226

新たなる展開に向けて

No225

新たなる展開に向けて



 それから、数日後。

 リリアーナとフローラは女子会後からまたさらに仲良くなり今では互いに手を繋いで買い物を一緒に寝たりしていた。

 (フローラはセイジロウと同じ部屋に泊まってるがリリアーナの部屋で寝たりしていた)


 セイジロウとマダラは冒険者ギルドに行ったり、ルインマスの友人に会いに行ったりとそれなりに忙しく動いていた。そして、ようやくアンリエッタからの返事が宿に届き今は全員でアンリエッタ邸の裏庭へとやって来ていた。


「お返事が遅れて申し訳ありません」

「いえ、お願いをしてるのは私ですから。アンリエッタさんが謝罪することは何もありません」

 俺とフローラさん、アンリエッタさんはテーブル席に座り話を始めた。リリアーナはマダラと一緒に裏庭の一角で一緒に鳴って日向ぼっこをしている。


「それでは、セイジロウさんから頼まれていたお願いの返答ですが。エルフィンの里の場所を教えようと思います。もちろん、先日の約束をきちんと守っていただくのが条件ですが」

 アンリエッタさんは真剣な表情で俺の顔を見てそう言ってきた。


「もちろんです。わたしから危害を加える事はありません。アンリエッタさんとの約束は必ず守ります」

 俺の真剣な口調でアンリエッタさんに答えた。


「セイジロウさんの事は信じてますから、大丈夫だと思ってますよ。それでは、こちらがエルフィンの里までの地図ですね。これはセイジロウさん達だけに渡しますので決して他の方には渡さないようにお願いします。それと、こちらはわたしからの紹介状です。里の長に渡せば話が通るように書いてありますから」

 アンリエッタさんから里までの地図と紹介状を受け取り鞄に丁寧にしまった。


「ありがとうございます。この礼はあとで丁重にさせてもらいます」

「えぇ、楽しみにしてますね。あと、サッちゃんにもあとで顔を出して上げて下さい。せっかくルインマスに来てくれたんですから。会いたがっていましたよ?」


「そうですね、分かりました。あとで顔を出してみます」

 と、そこからはちょっとした雑談をしてから俺たちはアンリエッタ邸をあとにした。


 俺とフローラさん、マダラとリリアーナは冒険者ギルドを目指した。


 通りを歩きながらフローラさんと話をする。

「とりあえず、目的の物は手に入ったから近いうちに出発するの?」

「そうですね....他に用意するものは無さそうですし、しいて言うなら、食材関係ぐらいですかね」


 俺はフローラさんと腕を組ながら歩く。歩きながら露店や軒先の店を見るがほぼ準備するものは買い揃っている事を伝えた。


「えっ? まだ食材を買うの? すでに結構買ってる気がするんだけど....」

「まぁ、そうなんですけどね。私の想像が正しければまだまだ必要になるかと。それにアンリエッタさんから渡されたエルフィンの里なんですが、ルインマスから結構遠いんですよ。さらに、エルフィンの里はあまり交易をしていないみたいで食材が手に入りにくいので」


「そうなんだ。まぁ....そうよね。わたしもエルフィン種の人を見たのは久しぶりだし。それにエルフィンの里なんて今の今まであるなんて信じてなかったし....」


「わたしも実際にエルフィン種の方との知り合い、いえ友人はアンリエッタさんとルインマスのギルドマスターのサーシャさんぐらいしかいませんからね」


「それで、そのギルドマスターに今から会いに行くのよね?」

「えぇ、一応お世話になった方ですからね。挨拶ぐらいはしとかないと」


 そんな会話をしながらしばらく歩くとルインマスの冒険者ギルドへと着いた。

 ちなみに、マダラとリリアーナがいつもより大人しいと思っていたら二人はいつの間にかうしろにいなく、辺りを見回すと遠くに露店で買い食いをしてる二人を見つけた。


 特に問題があるわけでもなく、小さな溜め息を吐くと隣にいるフローラさんは苦笑いを浮かべながら「二人は大丈夫だから、先にいきましょう」と、言ったので俺とフローラさんは冒険者ギルド内へと入った。



##


 ルインマスの冒険者ギルドへと入り見知った顔の受付嬢の列に並んだ。少しならぶと順番が来たので受付嬢にあいさつすると、

「セイジロウさんっ! お久しぶりですね!」

 と、元気な笑顔で挨拶をしてくれたシンディさん。


 積もる話もあるが先にギルドマスターとの面会を頼んだ。シンディさんはすぐにギルドマスターとの面会を取り付けてくれてギルドマスターの執務室へと案内してくれ。


 そして、ギルドマスターの執務室で簡単な挨拶を済ませた俺とフローラ、サーシャさんとシンディさんはテーブルを挟んで対面同士で座って本題の話をしている。


「--で、久しぶりに顔を出したと思ったらすぐに旅に出るって.....あんた何しにきたのよ?」

 ギルドマスターのサーシャさんは少し呆れた感じで言ってきた。


「まぁまぁ、久しぶりに顔を出してくれたんですからっ。ねぇ、セイジロウ。それにしても....婚約者を連れて旅に出るなんて....」

 フローラを見ながらシンディさんは言ってきた。


「先日はお伝え出来なくてすみません。何分、プライベートな事でしたので....今後ともよろしくお願いします」

 と、フローラさんはシンディさんとサーシャさんに向けて頭を下げて挨拶をした。


「私からもよろしくお願いします」

 俺も頭を下げて挨拶した。一応、俺の計画がうまくいけばエルフィンの里とルインマスの街、ハルシオンの街は新たなる発展を遂げるはず。その為には頭の一つや二つぐらいなんて事ない。


「話を進めましょう。それで、今後の展開をセイジロウから聞かせて欲しいのよね?」

 サーシャさんは真剣な眼差しで俺の顔を見てきた。


「はい。それでは簡単にですがお話しします。まずは--」

 小一時間ほどギルドマスターの執務室で俺が考えてる今後の展開を話して冒険者ギルドをあとにした。



##

 セイジロウたちが居なくなったギルドマスターの執務室ではサーシャとシンディが話をしていた。


「それで、どうするんですかマスター?」


「どうするも何も待っていればいいのよ? ただし、こっちはすぐに動ける準備をしてね。きっとセイジロウが旅から帰ってきたら忙しくなるから」


「はぁ...ですよね。それに、今年の火水季は色々と忙しいですからね。海水浴に火水祭、さらにマーマン種と合同の海上祭もあります」


「街が賑わうのは良いことじゃない。ただ、それと同時にバカな連中も増えて来るのが嫌だけど....」


「そうですね...セイジロウさん、少しは加減してくれますかね?」


「......して....くれるといいわね....」


 サーシャとシンディは互いに顔を見合わせると同時に溜め息をついて各々仕事を始めた。



 それから二日後、セイジロウたちはエルフィンの里へ向かってルインマスの街から旅立った。


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