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オーバー・A・ゲイン  作者: Sh0ω譚ヶ人
未知との邂逅
6/11

完全無欠の美少女?

今話からヒロインが登場します。

美少女なんで特に外見の設定はしてません。みなさんが各々思い浮かべる美少女で大丈夫です。

「なーなーたけぐし〜、俺らのクラス美人多いと思わねえ?」


 悲劇の入学式から数日が経ち、面白いやつというレッテル貼りのお陰か俺も幾人か友達が出来た。こいつもその1人。名前は覚えてない。

「例えそうだろうと女なんてみんな驕慢じゃねーか。いくら顔が良かろうがスタイルが良かろうが、俺の天秤で量るに及ばない」

「相変わらず訳分かんねえこと言ってんなぁ」


「さっき友達が出来たと言ったが、これは合ってもいるが間違ってもいる。確かにあの後友達は出来た、だが少しするとこいつ以外だあれも居なくなった」みんな虚言癖、妄想癖だのと言って俺と関わろうとはしなくなった。


「お前が頭良いことは分かったけど、もうちょっとクラスの輪とか考えてくれよ?」

「それは無理だ」

「そりゃ残念だ」

 こいつが言ってる通り俺は頭が良い方だ。そりゃやり直してるんだから当たり前だろうがな。この前の試験では学年1位を取った。


「今の状況はこいつと肩を並べて登校中だ」

 前の人生では大学まで友達なんか出来なかったし出来たのも1人だったな。今も1人だが……


「でも実際さ、高校生なら彼女作りてえもんだろ。なぁ?クラスでちゃんとしてればみんなもお前のこと悪いようには思わなくなるし」

 遠回しに言っているが、要するにクラスメイトと仲直り出来るよう善処してくれってことだ。


 確かに俺のクラスには美人が多い。それは俺も認めている。だけど、あんな奴らを好きにはならんだろう…顔が良ければ良いってもんじゃ無いんだよ。


「俺はもう既に人生のやり直しに失敗したのか」

 知識を使う場面なんて、来たところでモノに出来ないもんなんだ…


「みなさん、今日は編入生を紹介します。では、入って」と、朝のHRで担任がこう発すると

 ーーザワザワーー

 …どうせこいつらが考えることは一緒だ。なんでこんな時期に編入してきたんだってね。よく考えれば私立なんだから編入なんて滅多なことじゃ無いだろ。因みに俺は年齢詐称して15歳ってことになってる。おっさん顔じゃなくて助かった。


「皆さん初めまして、今日からこの学校に通うことになった。京都(みやこ) 柚七(ゆずな)です。よろしくお願いします」ニッコリ

「おー可愛いじゃん」

「やっべ俺好みかも」

 なんてクラスの男子共が囁き出した。俺は興味無いから突っ伏してたんだがちょっと気になり始めた。

「ちょっと可愛いからって調子乗ってるよね」

「だよねーなんかむかつく」

 女子からは不評のようだが、まぁそうだろう。可愛い女子に男子は流れるからな。あいつらは男子のことをどうと思ってる訳じゃ無いがモテることを一種のステータスにしてんだ。


「だが次の編入生の一言でそんな雰囲気は吹っ飛んだ…」なんて、漫画じゃねえんだからな。あり得る訳…

「私はただの男の子に興味はありません。女の子のみんなと仲良くなりたいと思ってます」

 しん、と痛いぐらいクラスが静まり返った後。

「ははは、気に入った。京都さん、だっけ? よろしくね」

 女子のリーダー格の一言から始まり女子は編入生を好印象で受け入れたようだった。が、それだと男子に良いイメージを持たれないんじゃ無いのか? と、思ったんだが、


「勿論、男の子達がどうしてもと言うのなら告白を受けますよ。全部断りますけど」と、若干笑顔で言った彼女を見て、男子共はとりわけ悪印象を持ったようには見られなかった。いや逆に…


「そうか! やられた...男子は単純だから逃げるものを追おうとするんだ。その習性を利用して突っ撥ねるようなことを言ったんだな」女子との関わり方も合わせて自分の魅せ方が分かってる女だと思った。

 折角だし、どんなツラしてるのか見てやるか。


 そう思い顔を上げた俺は、今まで見てきた女の誰よりも美しい女の子を目の当たりにしたのだった。

 思わず「ふつくしい…」と口走るぐらい。

 と、その美少女がこっちを見て満面の笑みで言った、

「ありがとう、ごめんなさい」

 その瞬間クラスが纏まった気がした、(俺を除いた)みんなが笑ってる。ああそうだ、俺がやりたかった自己紹介ってこんな風になるもんだったな…


「この完璧な美少女の鉄の仮面を剥がすことが、俺のこの人生の目標となるとは…このときの俺は考えもしなかった…」

 俺の周りで俺の陰口言うなよ聞こえてるぞ。


 麗らかな春の兆しが芽吹き、暖かな季節になった今日。俺は完全無欠の京都柚七の正体を暴く決心をしたのだった


 第5話・終

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