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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
138/226

タコ焼きからのポリ焼き

No138

タコ焼きからのポリ焼き



 ギルドの討伐依頼を受けて森の中にはいり無事にグレーターウルフとファングウルフの討伐に成功した。

 そのあとは、夜営地を探しに森の中をマダラと一緒に駆け回り、適度な場所を見つけた。

 マダラは森の中に狩りをしに向かい、俺は夜営準備をしたら、犬狼達に周囲を警戒してもらい魔法の訓練を始めた。


「水槍弾っ!........う~ん、上手くいかないな.....」


 俺は近くの木に向かって水魔法の水槍弾を放つが、上手く槍の形にならない事を悩んでいた。


 アニメとかなら上手くいくんだけどなぁ。何が違うんだろ? やっぱりイメージ力が違うのかな? ルインマスに戻ったら街の武器や見て回るかな.....


 ハルジオンの街で多少は魔法の練習をしたけど、細かい形状には上手く出来ないに気づいていた。だが、今までは魔物討伐は出来ていたので、このままで良いかと胡座をかいていたが、今回の戦闘でやはり自分の魔法の拙さに嫌でも気づいた。


 本来の土魔法の土弾乱舞がただの土の塊じゃなく、槍のような形状なら一撃でファングウルフを倒せたはずだからだ。

 一撃で倒せればその分、魔物からの攻撃が無くなり命の危険度が下がる。前の世界より身近に危険があるこの世界では、一つのミスで簡単に命を失うのだから。


「土盾っ!.......やっぱり、無駄が多くて歪だな。一度しっかりと武器屋と防具屋に向かうか.....」

 案の定、この土盾も盾とはいえない形状をしていた。ただ土の板を前方に現しただけのものだった。


 そんな魔法の訓練が陽が少し暮れる前までマダラが狩りから帰ってくるまで続いた。


△▽△▽▽▽△


 マダラが狩りから帰って来てから、新しい魔導具を取り出して新しい料理を作り始めた。

「じゃーんっ! 今回はたこ焼きを作りますっ! タコっぽいなにかと、ソースっぽいタレとカモンネーズで【なんちゃってタコ焼き】!!」

『なんじゃ、そのタコ焼きとやらは? 新しい料理はそれか?』


「そうだよ。アンリエッタさんに言って作ってもらったんだ。このへこんだ丸みに、タコ焼きの液とタコっぽい具材を入れて焼くんだ。焼き上がったタコ焼きにタレとカモンネーズをつけて食べる料理だ」


 俺はマダラの中からタコ焼き専用の鉄板焼きを取りだし、ボディランゲージでマダラに説明した。 


『ふむ....よく分からんがセイジロウが進める料理じゃ。まずは食してみんとなんともいえん。さっそく作ってみるんじゃ』


「わかった。ただ、俺はタコ焼き職人ほど上手くないから少しの失敗は許してくれよ。練習していけばそれなりに上手くなっていくからさ」


 タコ焼きに必要な食材を準備して下拵えをしていく。

 このタコっぽいなにかは、漁業場を見て回ってる時に気になって買っといたものだ。前の世界とは形が似てるけど足は6本と少なかった。けど、値段は凄く安かったからつい買っちゃった。


「んじゃ、下準備も終わったから早速やってみるか!」


 タコ焼き鉄板に植物油を塗っていく。そしたら、タコ焼き液をドバババっと注ぐ。タコ焼き液がほんのりと固まってきたら、一口サイズのタコ擬きを一つずつ入れていき、前もって買っておいた錐でタコ焼きの形にクルッと....クルッと....グニャッ....クルッと....


 三十個中、グニャッてなったやつは十一個あった。まぁ、久しぶりにしちゃ上々じゃないか?

 とりあえず、失敗と成功を半々に分けてタレとカモンネーズをかけていく。


「はい、お待ちっ! なんちゃってタコ焼きの完成だ! 熱いから気を付けろよ」

 取り分けたタコ焼き擬きをマダラの前に出してやる。タレの匂いがふんわりと湯気とともに立ち上るタコ焼き擬きはとっても旨そうだ! 


『ほぅ、これがタコ焼きなのか....この丸くなってるのが成功作なんじゃな?』

「そうだよ、本来は全部そうなるんだけど久しぶりだったから、失敗が目立つけと味は問題ないと思う」


『どれ、食してみよう.....はふはふっ....ハフハフッ.....ほほぉ.....はふはふっ....ハフハフッ.....』


 マダラは、口を閉じたり開いたりと忙しいが、見た限りでは気に入ったと判断できる食べ姿だな。なら、おれも食ってみるか....


 はふはふっ....ふふ、旨いな! ハフハフッ....はふはふっ.....ハフハフッ....


うん、タコ擬きもタコでいいな。本当はこっちの名前があるからタコじゃなくて、確か...ポリージャーって名前だったから、【ポリ焼き】 に命名するか?


「マダラ、新しい料理名が決まったぞ! タコ焼き改めポリ焼きに改名する。今日から、この料理はポリ焼きだ!」


『ポリ焼きか.....まぁ、別に良いじゃろ。して、ポリ焼きはもう終わりか? ワレは全然足らんぞ?』

 マダラのポリ焼きはすでに空だった。どうやら気に入ったのは間違いないみたいだ。


「まだ、ポリ焼き液はあるから作るよ。それと、肉と魚もあるだろ? それも焼くよ。ポリ焼きだけじゃ足りないよな」


 マダラの影から鉄板焼きと肉と魚も出してもらい、準備していく。まずは、ポリ焼きから作っていく。


 ポリ焼きが作り終わったら、肉と魚を鉄板で焼いていき今夜の夕食が出来上がった。

 俺は新しいポリ焼きに懐かしさを覚えながら食べていき、マダラはポリ焼きを食べつつ、肉や魚を平らげていった。


 その後は、簡単に片付けを済ませてから、マダラに夜の見張りを頼んで眠りについた。


▽△△▽△▽


 翌日、目を覚まし朝食の準備を初めていく。

 朝食はいつもの干し肉と野菜の入ったスープとバゲットに葉野菜と串焼き肉を挟んだサンドパンだ。

 

 作った朝食を食べながらマダラと今日の予定を話し合った。

「マダラ、今日は街に戻る予定だけど狩りはまだするか?」

『ふむ、そうじゃの。急ぎ用がなければもう少し狩りをしたいかの。昨日のグレーターウルフはなかなかに楽しめたからの。他に楽しめる奴がおるかもしれんからな』


「お前が楽しめる魔物は、俺にとって命を失う危険が高いんだけど....お前だけで狩りを楽しむんだったら別にいいけどさ」

『まぁ、セイジロウにはまだ荷が重すぎるか....良いだろ、ワレだけで狩ってこよう』


 話はまとまり、今日の昼過ぎぐらいまではマダラの狩りの時間となった。俺は、引き続きこの場所で魔法の訓練となった。


 それから半日ほど魔法の訓練をするが、やはり思ったように魔法の形状が上手くいかなかった。

 自分なりに色々と考えたり、詠唱? 魔法名を変えてみるが成果はあまりなかった。


 マダラが狩りから帰ってくるとルインマスの街に戻った。門番との手続きや冒険者ギルドとの依頼完了の報告と報酬を受け取り、早めに宿へと戻った。


 やることは多々あるが、魔法の訓練に力を入れようとセイジロウは寝る前に思っていた。

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