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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
219/226

新たなる旅立ち

No219

新たなる旅出ちへ




 俺がエリックさんに今後の話をしてから数日後、冒険者ギルドの一室で俺とフローラさん、総合職のアンナさんが話をしていた。


「セイジロウさん、フローラから話を聞いたけど詳細を教えてくれるかしら? どうせセイジロウさんの事だからまた何処かでやらかすんでしょうが、フローラも必要となると冒険者ギルドが関わる案件よね?」

 と、綺麗な顔をしたアンナさんが真剣な顔で俺に聞いてきた。

 年齢的にフローラさんより年上で容姿もかなり美人だ。なのに、浮いた話もないし未だに結婚もしていない。


「なに? 何を考えてるか知らないけど、口は災いの元だって言われるから言葉を選んでね」

 と、アンナさんの顔を見て心の中で思っている事を読まれたのかそう言ってきた。


「....はは、私は何時でも言葉を選んでますよ....さっ、理由でしたね。まだ素案の段階ですから詳しくは話せません。とういうより、展開がどうなるか私にも予測がつきにくいというのが正直なとこですかね」

 実際、上手くいくのか分からない。ただ、やってみないと分からない。多少の勝算的なものはあるが展開次第では最悪な事も起こりえる。


「....下手な事をされるとギルドでも手を打たなきゃならなくなるんだけど?.....とりあえず、概要で話せる事だけていいから話してくれるかしら?」

 その後、ギルドの一室でこれからの事を話せる範囲でアンナさんに話をした。



▽△


 冒険者ギルドでアンナさんに話をする数日前、俺はリリアーナとマダラに話をしていた。

「--てな感じで準備が整い話が済んだら出発しようと思ってる。何か意見はある?」

「わたしはない。セイジロウとの旅が楽しみ」

『ワレも別にないぞ。しかし、ようやくじゃな。ずいぶんと暇じゃったぞ』

 リリアーナは手元にある焼き菓子を食べながら言った。

 マダラは床に寝転がり俺とリリアーナに思念を飛ばして答えた。


 俺とリリアーナ、マダラは冒険者ギルドの食事処の端のテーブル席で今後について話をしていた。

「なら、早速準備を始めよう。俺は関係各所に街を離れる挨拶をしてくると同時に帰ってきた時の為にエリックさんのところで話をしてくる。リリアーナとマダラは旅に必要な道具に食料を買い込んでくれ。食料は数日に分けてそれなりに買い込んでくれればいいよ。ついでに、甘味の材料も頼むよ」

 リリアーナに金の入った小袋と買い込んでもらいたい材料を記した紙を渡した。


「金は少し多めに入ってるからリリアーナが必要だと思ったものがあれば買ってくれて構わないから。もし、それで足らない....事はないと思いたいけど足らなくなれば言ってくれ」

「大丈夫。無駄遣いしないから、任せて」

 まだ、見た目が少女だが大役を任されて嬉しいのか真剣な顔をしつつもどこか嬉そうな顔をしていた。


 うん。娘に買い物を任せる父親の心境を感じるな。


『リリよ、食料の選択はワレに任せよっ!ワレの目にかかれば旨い料理を探すなど造作もないぞ!』

「マダラの意見は聞くけど、買うかどうかはわたしが決めるの。マダラはいつも無駄遣いすら買い物は任せられない」


『なっ! ワレはそんな無駄遣いをしておるわけじゃないぞっ! ちゃんとやるべき事をやって飯を食べてるだけではないかっ! それに、だいたい最近のワレの扱いが酷いとは思わんのかっ! 日中はほったらかしで必要な時だけワレを呼び出しコキ使い、飯は少ししか与えない! それでワレが満足してると思っておるのかっ!』

 と、いきなりマダラが床から顔を上げて抗議してきた。


「マダラは訓練以外は寝てばかり。食べて寝て太らないのはズルイのっ! だから、ご飯減らすの」

 リリアーナがなぜそんな話になっているのか俺にはよく分からないが話がズレ始めたので元に戻す。


「はいはい。互いに主張があるのは分かったからとくかく頼んだぞ。数日に中には多分ルインマスに向けて出発するからよろしくな--」


 と、数日前にこんなやりとりをしていた。


▽△


 俺は冒険者ギルドの一室でアンナさんにフローラさんの説明をした後は、商業ギルドと錬金術ギルドに顔を出して関係者にそれぞれ話をした。

 


 これで粗方の街を出る準備が整った。そして、俺の目指す夢にまた一歩を踏み出す。

 

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