なろう住民の皆様に質問(異世界転生・転移・召喚について)
我慢できなくなって書きました。
①なんで冒頭で神様を登場させるの?
べつに「気付いたら別の世界に転生(転移)していて、なぜか不思議な力を得ていた」で良い気がする。
「神」などという超越した存在を出してしまうと、相応の言動をしなければ小説全体が薄っぺらくなるリスクを抱える。神らしい神、というのを演出できる筆力の持ち主は少ないと感じる。
主人公が神に対して調子乗った言動をするという、酷いパターンもある。主人公が小中学生とかならいいが、それ以上の年齢でそれなりの対応ができないのは、社会不適合者にしか見えない。
最悪なのは、神がミスをして云々とかいうやつ。安っぽさが一気に噴出する上に、たかが一人間に神がミスを詫びる必要性に説明が付いていないことが多い。
他にも色々と神を出すことで生じるデメリットはあると思うが、逆に神を出すことによるメリットらしいメリットを思いつかない。
②なんで集団召喚モノでは、クラスメイトは大抵悪人なの?
学校のクラス全体が召喚されたようなケースでは、主人公はいじめられっ子(もしくは孤立している)という設定がやたらと多い。クラスメイトは何故か悪人や馬鹿ばかり。
作者のリアルがいじめられっ子なのか? それとも読者のニーズがそうなのか? いじめっ子に小説で復讐したいのか?
大抵この場合クラスメイトというのは踏み台や噛ませ犬の役割なので、読んでいて痛々しい。
クラスの皆で協力して異世界を攻略していく話の方が、個人的には面白そうに思えるのだが…。
③なんで召喚するという行為が、悪いことと認識されていないのか?
相手の了承を得ずに一方的に召喚するというのは、つまり「拉致」ですよ「拉致」。北朝鮮みたいなもん。
召喚する側が悪人という設定なら、それでOKですが。
何故か小説中では善人設定の連中が、「こっちにも事情があるから拉致したんです、許してね」というスタンスで召喚していたりする。無理があるだろ。客観的に自分の行為を考えろ。
召喚する側を善人設定にしたいなら、元の世界で死んだ魂を異世界で転生させているとか、召喚したけど返そうと思えば返せるとか、そういう逃げ道を用意する必要があるのでは?
④なんで主人公には、元の世界への未練が薄いの?
未練が無い理由が説明されている小説はOKです。元の世界では死んでるとか、元の世界では天涯孤独とか、理由付けは何でもできる。
しかし元の世界に家族がいるのに、あっさり異世界ライフに没入するような主人公が多い。どんだけ薄情?
愛も友情も不要、ただ異世界で美少女との肉欲に溺れたいだけだ、という世紀末スタンスの主人公ならそれでも良いですが。
善人設定の主人公が元の世界の両親とかを簡単に切り捨てて、異世界生活に乗り換えたりするのは、はたから見るとサイコパスすぎて怖い。
こんな恩知らずの心変わり主人公と結ばれたヒロインは、物語終了後に年取ったら捨てられて終わるんじゃないかな。
⑤なんで主人公は、貰い物の力で偉そうにできるの?
最初に挙げた神様を登場させる危険性から繋がることですが、主人公が神から特別な力を貰うという導入の仕方。
努力して得たわけでもない力で調子に乗る主人公は、ハッキリ言って滑稽だし、地道に努力している現地の人たちを舐めてるとしか思えない。親から貰った地位を笠に平民を蹂躙する貴族とかと何が違うのか?
貰い物の力で無双してるのに気持ち良く読める設定も、あるっちゃあると思います。主人公が謙虚オブ謙虚な性格だったり、主人公が対峙する相手が最低の悪人ばかりだったり、主人公が活躍することで大勢の人が救われたり。
しかし、そうではないケースが多い。
私以外のなろう読者は、どんな疑問点を抱えているのだろう?