そして四月…
「時は流れて四月」
俺は高校の入学式に来ていた。別に甥っ子や姪っ子の晴れ姿を見に来たって訳じゃねえんだ。講堂の席に座り、長〜い校長の話を聞き終わり。
タケちゃんを含む新入生は自分のクラスの教室を目指し歩いていくのだった。
教室の自席にクラスメイト全員が座ると
「皆さん初めまして、私は〜〜」
担任の話が始まった所で状況を飲み込めていない諸君等に説明をして差し上げよう。
俺がとあるweb小説サイトを見てそこから会社を辞めた所までは大丈夫だろう。俺は異世界転生モノを読み思いついたのだ。そう、
「ドンッ! 高校生になって人生をやり直すという事を!
何を言っているか分からないって? 俺は分かるから大丈夫なのさ」
そんな感じで近くのこの私立片離間高校を受験し晴れて高校生になったのだった。
「えーと、では1人ずつ自己紹介をして行って下さい。1番からどうぞ」
来た、フフフッ[絶対ウケる自己紹介講座]を受講してきた俺にとって自己紹介などピンチではなく好機チャンスだ。
「〜〜です。よろしくお願いします」
前の番号が終わり俺の番が来た。
「いくぞ、スッと立ち上がるんだ」
スッ
「えーと、俺はた、竹山たけやま 文梳やす、だ。お俺のことは、タケちゃ、ぐし!…」
か、噛んだー!
しまった、俺は極度の人見知りでアガリ症という事をぽっかり忘れていたああああああ。
「ぷっ」
「「「「「ははははははははは」」」」」
「何だそれー」
「たけぐしだってさー。はははっ」
教室に笑い声が満ちた。嘲笑うでもなく純粋な笑い声。
え?何だと…
「ウケている…俺の自己紹介は完璧ではなく寧ろ駄目だったはずなのに、えっと、よ…宜しく」
「はい、竹山くんね」
担任に抑えられてクラスは若干静けさを取り戻し、そしてその後も自己紹介は続いた。
:
:
:
何だったんだあれは...俺は学校が終わった帰り道、今日の自己紹介のことを思い浮かべていた。
「俺は前の人生で培った知識で人生を完璧にやり直すつもりだったのに、汚点が出来てしまった。だが、ウケるのが目標だったのだからあれで良かったのか?」
ぶつくさ独り言を言いながら帰路に就く俺だったのである。
「でもたけぐしはやめて欲しいな」
一度付けられた渾名はそうそう拭えないという事をこのときの俺は知らなかった…
第4話・終
とうとう次回ヒロイン登場か!?
クラスに打ち解けたタケちゃんはもう完璧を捨てた?