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2話はじまりⅡ

「アオォーーーーーーーーン!!」

「っ?!」

身体に稲妻が走ったように感じた。この遠吠えは狼だ。しかもそう遠くないだろう。これはまずい。この子は起きなそうなので背中におぶって街へと駆け出した。

「はあ、はあ、ねえ君!起きてよ!今やばいんだって!!」

「Zzz………」

なんでこの状況で寝ていられるのよ…。しかし周囲に狼の足音がして逃げるのは絶望的であろう。私はつい最近リスカルの舎にて適正検査の結果、氷魔法が使えることがわかった。だが私はまだ初級の触れた物を凍らせるレベルしか使えない。これでどうやって戦えというのだ。………茂みがゆれたと思ったら視界が揺れた。狼に横から脇腹を噛みつかれ私と彼女は地面に転がった。脇腹が焼き尽くされたように痛い。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいイタイ

何匹もの狼に手足も噛まれてる。私の顔に狼の牙が迫る。

「や………いやっ…………イヤァァァァァァァァァ!!!!」

身体から氷点下のエネルギーが抜けていくような気がした。その刹那無数の氷の薔薇が辺りに現れて狼たちを串刺しにした。私の周りにいた狼はみんな氷の薔薇の棘が突き刺さっていた。

青薔薇繚乱(エス・ヒィオーレ)

限られた者しか使えない氷の上位魔法である。

幸いなことに氷の薔薇は狼だけを攻撃し、彼女は守っていた。よかった…。彼女の顔を見てみる。純粋な寝顔がそこにあった。その寝顔に癒されたと思った瞬間、彼女の目がいきなり開いた。そこには真紅の瞳があった。彼女は立ち上がり私に近づいて私の傷口に手を当ててきた。すると宙に銀の文様が私を包んだ。私の体が宙に浮いて、食いちぎられた部位を治してくれた。こんな魔法見たことがない。

「あのっ、傷を治してくれてありがとう」

「あの子と同じ眼をしていたから…」

そう言うと彼女の瞳の真紅の輝きが失われ、前に見た淡いピンク色の瞳になっていた。先ほどの神聖なオーラはなくなった彼女が呟く。

「あれ?私どうして森の中にいるの?」

……本当に何だったんだろうか。

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