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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
164/226

マダラとキャンプ・6

No164

マダラとキャンプ・6



 翌日の午前は黒衣と鎖靭の同時訓練に汗を流し昼食を食べてから新しい訓練に入った。ちなみにマダラは森の中で適当に狩りをしている。

「よし、ある程度慣れてきたから今度はオリジナルの魔法を試して見るか」

 俺は今まで頭の中で考えていた透縛鎖靭の新しい使い方を試してみた。


 透縛鎖靭を螺旋状の筒のように伸ばし一本の筒状にした。腕から伸びる銃身のように。


「よし、んじゃ発射だ!」


 ドンッ! バキバキバキバキドゴーンっ!


 俺は試射した惨状を見て呆けた。あまりにも予想外で一瞬なにが起こったのか理解出来なかった。ただ、やり過ぎた事だけかわかった。


「.......あれ? なんでそうなるの? 森が....」

 いつも透縛鎖靭で打ち込んでいた木は根っこだけを残して粉々になっていた。さらに、その奥へと木々が薙ぎ倒され酷い惨状になっている。


「マジか....ちょっと試しただけのつもりが.....」

 自分の思ってる以上の威力が出たことに驚きを隠せなかった。少し間、ぼんやりと破壊してしまった森を見てるとマダラが勢いよく森から出てきた。


『セイジロウっ! 今のはなんじゃ! なにが起きたのじゃ!』

 と、焦った様子ですぐに思念が飛んできた。


「マダラか....いや、特に危険があったわけじゃないんだ。ちょっと訓練で手違いがあって....」

 俺はマダラに状況を説明して危険が無い事を伝えた。


『なんじゃ、何をしたんじゃ? それに、この破壊された跡はどういうことじゃ?』

 マダラは俺の近くまで寄ってきて破壊された森を見ながら聞いてきた。


「いや....ちょっとな....新しい訓練? 技? を試したらこうなったんだよ。俺もここまでの威力が出るとは思ってなくて自分でもびっくりしてるんだけど....」


『新しい訓練じゃと? 何をどうしたらこうなるんじゃ? それに、自分でも制御出来ない技を使うものではないわ! ワレが気持ちよく寝ていればいきなり凄い音がして駆けつけてみれば.....大人しく訓練出来んのか?』


「いや、大人しく訓練してたよ? でも、想定外の事でさ....悪かったよ。でも、可能性は広がったのはちょっとした収穫かな」


 森を破壊してしまったのは悪かったけど、新しい技の可能性は広がった。これが上手く使えるようになれば俺の切り札になるぞ!


『反省してかと思えばニヤけおって。ワレはまた森に向かうから次は気をつけるんじゃ』

「あれ? てっきり説教が始まると思ってたんだけど?」


『なぜワレが説教をするんじゃ? 訓練の余波で森を破壊したのはセイジロウじゃろ? 別にワレは昼寝を邪魔されたぐらあで怒ったりせんし、訓練の成果は出ているのじゃろ? 今回は森を破壊したが次回からは同じ過ちを繰り返さなければそれでよいじゃろ』


「まぁ、次は森に向かって放ったりしないよ。今回は本当に想定外だったから」

『なら、平気じゃろ。陽暮れまでには戻るからそれまで訓練を積んでるんじゃぞ』

 と、そう言ってマダラはまた森の中へと入っていった。


 さて、次は空に向かってやってみるか。土魔法はヤバイから風魔法か水魔法に切り替えてやってみよう。


▽△△▽▽▽▽△


 それから、しばらく新しい技の検証をしつつ訓練を続けた。

 すると、ようやくコツを掴み威力の加減が出来るようになってきた。この技を使えばかなりの距離の標的を狙える。そうすれば、近接以外の中距離、長距離、超長距離の攻撃が可能になる。安全に遠くから攻撃出来るのはかなりの有利だ。たとえ近づかれても透縛鎖靭での迎撃が出来るから最初の頃に比べて危険度はかなり下がった。


 今回の訓練の目的は概ね達成できたと思って良いだろう。


「今回の訓練をやって良かったな。天装具の基礎も身に付いたし、新しい技の開発も出来た。あとは継続して訓練を続けていけば実力も自ずとついてくるだろうし.....さて、最後は空を飛んでる魔物っぽいヤツを撃ち落として終わりにするか」


 俺は上空を見上げると空を飛んでる魔物らしきものを発見した。翼は見えないが確かに飛んでる物体がある。それに、照準を定めて少し弱めの風魔法を撃ち込んだ。


 俺から放たれた風魔法は回転しながら空飛ぶ物体に向かっていった。すると、照準が少しズレていたのか、物体の移動速度が思った以上に速かったのかかすっただけになった。


 それでも当たりは当たりなので物体は態勢を崩しながら湖の方へと落下していった。

「よしっ! 命中率も悪くないなっ! どんな魔物が撃ち落とされたのか見にいってみるか」

 俺は湖の方へと向かっていった。


 そして、俺は本日ニ度目の想定外に遭遇し面倒事を自らの手で掴んでしまった。

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