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魔眼、初起動

「何故もう身体強化が使える!?」


(さて、俺は気付かぬうちに魔法を使っていたみたいだが、理由が全く分からん。てか身体強化って何?)


「えっと、身体強化って何ですか?」


「ん?その名の通り身体を強化しより強い力をその身に宿す魔法だ」


「へぇー」


「へぇーではない!何故もう使えている!身体強化とは初期魔法と言われる皆が使える魔法でありながらもっとも死傷事故が多い魔法だ。君の魔力は異常な量で、もし加減を少しでも間違えれば体が弾け飛んでもおかしくはない」


「へ?」


(そ、そんなにやばい魔法だったのか。恐すぎ)


「で、でも何で僕にも使えたんですか?」


「だからそれを私が聞いてるんだ!まさか無意識なのか?」


「えーと、多分そうだと思います。使った感覚も使っているという感覚もないですから」


「何だと、それだけ濃密な魔力で強化していながら体に影響はなく、魔力量も気にならない程度だと。君の魔力量は化け物か」


「ハハ、そんな化け物なんて…」


(やばい、化け物は誇張してるのかと思ったらめっちゃ真剣な眼差しを向けられてしまった。まずい、すごく心にグサっとくる。まぁ、神の力だし仕方ないか)


「あの、まだ強化されてますか?」


「ああ、というか何故その濃さの魔力が見えないのか不思議だ」


「え?魔力って見えるんですか?」


「そうか、まだ君は魔力の感知しかしていなかったな。すまない、驚いて忘れていた。魔力はその感知した力を少し目に流せば見えるようになる。だが加減を間違えると目が破裂するから気をつけるように。まぁ、そんな事故も記録だけでほとんど起こっていないから大丈夫だと思うが」


「分かりました。やってみます」


(目に魔力を集中)


{『魔眼』の発動を確認}


「へ?」


「っ!き、君は魔眼持ちなのか!ステータス授与以前からだと、有り得ない!それにそんな色の魔眼は見たことがない」


俺は部屋に置いてある鏡を半ば無意識に見ていた。


(右の瞳に虹色の六芒星が描かれている。これが魔眼。しかしどんな能力なんだ?)


そして偶然、鏡に映り込んだミーファさんの姿を見た瞬間に彼女の横には俺が見たようなステータスが現れた。

するとすぐさま周りの物全ての性能、名称などの情報が流れ込んで来た。

データ量にして数TBを超えるだろうその情報を脳に直接送り込まれた。


そしてその瞬間頭に激痛が走った。


「ぐっ、がっあぁぁぁ!」


「な、なに!大丈夫!アリア!アリア!」


{『第一の魔眼 看破の魔眼』の発動を確認。

脳への深刻なダメージを確認。

上位神の干渉を確認。

上位神による魔眼の停止を実行、失敗。

世界システムから過度の干渉を確認、自動防衛を発動。

防衛成功、世界システムの干渉を一時的に無効化。

無効化の強制解除を確認、最高位者による魔眼の機能の強制的一部停止、制限を確認。

制限の解除を実行。

失敗、再実行、失敗。

現状での解除は不可。

解除不可、解除不可、解除不可、解除不可、解除不可、解除不可、解除不可。


アカシックレコードへの情報の移行を強制実行。

失敗。

アストラル体とアカシックレコードの同調を開始。

成功。

情報移行成功。

脳機能正常稼動率98%

神化率7%

後遺症確率0.0005%

残り魔力量0.8%、回復の為肉体の強制休眠を実行。

起床予測、3日後と予想}


そんな言葉が俺の脳内を支配し、俺は意識を失った。



「な!おい!おい!大丈夫か!外傷はない、となると、状況から見て魔眼の発動が原因か。なんて悠長な事を言っている場合じゃなかった。アリア、来てくれ!」


「どうしたのミーファ?一応この屋敷には使用人もいるんだから敬語にしないと…。…っ!ミロク!何があったの!」


「恐らくの原因は分かる」


「なに?」


「間違いなくこの子は魔眼を持っている。その魔眼の影響だと思う」


「魔眼を!この子はどれだけ常識外れなの」


「とにかくベッドへ連れて行こう。話はその後に」


「ええ、そうね。セーニャ」


「はい、どうなさいましたか?っ!ミロク様!何があったのですか?」


「とにかくミロクを部屋へ運ぶのを手伝って、話はその後に」


「分かりました」



そうして俺は部屋のベッドで眠っていた。


「ごめんなさい、でもこうしないと…」


という声がどこかで呟かれているとも知らずに。





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