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神隠しという名の異世界転移  作者: 紫煙の作家
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ダイエットを考える

No109

ダイエットを考える





 祝賀会の翌日、少し体の中に酒が残ってるがそれ以外は特に問題なく、"餌付け亭" でいつも通りに朝食をとり、メイン通りでマダラと一緒に買い食い兼買い溜めをしながらアンリエッタ邸へと向かった。


 アンリエッタ邸に着き、執事のシバスさんに昨日の祝賀会に対する準備のお礼を伝えた。メイドのメイリーンさんが用意してくれた馬車に俺とメイリーンさんが乗り込み、マダラには影の中に入ってもらう。


 倉庫に着くと、メイリーンさんに倉庫の扉を鍵で開けてもらい魔力灯を点ける。


「セイジロウ様、それから新しく取り付けた魔導具の魔核になります。魔力灯を点ける手順と同じです。魔力を流し入れ、その量によって使用時間が変わります。倉庫内の梁に【風旋具】 を取り付けました。あの魔導具から風が出て倉庫内の循環を良くしますので、換気は出来ると思います」


「ありがとうございます、メイリーンさん。これで、暑さが抑えられ倉庫整理も捗ります。多分、順調に行けば今日でここの倉庫は終わると思いますよ」


「そうですか、無茶をなさらず怪我に気をつけて下さい。では、昼食時にまた迎えにきます」

 と、メイリーンさんは馬車に戻り屋敷へ向かっていった。


「さて、今日でこの倉庫は片してしまうかっ!」

『なんじゃ、ずいぶんと張り切っておるではないか? 何かあるのか?』


「べつに何もないけど、強いて言えば生活基盤が整ったからかな。ようやく定期収入の目処が立ったから肩の荷がおりた感じ?」

『ふん、何を年寄りくさい事を言っておるんじゃ。それに、やるべき事はまだあるじゃろ』


「んっ?....他に何かあったっけか?....あっ! 水着かっ!!」

『違うはバカタレっ! ワレの運動じゃ! あのゲテモノカエルを狩ってから街の外に出ておらんじゃろ。ワレはそろそろ体を動かしたいんじゃよ』


「そうなの? この間、海辺に行ったじゃん。あれじゃダメなの?」

『あんなのはただの散歩じゃ。まぁ、あれはあれで気晴らしにはなったがのぅ。じゃが、満足は出来ん。じゃから、街の外に出るんじゃ』


 えぇー.....せっかくゆっくり出来る思ったのに.....それに、暑くなって来たからあまり動き回りたくないんだよね....たまには、宿屋でぐうたらしたいんですけど?



「ちなみにいつ行くの?」

『今日で倉庫整理が片づくのなら明日行けば良いじゃろ?』

「ええーっ! 休み無しじゃん....ちょっとだけぐうたらしたいんだけど?」


『何を言ってるんじゃ? 少し動かんと脂が付くばかりじゃぞ。この街に来てからセイジロウは脂が付いてきたからのぅ。あまりに脂が付き過ぎるとフローラに顔を合わせ難くなるぞ?』


 うそぉっ!? 俺、太ったのか.....マジかぁ...言われてみればそうだよな、"餌付け亭" では毎日旨い料理を腹一杯食べてるし、昼食はアンリエッタ邸で食べるし、夕食はまた"餌付け亭" で食べてる。


 倉庫整理とは言っても荷運びはマダラの影移動だから、実際はあまり動いてないし....ヤバイな....でも、フローラさんはぽっちゃりでも嫌いになったりしないよね?


『外見は服で誤魔化せるが、伽の時は肌を重ねるのじゃ。腹に付いた脂は誤魔化せんぞ? ん?』


「よしっ! 明日から討伐依頼を受けるぞ! 暑い火水季中に体型を元に戻すんだっ! やるぞ、マダラッ!」

『(フッ、単純な主じゃ。これで、ワレも思う存分狩りが楽しめるのじゃ)』



△▽△△△▽△△△


 昼食時にメイリーンさんが馬車で迎えに来てくれたので、アンリエッタ邸の裏庭でアンリエッタさんと昼食を一緒にとる。ちなみに、昼食の半分はマダラに渡しアンリエッタさんに今後は少な目に昼食を用意してもらうように伝えた。


「セイジロウさんは、体調が優れないのですか? それとも、料理に何か不満がありますか?」

「いえ、そうではないですよ。いつも通り美味しい料理です。実は、少し食べ過ぎのようで.....体型が気になりまして、ハハハ...」


「そうですか ?わたしには分かりませんけど? ですが、セイジロウさんがそうおっしゃるならそうしましょう」

「ありがとうございます。それと、以前話した水着ですが....」


「あの水に濡れても平気な服ですね。蝋や油を染み込ませてはダメなんですよね?」

「ダメでは無いですが、肌に不快感が出ますし、水は最初にしか弾きませんから効果は期待出来ないでしょうね」


 前の世界では着古した服を着て海水浴を楽しんだみたいだけどそれじゃあなぁ.....

ヌーディストビーチ見たいに全裸で入るのも解放感があって良いかも知れないけど、間違いなく捕まるだろうし.....余計なトラブルも付いてくるのは間違いない。


 水着をデザインしたどっかの人が自作して着たらワイセツ罪で捕まったって話もあったし、最初はワンピース型から徐々に露出を増やしていずれはビキニ型を作りたいけど....それじゃあなぁ.....


「問題は素材ですよね......魔導具で水だけを弾く服とか作れませんか?」


「さすがにそれは.....可能かも知れませんがそれはすでに服ではなく、装備に分類され価格も高くなりますよ? 水浴びをするだけの為に買うとは思えませんし、貸し出しにするにも貸し出し料は高くなると推測しますが....」


 それじゃ、誰も喜ばないよな....数人の水着姿を見てもなぁ.....あの浜辺を埋め尽くす美人、美女、美少女の水着姿をニマニマ愛でるのが......いや、最終的な目的はみんなの笑顔と娯楽だよ? ただ、ちょっとだけ? ちょっとだけねっ......


「アンリエッタさんの方で素材は思い浮かびませんか?」

「ん~~........今は浮かびませんね、すいません」

「いえ、謝るほどじゃないですよ。何か浮かんだら教えて下さい」

「はい、分かりましたら教えます」


「じゃ、マダラ...そろそろ倉庫整理に戻ろう。では」

 と、昼食休憩も終わりメイリーンさんに馬車で倉庫まで送ってもらい、陽が暮れるまで倉庫整理に汗を流した。倉庫内に設置された【風旋具】 の魔導具のおかげもあり、予定通りに三つめの倉庫が片付いた。これで、アンリエッタさんからの依頼の倉庫整理はあと一つになった。


 夏と言ったら水着だよね?

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