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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
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二人の仲

こんばんは、紫煙です。少しずつ日常が豊かになってきました。あと少ししたらもう少し変化しますので.....

No21

二人の仲





貸家の引っ越し準備が整ったと、"森の恵み亭"にセブル不動産のセルムから連絡があり、今日から新住居からの新しい生活が始まる。


プリンの販売とギルドの食事処の仕事は休みにしてもらった。


昼間にセブル不動産屋へ行き、貸家の部屋の鍵を受け取り家の中を確認する。

「へぇ、なかなかだな。ラム爺は見かけによらず良い仕事をしたな。」


部屋の中はラム爺の家具屋で頼んだ家具が、適所に配置されていた。


ポスポスっ。


「うん、ベッドはちょうど良い固さだな...ようやく安眠できそうだ。....よし、持ってきた荷物を整理したら買い出しにいくか。」


生活に必要な雑貨を街中で買った。あとは、写本に必要な羊皮紙にインク、羽ペン。あっちこっちでブラブラしながら、茶葉を売ってる店を発見して、茶器のセットを一式。


本屋にも立ち寄ったが、この本屋には目当てなものは売ってなかった。


自宅に帰って買ってきた物を整理してると、

コンコンコンっ!


「んっ?...誰だ?...はいっ!今、開けますよっ......フローラさん?」

「こんにちはって言っても、もうすぐ夕方ね。引っ越しは終わったの?」

「えぇ、さっき雑貨を買ってきて今は整理してるとこですよ。」

「そう、はいコレ。祝いじゃないけど手ぶらだと何だったから...」


フローラさんから、渡されたのは品の良い木彫りのコップと蒸留酒が入った小樽と紅茶器一式だった。


「ありがとうございます。大事に使わせてもらいます。」


「そのお酒はラム爺からのオススメよ。それと、茶器は.....あなたも買っていたのね....」

フローラさんの視界の先にさっき俺が買ってきた茶器の一式があった。


「そうですが、私が買ったのとは違いますからね、こっちはお客さま用で使わせてもらいますよ。」

「そう....なら、私が淹れてあげるわ。」

と、簡易な水場で準備を始めた。


「なら、あと少しで整理が終わりますから私はそっちをしてますね。」


と、なんか同棲生活を始めたカップルみたいだなと想像だけした。想像だけしたんだ.....


「はい、準備できたわ。冷めない内に飲みなさい。」

「ありがとうございます、いただきます。.......美味しいですね。」

「そっ、そう?なら、淹れたかいがあったわね。....わりと感じ良くなってるわね。ラム爺もやればできるのね。」

「そうですね。結構気に入ってますよ。」

「本も増えてるわね.....」

と、フローラさんは小さな本棚に向かい前屈みになって本棚をみた。


俺は、フローラさんのプリっとしたお尻を拝んだ。視姦なら許されるか?


「セイジロウさん、召喚魔法に手を出すの?」

フローラさんは召喚魔法の事がかかれている本を持ちながら振り返った。


「いえ、後学の為ですよ。まだ、私には使えませんよ。」

と、素知らぬ顔でフローラさんが淹れてくれたお茶を飲んだ。


「まったく....注意はしたわけだから、あとは自己責任よ。余計な問題はおこさないでね。......少し早いけど夕食に行かないかしら!わたしも、早く仕事を切り上げてきたしね。」


「私の為ですか?」

「違うわよ、たまたま今日は少なかったのよ。さっ、まだ街中の料理店はそんなに知らないわよね?行きましょう。」


自意識過剰だっか?でも、望みが薄い訳じゃ無さそうだしな.....フローラさんと夕食デート!!


「はい、分かりました。私が奢りますから少し安いとこでお願いしますね。」

と、予めハードルを下げておく。引っ越しでスッカラカンなんだよ....


△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽▽△▽


フローラさんが案内してくれた料理店で夕食をして今は食後にお酒を飲みながら話をしている。


「やっと、ハルジオンの街で腰を落ち着けられましたよ。」

「そうね、ずいぶんと早い躍進ね。まだ、セイジロウさんが来てから2ヶ月も経ってないわよ。」

「まぁ、そうですね。1ヶ月半ぐらいですかね。なかなかに充実した日々でしたよ。」


「そうよね、最初は怪しい人だと思ったけどね。今ではこうして夕食を食べるまでになってるわね。」

「えぇ、フローラさんには感謝してます。いつも頼ってしまって、申し訳ないですよ。」

「それは、平気よ。互いの利害が一致しての事だから。ただ、魔法に関してはのめり込み過ぎよね....はぁ....」


「ハハハ、そこはしょうがないのですよ。私が居た国では魔法が発展してなかったんですから....なるべく、自重はします。」

「ほんとよ、もぅ.....」

フローラさんは、コップに入ったワインを飲み干すと、もう一杯注文した。ついでに俺もワインを注文した。


「そうだ、フローラさん。お店を開くにはどうすれば良いんですか?」

俺は、今後の展望もありフローラさんに質問した。


「なによ、唐突に?お店を開くの?」

「いえ、今すぐではなくて....最近は冒険者の方が良くギルドの食事処を利用してくれて前より繁盛してきたんで、これ以上あそこで販売すると、混雑しそうで....専門のお店を開こうかなって思いまして...」


「個人経営なら商業ギルドに登録して、お店の登録と販売許可証が必要になるわ。それなりに費用は必要よ。」

「そうですか、商業ギルドですね。暇な時に行って話を聞いてきますね。」


「ちなみに、どんなお店にするの?」

「今は、難しく考えてませんね。まぁ、プリンは販売しますよ。あとはお酒とお茶に新作メニューをいくつかですかね。」

「その新作はフレンチトーストなの?」


「興味がありそうですね、フローラさん。また、食べたいですか?」

「まぁ、あれは美味しかったからまた食べたいわね。」

「なら、限定販売でもしましょうかね?作り手がいないので、1日数名から10人ぐらいですか......職員限定にしますか?」

「そこまで、贔屓にしなくてよくないかしら?」


「まだ、正式メニューじゃないですし、ギルド職員にはプリン販売を手伝ってもらってますし、それぐらいのご褒美があってもいいんじゃないですか?」

「あなたがいいなら、そうしても良いと思うわよ。私も、食べに行きたいし....」

「えぇ、お待ちしてますよフローラさん。」

「何、ニヤニヤしてるのよ!女性の顔をマジマジ見るのは失礼よ!」


「まぁ、いいじゃないですか?私とフローラさんの仲じゃないですか?」

「どんな仲よ!変なこと言わないのっ!」


と、少し夜遅くまで二人で飲んだ後は普通に帰った。


女性を酔わせて襲ったりしませんよ......


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