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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
177/226

帰ってきたハルジオンの街

No177

帰ってきたハルジオンの街




 マダラに跨がり数日ほど丘や草原、森の中を駆けてハルジオンの街の近くまでたどり着いた。

「この辺で降りてハルジオンの街に向かおう」

『わかった、ワレはセイジロウの影に入れば良いのか?』

「いや、外に出てていいよ。ルインマスの街の感じと同じで行こう。あの頃はまだ街になれてなかったし少し自分を押さえ過ぎていたから。今は、それなりに有名になったし実力もつけた。遠慮する必要はないだろう」


『そうか、セイジロウがそう言うならそうしよう』

「リリアーナ、これからハルジオンの街に着くけどなるべく自分の種族は隠すんだよ。俺の友人達は平気だけど、それ以外の人種はある程度他種族に何らかの感情を持ってる場合があるからね。リリアーナが自分から教えても大丈夫だと思った人には教えても平気だから」


「わかった、セイジロウの言う通りにする。セイジロウが教えても大丈夫だと思った人にしか教えない」

「うん、それでいこうか。あとは、身の危険を感じたらすぐに空を飛んで逃げるんだよ」


『セイジロウよ、そこまで心配する事はないじゃろ。ワレの犬狼をすでにリリの影の中に潜ませておるからのぅ。逃げる時間ぐらいは簡単に稼げるじゃろう』

「そうなんだ、さすがはマダラだな。ありがとう。んじゃ、俺たちは久しぶりでリリアーナは初めての街だ。行こうかっ!」


 俺たちは街道をしばらく歩いて進むと、ハルジオンの街門が見えてきた。街門の列に並ぶがそんなに時間はかからずにし順番が回ってきた。

「やはり、セイジロウかっ!」

 久しぶりだと言うのに名前を覚えていてくれたのは嬉しい。

「サリムさんっ! 久しぶりですね!」

「おぅ! セイジロウ、久しぶだな! ハルジオンに帰ってきたのか!?」


「えぇ、氷雪季の間はハルジオンに居ようと思ってますよ。しばらくよろしくお願いしますね」

「なんだよっ、ずいぶんと他人行儀じゃねぇか! マダラだっけか? 久しぶりだなっ! 相変わらずデケェし、威圧感があるなぁ! それと、そっちの嬢ちゃんは初めてだな? いつの間に作ったんだ? 隠し子か?」


「そんなわけないでしょうっ。新しい仲間ですよ!」

「リリアーナ、よろしく」

「おぅ、よろしくな嬢ちゃん! おれは、サリムってんだ。ハルジオンの街門を守る兵だな! んじゃ、仕事だから身分証を提示してくれ。マダラに関しては従魔の印があるから大丈夫だ!」


 俺とリリアーナはギルドカードを提示した。

「おいおい、セイジロウはBランク冒険者かよ! んで、嬢ちゃんはDランクかよ! まったく、少し見ない内になんてこったぁ! とりあえず、色々と積もる話を聞きたいがそりゃまた後でだな! よろこそ、ハルジオンの街にっ! 歓迎するぜっ!」

 と、サリムさんの歓待を受けて街の中へと入っていく。


「まずは、冒険者ギルドに行ってから今夜の宿を取ろうか。それから、食事をしながら今後の方針を決めていこう。リリアーナはそれでいいかい?」

「うん、セイジロウに任せる。でも、ハルジオンの街中を見て回りたい!」


「わかった、じゃあリリアーナの予定を組み込んだら話し合いをしよう。まずは、冒険者ギルドからだな」

 俺とリリアーナ、マダラはハルジオンのメイン通りを歩いて冒険者ギルドに向かった。

 通りにはそれなりの人が溢れていて多少の注目を浴びるが気にせず歩き冒険者ギルドに着いた。


 俺はマダラを影の中にしまいリリアーナと一緒にギルドの中へと入った。ギルド内にはそれなりの冒険者達で溢れていた。冒険者達の人並みを掻き分けて受付カウンターへと並びしばらくして順番がやってきた。


「お久しぶりです、アリーナさん」

「あーっ! セイジロウさんっ! お久しぶりです! ハルジオンに帰ってきたんですか!?」


 声がデカいっ! 回りの人が見てるでしょっ! 


「はは、元気そうで何よりですね。はい、氷雪季の間はハルジオンに居ようと帰ってきましたよ。一応、今日はその報告と新しい仲間の紹介ですね」

「リリアーナ、よろしく」

 リリアーナは端的に挨拶をして、俺の後ろに半分隠れた。


「えっ? 子供? セイジロウさんっ、子供がいたんですか!? それとも、妹?!」


 だから、声がデカいっ! 無駄に注目を浴びちゃうでしょ!


「どちらも違いますよ。それと、アリーナさん。少し落ち着きましょう。回りが驚いてますから」

「えっ? あっ、はい。失礼しました......それでセイジロウさん、そちらの方は?」

 アリーナさんは、謝罪して頭を下げてから改めてリリアーナの事を聞いてきた。


「さっきも言いましたが、わたしの新しい仲間です。すでに、ルインマスの冒険者ギルドでパーティー登録をしました。リリアーナ、ギルドカードを受付嬢のアリーナさんに渡して」

 リリアーナはギルドカードをアリーナさんに渡した。ついでに、俺のギルドカードもアリーナさんに渡した。


「...........確かに。確認しました。こちらはお返しします。すでにDランクなんて......ルインマスで何があったのかは分かりませんが、とりあえず無事にセイジロウさんの姿が見れて嬉しく思います」


「えぇ、私もアリーナさんの元気な姿が見れて嬉しいですよ。今日は挨拶だけですのでこれで失礼します。あと、フローラさんにも私が帰ってきた事を伝えてもらえますか? 後日、時間をとって会いたい事も」

 と、アリーナさんとの挨拶とフローラさんへの言伝をした。


 それから、ギルドの食事処に向かった。

「ビルドさん、お久しぶりです」

「おぅおぅ、セイジロウじゃねぇか! 久しぶりだな! ハルジオンに帰ってきたのか?」

「はい。氷雪季はハルジオンで過ごすつもりです。積もる話もあるでしょうから、また後日に時間をつくって会いにきますね。それと、私の新しい仲間でリリアーナです」


「リリアーナ、よろしく」

「初めてのハルジオンですから、仲良くしてやってください」

「おぅ! おれは、ビルドだ! ここで飯を作ってるから腹が減ったらここに来なっ! 料金は、セイジロウにツケときゃ良いからよっ!」

 と、ビルドさんは陽気にリリアーナに挨拶をしてくれた。


 それから俺とリリアーナは、今夜泊まる宿を予約してから久しぶりのハルジオンの街を散策した。

 マダラも影の中から出して街中を散策すると、俺たちの事を覚えていたのか手を振ってくれる冒険者や住民、露店主なんかと世間話や雑談をしつつ陽が暮れるまで見て回った。


 夕食を宿でとりつつ、明日からの予定を話して今日は早めの就寝となった。


 明日はハルジオンでの友人達のとこに挨拶をしに回って出来れば夕食はフローラさんと食べたいな......

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